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ちゃぶ台8 ミシマ社創業15周年記念号

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『ちゃぶ台8』ミシマ社創業15周年記念号
特集:「さびしい」が、ひっくり返る

四六判変形、198ページ

<「さびしい」が、ひっくり返る>に寄せて
 ちゃぶ台返しという言葉があるが、実際にするものではない。してはいけないと思う。家庭でそんなことをすれば、起死回生の関係回復より、崩壊が訪れる確率がずっと高くなる。仕事の現場でも、あの人のちゃぶ台返しのおかげで成功した、などとしばしば耳にするが、それは、ちゃぶ台返しというより、適切な軌道修正と言うのが正確だ。
 ただ、気分はわかる。長引く行動の自粛。先行きの見えない商売。ストレス発散もままならぬ日々。鬱屈とするのももっとも。あらゆるものを台に載せ、全てを投げ打ってしまいたい。そうして、0から再出発したい……。
 とはいえ、実際にストレスやら理不尽さからくる怒りを載せて爆発させると、自分たちが傷ついてしまう。一度や二度では済まないほどに怒る材料はあるわけで、身がもたない。
 では何をひっくり返す? と考えたとき、「さびしい」が脳裏に浮かんだ。
 理由は簡単。なんともいえず、さびしいのだ。仕事であれ日常生活の中であれ、人と会うことや接触が圧倒的に減った。そうして、だんだんとさびしさが募っていっている。いや、さびしくなったわけではない。生きることはもともとさびしいもの。それに気づかずにいただけかもしれない。ただ、確かにさびしいはある。
 その「さびしい」を、ひっくり返したい。
 本号では、尊敬してやまない書き手の方々に、さまざまな「さびしい」を載っけてもらい、ひっくり返してもらうことにした。そうしてみると、どんなことが起こるだろうか?
 想像するだけでワクワクしてくる。もう、すでに、「さびしい」が自分から去った気さえしてきている。
――本誌編集長 三島邦弘

目次
益田ミリ「仮りの世界」(漫画)
津村記久子「『さびしい』をひっくり返す」(エッセイ)
三好愛「おかえりアイロン」(絵と言葉)
斉藤倫「ビルさん」(創作)
村瀨孝生/松村圭一郎「弱さとアナキズム」(対談)
工藤律子「人のつながり、命のつながり パンデミック下のスペインより」(ルポ)
藤原辰史「民間人について」(論考)
齋藤陽道「人間が始まる」(フォトエッセイ)
榎本俊二「ギャグマンガ家山陰移住ストーリーPART7」(漫画)
滝口悠生「梅干と金盥」(小説)
内田健太郎「アロハ警察、山火事に遭う」(エッセイ)
土井善晴「地球と料理」(随筆)
寄藤文平「配置の話。 未来の描き方その2」(絵と言葉)
中村明珍「ダイナミック野景」(エッセイ)
中島岳志/辻山良雄/三島邦弘「著者、書店主と考える これからの本のこと」(鼎談)
益田ミリ/平澤一平「万年じいさま」(漫画)
面白い本屋さん 1/井戸書店 2/曲線 3/本屋・生活綴方(レポート)
須山奈津希「Reflection」(漫画)
編集後記

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