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カンマの女王

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『カンマの女王』「ニューヨーカー」校正係のここだけの話
メアリ・ノリス
有好宏文 訳

四六判、286ページ

「自分の仕事で好きなのは、人となりのすべてが求められるところである。文法、句読法、語法、外国語、文学の知識だけでなく、さまざまな経験、たとえば旅行、ガーデニング、船、歌、配管修理、カトリック信仰、中西部、モッツァレラ、電車のゲーム、ニュジャージーが生きてくる」(序章より)

鉛筆と紙の辞書を愛し、校正が「出過ぎた真似」といわれるのを恐れている“女王"。他人とは思えない。

――牟田 都子(校正者)



正しい英語とは何だろう?
カンマの思想とは?
鬼校正者はどこを見る?
今、英語の「揺らぎ」があなたを魅了する。

――阿部 公彦(英米文学者)

★概要★

誤字・脱字や言葉の誤用を正す「校正」。ベテラン校正者の眼を通じて見るそれは、規則と心情とのあいだで揺れ動く、意外なほど人間らしい仕事だった!
アメリカの老舗雑誌『THE NEW YORKER』の校正担当者で、“Comma Queen“〈カンマの女王〉の異名をもつ著者が、その半生と、校正の現場で遭遇したミスや「揺れ」を振り返る――。“between You and I"のようなネイティブでも間違える文法や語法、ディケンズ、メルヴィル、ディキンソンら著名作家たちが操る記号――カンマやダッシュ、コロン――の独特な使い方、クセが強い校正者たちのエピソード、トランスジェンダーのきょうだいを呼ぶときの代名詞etc…。「正しい英文法」だけでは白黒つけられない、迷いと葛藤の日々を描く唯一無二の校正エッセイ!

■内容

序章 カンマの女王の告白
〈足確認係からミルクウーマンへ/酪農人からニューヨーカーへ/すべての経験が生きる仕事〉

1章 スペリングは変人のもの
〈『WebII』と『Web 3』の聖なる序列―辞書の話/どうしてゼッドがズィーなのか―綴りと発音/centreをcenterに――アメリカ式スペリング/変人の聖地へ――メリアム・ウェブスター社/初めて拾った日―ゲラ読み宙に舞う〉

2章 どっちが魔女(ウィッチ)なんだか
〈ゲラ上のプロポーズ――著者への指摘出し/制限なんか嫌いだ――関係代名詞のthatとwhich すべてがここに集う――集約部/たぐい稀なるジョン・マクフィー――出すぎた鉛筆/魔法使いジョージ・ソーンダーズ――ぶらさがり分詞〉

3章 彼と彼女のむずかしい問題
〈さようなら、スチュワーデス――女性形の職業名/ペニスはheで受けるのか――代名詞の性/数と性はどちらが大事――?単数のthey 弟が妹になるということ〉

4章 屈折してるね、あなたとわたし
〈車はどうして動くのか――言語の構造/あなたとわたしの過ち――between you and me Iはmeのフォーマル版――?屈折変化/誰がために mはある――whoとwhom〉

5章 カンマは気まぐれ
〈J・F・ケネディはストリッパー――?シリアル・カンマ/プレゼントにわたしを買った――ディケンズのカンマ/立ち上がるための時間――メルヴィルのカンマ/何度も死なないために――『ニューヨーカー』の細かなカンマ/形容詞にスピンをかける――ジェームズ・ソルターのカンマ/若気の至りは文末に――イアン・マキューアンのカンマ〉

6章 『Moby-Dick〈白鯨〉』にハイフンを入れたのは誰?
〈バンパーとレジ係には要警戒――分けるハイフン/辞書に振り回される――繫ぐハイフン/カンマ・クイーンとミスター・ハイフン――芸術的ハイフン『/Moby-Dick〈白鯨〉』にハイフンを入れたのは誰〉?
7章 ダッシュ、セミコロン、コロンがバーに入ると
〈しかるべき長さ――エムダッシュ、エヌダッシュ/この曖昧なもの――ディキンソンのダッシュ/お高くとまったお方――ヘンリー・ジェイムズのセミコロン/折り目正しい執事――ケレファ・サナのコロン〉

8章 アポストロフィの浮き沈み
〈自然の浸食作用/アポストロフィ保護協会/八百屋は面白い〉

9章 使うなら * 正しく使おう * Fワード
〈押さえつけるとむしろ ******/ラッパーを校正すると******/遠回しに言うとかえって ******〉

10章 鉛筆狂のバラード
〈いちばんの鉛筆を求めて/すべての鉛筆はサンドウィッチである/区切りをつける/いざ鉛筆削り博物館へ〉

終章 百万ドルの校正者
〈百万ドルの校正者/図書館/カンマ、宙に舞う〉

謝辞
引用箇所
読書案内
校正という、人間の仕事――訳者あとがき
索引


メアリ・ノリス Mary Norris
1978年から『ニューヨーカー』誌で働く校正 者。オハイオ州クリーヴランド出身、現在は ニューヨークに住んでいる。本書がデビュー 作で、2作目のGreek to Me: Adventures of the Comma Queen(W. W. Norton, 2019)も出版されている。

有好宏文 ありよし・ひろふみ
1987年北海道旭川市生まれ。京都大学文学 部卒、読売新聞記者をへて、早稲田大学文学 研究科修了。訳書に、ニコルソン・ベイカー 『U&I』(白水社)。

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