スタンダードブックストア
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TENNOJI BASE
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橋本亮二『かけないひび』
¥1,100
二〇二四年、四十二歳から四十三歳への日々の小さな記録。 本を巡る六月の岩手ツアー。盛岡に降り立ち、紫波の町を歩き、たくさんの人と会った。旅をしていても、日常は頭によぎり、呼吸が浅くなる瞬間はあった。隣にいてくれる人、通り過ぎたり向き合ってくれる人がいて、それは抑えられた。温かい記憶、そのなかにも鋭利な衝動や漠とした虚しさ、足元が揺らぐ感覚はあった。それでも、あの日を思うとやわらかい光に包まれる。 常な日なんてないけれど、日常は存在する。心身の変化を強く感じる。年齢や環境のせいではなく、仕事とも人との関係性においても、核となるところで向き合えてこなかった積年が突きつけられている。言葉を綴ることも、えいやと走り出すことも叶わない日が続く。一日いちにち、欠けることがないようにとだけ思い、繰り返している。 すっかり読めなくなったけれど、気持ちも考え方も啓いてくれるのはやはり本だった。一人の人間の機微、捉え難い関係性や社会のあり方を掬い取り作品として昇華する作家の力。長い物語の全体がすこしずつ心にしみ渡ることも、たった一文に奥深く横になっていた思いが呼び覚まされることもあった。こんな文章を書きたい、その気持ちは変わらずある。そう思わせてくれる本は過去に数知れずあるし、これからも生まれてくる。 あの日のこと覚えてる? いつか、自分にも、横にいる人にも、遠くにいる誰かにも声を掛けたい。 (まえがきより) A6判(文庫サイズ)並製/本文90頁
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『製本と編集者 vol.2』
¥1,320
これまでの出版業界にとって本を作るということは疑う余地もなく、紙の本を作るということだった。電子書籍が登場し、多くの人たちが当たり前にそれを読む端末を手にし、紙の本の価値を問われるようになって久しいが、それでもまだ紙の本のほうが商売になる(儲かる)という理由で、なんだかんだと紙の本は作られ続けている。けれど商売になるかどうか以前に、どうして紙の本をいいと思うのか説明できるようになりたい。それは自分がこの先もこの仕事を続けていく理由に繋がるはずだからだ。 製本の現場から、三人の編集者へ問いかける これからの本についてのインタビュー、シリーズ第二弾 編者:笠井瑠美子 話す人:松井祐輔(エイチアンドエスカンパニー (H.A.B))、三輪侑紀子(岩波書店)、藤枝大(書肆侃侃房) 松井祐輔 まつい・ゆうすけ 一九八四年、愛知県名古屋市生まれ、春日井市育ち。千葉大学文学部史学科卒。出版取次の株式会社太洋社に勤務の後、株式会社筑摩書房、NUMABOOKSを経て、現在は無所属。二〇一四年に『HAB』を刊行。以降は断続的に『ナンセンスな問い』(友田とん)、『山學ノオト』(青木真兵、青木海青子)、『台湾書店百年の物語』(台湾独立書店文化協会)、『パリと本屋さん』(パリュスあや子)などの書籍を刊行。二〇一四年から「小屋BOOKS」、二〇一五年には移転し「H.A.Bookstore」として実店舗を運営。二〇二〇年に閉店し、現在はwebのみで販売を行う。並行して取次業も担う。本を売って生きている。 三輪侑紀子 みわ・ゆきこ 一九八七年、静岡県浜松市生まれ。二〇一〇年頃から角川春樹事務所書籍編集部アルバイト。二〇一四年頃から編集部員に。二〇一九年岩波書店入社。所属は児童書編集部。二〇二〇年に出産。二〇二一年頃から『図書』編集部にも参加。二〇二三年の担当書は『地図と星座の少女』『ローラ・ディーンにふりまわされてる』『クロスオーバー』『モノクロの街の夜明けに』『ナイチンゲールが歌ってる』。 藤枝大 ふじえ・だい 一九八九年に八丈島で生まれ、関西で育つ。未知谷を経て、二〇一七年より書肆侃侃房で勤務。主に詩歌、海外文学、人文書、文芸誌の編集をしている。短歌ムック「ねむらない樹」 (編集統括)、文学ムック「ことばと」、「現代短歌クラシックス」シリーズのほか、『左川ちか全集』『葛原妙子歌集』『はじめまして現代川柳』『うたうおばけ』『月面文字翻刻一例』『象の旅』『赤の自伝』『路上の陽光』『ベルクソン思想の現在』などの編集を担当。海外文学と詩歌の書店「本のあるところ ajiro」を二〇一八年に立ち上げ、運営している。 ページ数 106 判型 A 5変判 装丁 千葉美穂(Ophelia Design Studio.) 著者プロフィール 笠井瑠美子(編著) 一九八〇年生まれ。横浜市育ち。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業後、株式会社東京印書館に入社。退職後、デザイン制作会社に勤務する傍ら、手製本工房まるみず組で手製本を習う。加藤製本株式会社で束見本担当、二〇一九年退職。二〇二〇年一月より、株式会社松岳社で引き 続き束見本を担当することになりました。束見本以外にもいろいろな作業をするのですが楽しいです。 行きつけは今野書店、時々Title。本を売る先は古本屋の音羽館。かもめブックスは第五の故郷です。 ・『本を贈る』(三輪舎)共著 ・『先生』(生活綴方出版部)寄稿 ・H.A.Bノ冊子「製本する人々」連載中 ・dee’s magazine コラム連載中
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『製本と編集者 vol.3』
¥1,320
これまでの出版業界にとって本を作るということは疑う余地もなく、紙の本を作るということだった。電子書籍が登場し、多くの人たちが当たり前にそれを読む端末を手にし、紙の本の価値を問われるようになって久しいが、それでもまだ紙の本のほうが商売になる(儲かる)という理由で、なんだかんだと紙の本は作られ続けている。けれど商売になるかどうか以前に、どうして紙の本をいいと思うのか説明できるようになりたい。それは自分がこの先もこの仕事を続けていく理由に繋がるはずだからだ。 製本の現場から、三人の編集者へ問いかける これからの本についてのインタビュー、シリーズ完結 編者:笠井瑠美子 話す人:中村康二(光文社)、岸本洋和(平凡社)、出射優希(ライター) 中村康二(なかむら・こうじ ) 一九八一年生まれ。千葉県出身。武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科卒。病院の受付からパソコン誌二誌の編集を経て漫画編集者に。ウェブ漫画サイト「トーチweb」「コミックボーダー」「webアクション」を立ち上げる。二〇二四年七月から光文社に在籍。 岸本洋和(きしもと・ひろかず) 一九八一年生まれ。東京大学教養学部超域文化科学科(文化人類学)卒業。同大学院総合文化研究科修士課程中退後、二〇〇六年思文閣に入社。古美術を扱う仕事を五年経験したのち、二〇一一年平凡社に入社。二〇一五年、科学と文芸のシリーズ「スタンダード・ブックス」を創刊。新書、ノンフィクション、エッセイ、写真集、小説、人文書、絵本、漫画など、ジャンルを問わずいろいろ作っています。 出射優希(いでい・ゆうき) 二〇〇二年生まれ。兵庫県出身。京都芸術大学文芸表現学科卒業。インタビューを学ぶ。二〇二四年より、藍染を中心に伝統文化を伝える・受け継ぐ活動を行う「藍の學校」に、ライターとして伴走中。それを機にフリーライターとして活動をはじめる。人が好き。 ページ数 122 判型 A5変判 装丁 千葉美穂(Ophelia Design Studio.) 著者プロフィール 笠井瑠美子(編著) 一九八〇年生まれ。横浜市育ち。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業後、株式会社東京印書館に入社。退職後、デザイン制作会社に勤務する傍ら、手製本工房まるみず組で手製本を習う。加藤製本株式会社で束見本担当、二〇一九年退職。二〇二〇年一月より、株式会社松岳社で引き 続き束見本を担当することになりました。束見本以外にもいろいろな作業をするのですが楽しいです。 行きつけは今野書店、時々Title。本を売る先は古本屋の音羽館。かもめブックスは第五の故郷です。 ・『本を贈る』(三輪舎)共著 ・dee’s magazine コラム連載中 ・はたらく写真絵本シリーズ「はたらく製本所」(ambooks) ・はたらく写真絵本シリーズ「はたらく製本所」(創元社)
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日野剛広「本屋なんか好きじゃなかった」
¥1,430
12本のエッセイ、6つの書評、2017.10〜2022.12の日記を収めた文庫版。著者は本屋に勤めて30年、店長歴10年。 特に好きでもないコトやモノの周辺が生業となることも多々ある。諦めることもあれば、悩みながら続けることもあり、何かのきっかけでのめり込むこともある。本書で著者は悩み、自問自答しながらも決して飽きることなく継続することの大切さを伝えている。 この説明を書いている私もまさか本屋をやる羽目になるとは夢にも思わなかったが、なんとか続けている…どうでもいいか 発売3ヶ月で4刷。面白くないわけがない。(中川和彦) 152ページ 大きさ:文庫版 105×148mm
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花本武詩文集「いくつかの条件」
¥1,575
SOLD OUT
気後れしてしまうほど有名な現役書店員花本武の詩文集。著者はこの本の版元「十七時退勤社」の名付け親だそうだ。エッセイ、書評、日記に詩が収められた小冊子付。 個人的には「レビュー量産計画」の津村記久子『エヴリシング・フロウズ』と「角川春樹賛歌」が気に入っているが、どこを読んでも楽しめる一冊。(中川和彦) 題字は著者筆のシルクスクリーン、著者名と版元名はシール貼り、グレーのボール紙貼り 84ページ 大きさ:150×130mm
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『製本と編集者 vol.1 』
¥1,320
『製本と編集者』 笠井瑠美子 編集・構成 A5判並製、本文108ページ 〈製本の現場から、三人の編集者へ問いかける これからの本についてのインタビュー〉 個人的な興味と学びのために、編集者と話がしたいとずっと思っていました。十七時退勤社として活動するようになり、本にまとめてみなさんと学びを共有したいと作りました。協力してくださったのは以下の三人の編集者です。 もくじ はじめに Interview-01 加藤木礼 palmbooks インタビューを終えて Interview-02 友田とん 代わりに読む人 インタビューを終えて Interview-03 森本美乃里 フリー編集者 インタビューを終えて 担当した本を壊して学ぶ おわりに 十七時退勤社の本 加藤木礼 一九七八年生まれ。東京工業大学大学院生命理工学研究科博士課程修了。二〇〇五年新潮社入社。十七年ちょっと文芸書と文芸誌を担当したのち、二〇二二年秋から個人出版社palmbooks(パームブックス)として活動をはじめる。一冊目となる赤染晶子さんのエッセイ集『じゃむパンの日』を二〇二二年文学フリマ東京秋で初売り後、全国書店で順次販売予定です。 友田とん 一九七八年京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、大学院で数学(トポロジー)を専攻し博士(理学)を取得。企業でIT関連の研究開発に従事する傍ら、二〇一八年に『『百年の孤独』を代わりに読む』を文学フリマで発表。ニ〇二一年に独立。『うろん紀行』(わかしょ文庫)、『アドルムコ会全史』(佐川恭一)、文芸雑誌『代わりに読む人』を刊行。著者に『パリのガイドブックで東京の街を闊歩する』シリーズ、『ふたりのアフタースクール ZINEを作って届けて、楽しく巻き込む』(共著・太田靖久、双子のライオン堂出版部)。 森本美乃里 一九九五年生まれ。奈良県出身。同志社女子大学表象文化学部英語英文学科卒業。児童書出版社、編集プロダクションを経て、フリーランスの編集者に。趣味は、散歩してお気に入りの木を探すこと。
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手紙を書くよ
¥1,540
『手紙を書くよ』 橋本亮二+佐藤裕美、赤阪泰志、佐藤友理、中田幸乃、鎌田裕樹 四六判並製、本文180ページ 〈エッセイから書き出され、二往復される手紙、そしてエッセイで結ばれる。五人との交感〉 仕事を通じて、本を介して、書店の場で出会った、ゆかりのある方々に執筆参加してもらいました。 ごく私的なやりとりではありますが、手にしていただいた方に「自分にもこんな出会いがあったな、あの人に手紙を書いてみようか、あのときのことを言葉として綴ってみようか」と思ってもらえたら。 そんな願いを込めて綴じた本です。 もくじ 手にしてくださった、どなたかへ 佐藤裕美さま 光あれ 橋本亮二 祈り 佐藤裕美 赤阪泰志さま 社会を開く 橋本亮二 「いいね」をやめる、そして「いいな」へ 赤阪泰志 佐藤友理さま 中田幸乃さま あの日のことおぼえてる? 橋本亮二 点と点をつなぐ 佐藤友理 「あの日」から 中田幸乃 鎌田裕樹さま 歩きながら考える 橋本亮二 Hさんのテディベア 鎌田裕樹 橋本亮二(ハシモトリョウジ) 1981年、愛知県生まれ。出版社で営業職。共著『本を贈る』(三輪舎刊) 佐藤裕美(サトウユミ) 1985年福岡生まれ大阪育ち。心斎橋アセンス、スタンダードブックストア心斎橋、梅田蔦屋書店を経て、出版社の営業へ。 赤阪泰志(アサカサヤスシ) 1962年大阪府生まれ。大学卒業後、名古屋市のちくさ正文館書店入社。店頭販売では学参、語学書などを担当、外商も担当した。2020年退職、同年世界思想社教学社入社。東海3県を中心に学参、教養書の販売促進を行う。 佐藤友理(サトウユリ) 1988年宮城県生まれ。高校卒業後、岩手、千葉、東京、香川、徳島での暮らしを経て、2018年に地元に戻り、現在はせんだいメディアテーク職員。遠くで暮らす十人のエッセイ集『まどをあける』企画編集。 中田幸乃(ナカダユキノ) 1991年愛媛県生まれ。佐渡島の山間部の集落で「ニカラ」という本屋を営んでいます。佐渡生活は三年目、パートナーと猫と暮らしています。日々の楽しみは、コンビニで買う『週刊少年ジャンプ』と『暮しの手帖』。 鎌田裕樹(カマタユウキ) 1991年生まれ。農家見習い、文筆業。元本屋。 文芸誌『群像』にてエッセイ「野良の暦」連載中。(2022年11月号スタート)
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たどり着いた夏
¥1,210
『たどり着いた夏』 橋本亮二 タテ221mm × ヨコ143mm 114ページ 朝日出版社の営業と十七時退勤社の社長でもある橋本亮二さんの本に人生を捧げるエッセイの第三弾です。
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日日是製本 2021
¥1,100
『日日是製本 2020』にちにちこれせいほん 笠井瑠美子 タテ148mm × ヨコ103mm 72ページ 製本会社で働きながら十七時退勤社の副社長でもある笠井瑠美子さんの日記の第三弾です。
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うもれる日々
¥1,210
『うもれる日々』 橋本亮二 タテ221mm × ヨコ143mm 86ページ 朝日出版社の営業と十七時退勤社の社長でもある橋本亮二さんの本に人生を捧げるエッセイです。
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本を抱えて会いにいく
¥1,210
SOLD OUT
『本を抱えて会いにいく』 橋本亮二 タテ221mm × ヨコ143mm 108ページ 朝日出版社の営業と十七時退勤社の社長でもある橋本亮二さんの本に人生を捧げるエッセイの第二弾です。 小説を読む。音楽を聴く。文字を綴る。 向き合っている時間はひとりぼっちでも、どこかで必ず誰かとつながっている。 だから人に会いたくなる。どんな話をしよう。あなたはどんな顔をするだろう。 世田谷ピンポンズ 会いたい、嬉しい、楽しみ、だいすき。 大人になると、口に出すのをためらってしまう素直な気持ちを、 橋本さんはまっすぐ言葉にする。 会いたい、嬉しい、楽しみ、だいすき。 私も、あなたとあなたの紡ぐ言葉がだいすきだ。 小谷裕香(今井書店本の学校今井ブックセンター) 過ごす一日いちにちが積み重なり、月となり年となる。 それは失われたものではなく、たしかに生きた証。(はじめにより) 六月の記録/二回目の文学フリマをめざして/フルーツ星人/Re :デザインの力/犀の角/交わさずに触れ合う/眠りと再会/大きくて広い/水のまわりにいる鳥、魚、蟬/時間泥棒/ かもめブックスギャラリー「ひきつづきうもれる日々」生態記録日記/光が届く/兄ちゃんのこと/音楽と人/歩きながら考える/本の姿/『サキの忘れ物』一歩を踏み出す/『赤い砂を蹴る』作品との出合い/『息のかたち』長く、深く、強く/『ほとんど記憶のない女』手元に届く本/同じ時間を生きる/水平な視座に立つ 橋本亮二 1981年、愛知県生まれ。出版社で営業職。 共著『本を贈る』(三輪舎刊)
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日日是製本 2019
¥1,100
『日日是製本 2019』にちにちこれせいほん 笠井瑠美子 タテ148mm × ヨコ103mm 40ページ 製本会社で働きながら十七時退勤社の副社長でもある笠井瑠美子さんの日記です。
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日日是製本 2020
¥1,100
SOLD OUT
『日日是製本 2020』にちにちこれせいほん 笠井瑠美子 タテ148mm × ヨコ103mm 52ページ 製本会社で働きながら十七時退勤社の副社長でもある笠井瑠美子さんの日記の第二弾です。