スタンダードブックストア
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TENNOJI BASE
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【サイン本】柿内正午『ベイブ』論、あるいは「父」についての序論
¥1,200
※著者直筆サイン本です。サインは選べません。 映画『ベイブ』を丹念に見つめることで、「現代における父性とはどのようなものであるべきか」という大きな問いに挑む。『会社員の哲学』の精神的続編 映画を見るとはどういうことか。映画の表層だけを注視するのでもない。かといってありもしない深さや奥行きに捉われもしない。ただ「自分にはこう見えた」というひとつの視点をそのままに差し出すこと。画面上から読み取れることだけを記述しているはずなのに、なぜか生じる盲目と明晰の差異が際立つ。 自分の立場からものを考えるとはどういうことか。それは単純に「弱さ」の側にも「強さ」の側にも居直れない、複数の論理や構造の上での自身の中途半端な現在地をなるべく手放さないという絶え間ない持続である。わかりやすいポジションなど、個人にはとれはしない。 何度も何度も同じ映画を繰り返し見て、自分が何を見逃し、どんなありもしないものを幻視してしまっているのかを確認する。そうして自分の現在地を測る。「親」を引き受けることにいまだ躊躇う大したことない個人のありよう。 誰もが「子供」の立場から立ち去りたがらず、ありもしない「親」をでっちあげては怒り、悲しみ、疲弊していく状況がある。自らの夾雑物やずるさや構造的優位や鈍感さを誤魔化さず、それでもなおよりマシな未来のために個人が「親」的な立場を引き受けるための準備運動。それが『『ベイブ論』です。 新書版 173×105×5.8mm 88ページ
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【サイン本】会社員の哲学 [増補版]
¥1,200
※直筆イラスト、消しゴムハンコ押印 2021年に発表し、ご好評いただいた哲学風エッセイが新書サイズになって帰ってくる。 読みやすさを向上させる改訂や、一章ぶんの増補を加え、より親しみやすい一冊になりました。 「会社員」というありふれているようでどうにも特異な立場から、現代社会を描き直す。 無名で、凡庸な会社員が書く当事者研究であり、民族誌であり、思想書であり、哲学書。 「素人が哲学や政治や経済を語るという、本来まったく普通のことが、異様なことのように捉えられるのは非常におかしい。僕は素人として、いけしゃあしゃあと、生煮えの持論を振りかざしてみようと思う。あらゆるイズムで簡単にわかった気になることもできる限り避けながら、自分個人の生活から、これはしっくりくるなあという考えだけを頼りに、いったん自分で考えてみたことを、素人臭い手法で書き進めていこうと思う。この試みはまた、素人であることの肯定が、そのまま無思慮や専門知の軽視を意味するわけではないということの表明にもなるだろう。まず自分の手持ちの語彙で言葉にしてみないことには、より確度の高い知識へのアクセスもできないんじゃないか。 自分の頭で考えるというのは、自分に都合のいい世界観だけに従順な生徒根性でもなければ、自意識過剰で安易な逆張り精神でもない。なんかもっとよりよく生きたいなーという、それ自体はなんの変哲もない欲求から始めてみることなのだと、僕は考えている。」 (「はじめに」より) 新書サイズ、160ページ
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差異と重複
¥3,200
SOLD OUT
『差異と重複』 柿内正午 A5判 780ページ・二段組 並走する二つの日記。 停滞と変容の諸相。 どうでもよくない、代わり映えしない毎日。 2021年と2022年の日記が並走する大きな日記の本。 図体ばかりデカくて内容の大したことなさはいつもどおり。 大したことない日々は、どうでもよくはないのです。 「自分の日記を読み返しているうちに、もっと書かなくちゃなという気持ちが湧いてくる。この頃の僕は書けない読めないとぼやきつつもなんだかんだ結構読んでいるし書いているのだ。今の僕の方がずっと読めていないし書けていない。この数週間も、後で読み返すときには結構読めてるし書けてるじゃん、と感じるのだろうか。今回ばかりは、そうでもない気がするんだよなあ。というこれもまた、毎回思っていることなのだけど。一日として同じ日はない、というあまりに当然のことすらなんだか忘れてしまうようで、日記を読み返すと、確かに全部ちがう日だなあということと、とはいえ同じような日ばかりだということがよくわかる。同じようなことの繰り返しでも全く同じということはなく、その微妙な差異が積もり積もっていつのまにか見知らぬところにまで辿り着いていたりもするのだ。」(本文より) 巻末にこの日記の期間に読まれていた本を月ごとにまとめたリストに加え、拾い読みした本、読みかけの本、更には、図書館で借りて途中でやめたり結局開かれないままだったりした膨大な本のリストも掲載さrえています。
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代わりに読む人0 創刊準備号
¥1,980
『代わりに読む人0』創刊準備号 四六判、222ページ(一部カラー) 発行者 代わりに読む人 -発行人 友田とん さんより 文芸雑誌『代わりに読む人』は年1回刊行していきます。 「読む」ことを通じた思いもよらぬ隣人や異界との出会いを生み、読む/書く人たちの試行錯誤の場となる「公園」を目指します。 今回は創刊号ではなくあえて創刊準備号とし、特集もずばり「準備」としました。 文芸に限らず、アート、科学、実務などにアンテナを伸ばし、ぜひ読んでみたいと思う人びとに準備をテーマに、小説、エッセイ、批評、漫画などを執筆いただきました。 芥川賞作家の小山田浩子さんの短編小説や、『A子さんの恋人』の著者・近藤聡乃さんの創作についてのエッセイ漫画、『ODD ZINE』などの独自の活動を展開する小説家・太田靖久さんや、『アドルムコ会全史』が好評の小説家・佐川恭一さんの短編小説など、これを目当てに手にとってくださるような作品と並んで、偶然であった、とても面白いものを書かれ、多くの人に読まれてほしいと願う人たちに、代わりに読む人ならではの作品を書いてもらっています。 多くの人に興味を持ってもらえるのではないかと思います。 執筆者が読んだ本を紹介する「2021年に読んだ本」には、文学、人文、漫画など、様々な本が集まりました。 さらに、連載・小特集「これから読む後藤明生」では、今年生誕90周年を迎えた後藤明生と新たに出会うきっかけとして、初心者からファン、怪談作家、批評家まで、後藤明生について新鮮な視点で、書いてもらっています。 装画・挿画は代わりに読む人のロゴを描いていただいているアーティストの佐貫絢郁さん。 ほぼ全ページにわたり、佐貫さんのアートワークが置かれていて、佐貫さんの作品集としてもお楽しみいただけます。 【執筆者一覧】 蛙坂須美(怪談作家) 海乃凧(作家) 太田靖久(小説家) 小山田浩子(小説家) オルタナ旧市街 柿内正午(会社員) 鎌田裕樹(農家見習い) 近藤聡乃(アーティスト) 佐川恭一(小説家) 田巻秀敏(IT技術者) 陳 詩遠(物理学者) 東條慎生(ライター) haco 橋本義武(数学者) 伏見 瞬(批評家・音楽家) 二見さわや歌(菓子店店主) 毛利悠子(美術家) わかしょ文庫(作家) コバヤシタケシ(デザイナー) 友田とん(作家・出版社代表) 佐貫絢郁(装画・挿画・ロゴ) コバヤシタケシ(ブックデザイン) 飯村大樹(組版) サワラギ校正部(校正)
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【特典付き】雑談・オブ・ザ・デッド|柿内正午 + Ryota
¥1,300
SOLD OUT
『雑談・オブ・ザ・デッド』 柿内正午 + Ryota ※録り下ろしの特別雑談が聴けるQRコードが入っています。 182mm × 128mm 140ページ ゾンビ映画をめぐる雑談集。 ポッドキャスト「ポイエティークRADIO」で繰り広げられたゾンビトークを書籍化。 『恐怖城』からロメロの諸作品、そして『セーラーゾンビ』まで。 サブカル的教養主義でもなく、ただ恐怖を消費するのでもなく、ひたすらに作品を読み込んでお 喋りすることで見えてくる、作品と深く向き合う楽しさと喜び。 ■ポイエティークRADIOとは 会社員・柿内正午が「世の中の大したことないも のの総量を増やす」をモットーに掲げ毎週月曜日 に配信しているポッドキャスト。基本的には普段 のおしゃべりをそのままお送りしている。 ■推薦のお言葉 人は何故ゾンビにこうも惹かれるのか?それは彼らの不条理さに尽きるだろう。突然豹変して襲 いかかってくる家族や友人にただ喰われるのか戦うのかという非情な選択。嫌悪し恐れつつもそ の非常事態にスクリーンのこちらでわくわくしている私たち。遠く呪術の一つから始まったゾン ビは今や走りだし喋って恋までするけれど、その本質はただ存分に人の肉を喰らうこと。羊のゾ ンビまで登場して最早何でも有りのゾンビ世界を全六回に渡ってあらゆる視点から語り続けた柿 内正午さんとRyotaさんの熱いトークがついに一冊の本になりました!長い歴史と時代や社会を 残酷に時にド派手に越えてゾンビたちはこの先一体どこへ向かうのか? (武塙麻衣子 『諸般の事情』) 本書は〈清潔〉で〈グロくない〉、「読むゾンビ映画」だ! ゾンビ映画は「社会問題を包摂」しており、「考えさせられる」らしい......わかっちゃいるけど 食指が伸びない。教養のためと言い聞かせて無理に鑑賞しても、内臓、血液、いまにもスクリー ンを超えて漂ってきそうな腐臭に、思わず白目を剥いてえずいてしまう。そんな生理的反ゾンビ 党員たちもひとたび本書を読めば、柿内さんとRyotaさんの優しい語り口で、ゾンビ映画の深淵 へと誘われることになるだろう。貴方も二人の語りに耳を傾け、ゾンビ映画が放つ魅力と生理 的嫌悪感の狭間で引き裂かれよう! (わかしょ文庫 『うろん紀行』(代わりに読む人)) 「雑談・オブ・ザ・デッド」の味わいは、狂言「附子」のそれに似ている。 桶の中身は知らずとも、二人が桶の周りをグルグルまわり、その魅力をワイワイ話すのを聞く内 に、いつのまにか私たちまでゾンビという附子を味わってみたくなっているのだ。 (青木海青子 私立図書館ルチャ・リブロ司書)
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あまり読めない日々|柿内正午
¥1,500
SOLD OUT
『あまり読めない日々』 柿内正午 182mm × 128mm 221ページ 装画・表紙デザイン:イタガキユウスケ 解説:たけのこスカーフ この本の作者、柿内正午は都内在住自称「町でいちばんの素人」、会社員である。本作は日記本としては『プルーストを読む生活』、『町でいちばんの素人』に続く三作目にあたる。 本作では『プルーストを読む生活』の二匹目のドジョウを狙い「マルクスを読む生活」を試行して見事に失敗している。 その代わりと言ってはなんだが、人気スマホゲーム「Fate/Grand Order」にハマり、人生初の「推し」ネロ・クラウディウスと出会い、パンデミック以降の精神的にしんどい日々の鬱屈をコンテンツにより慰められるというありふれていながらもとても素晴らしいフィクションとの関係を築き上げていく様が滑稽なほど素直に語られている。 自らスノッブを自称する柿内が、スマホゲームに屈託なくのめり込んでいくのは見ていて小気味がいい。 今作の見所はネロちゃまへの熱狂だけではない。『プルーストを読む生活』の商業出版が決まり、じっさいにそれが刊行されるまでの心の移ろいは、一個人が「著者」になるまでの軌跡の一端を見るようだ。そしてそうやって過剰になっていく自意識と、パンデミックに際しての政府や会社に対して募らせる不信感とで、すっかり読書の喜びや日記の書き方を見失っていく姿は「人はこうも簡単に読めなくなるのだ」と恐ろしくなる。そしてそうであるからこそ、スマホゲームや映画など、本以外の作品を杖にかろうじて正気を保とうとする奮闘っぷりに打たれ、日々の喜びは何も本だけではないのだという気持ちにもさせられるのだ。 (著者あとがきより) ※スタンダードブックストアのことも載っていますのでぜひ見つけてください。 目次 日本語版への序文 日記「あまり読めない日々」 この日記に読まれていた本たち 訳者もとい著者あとがき 解説 たけのこスカーフ 柿内正午(かきないしょうご) 会社員。 著書に『プルーストを読む生活』(H.A.B)
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会社員の哲学
¥800
SOLD OUT
『会社員の哲学』 柿内正午 182mm × 128mm 91ページ レベッカ・ソルニットみたいな人文の香りのするエッセイを書きたい、という試み『会社員の哲学』。 素人が哲学や政治や経済を語るという、本来まったく普通のことが、異様なことのように捉えられるのは非常におかしい。僕は素人として、いけしゃあしゃあと、生煮えの持論を振りかざしてみようと思う。 (中略) それでは、町でいちばんの素人として、なるべく楽しい感じで、僕たちの生きるこの「世界」とやらを見直す試みを始めることにしよう。 (はじめにより) 柿内正午 会社員。「町でいちばんの素人」を自称し、文筆活動などを行う。 初の単著『プルーストを読む生活』(H.A.B)発売中。
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町でいちばんの素人
¥1,500
SOLD OUT
『町でいちばんの素人』 柿内正午 182mm × 128mm 265ページ 『プルーストを読む生活』の翌日から始まる日記本『町でいちばんの素人』。 「町でいちばんの素人」を自称する会社員の2019年12月から2020年7月までの日記。 パンデミックによる日常の変容を前に戸惑い憤りくたびれながらも、本を読み、本を作り、日記を書き続ける。 その姿から学ぶものは、特に何もない。 ただ嬉しさだけがある読書日記『プルーストを読む生活』の続編、というかその後の生活の記録。 なんであれ、読んで、書く。それを続けること。 その日々の実践からは「他人事にたいに平気で自分の内臓をさらけだす」とビートたけしが称したブコウスキーの精神が勝手に引き継がれている。 (著者本人評) 柿内正午 会社員。「町でいちばんの素人」を自称し、文筆活動などを行う。 初の単著『プルーストを読む生活』(H.A.B)発売中。
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プルーストを読む生活
¥3,245
SOLD OUT
『プルーストを読む生活』 柿内正午 装画:西淑 装丁・組版 中村圭佑+平本晴香(ampersands) 四六版(127mm ☓ 188mm ☓ 45mm) 768ページ デザイン:並製・フォローバック製本 製本はフォローバックという手法を採用。本体と表紙部分が離れていることにより、768ページという分厚い本もぺたりと開き、読書に没入できます。背の寒冷紗張り込みは手作業とのこと プルーストを読んでどうなるというのですか? プルーストを読んでいると楽しいです。 そんだけ! うっかり神保町で『失われた時を求めて』ちくま文庫版全10巻セットを買ってしまった。せっかく買ったので毎日読んでいる。せっかく読んでいるので、読みながら毎日ものを書くことにした。読書と、生活と、脱線の記録。いつもリュックにプルースト。毎日読んで、毎日書く。それだけを決めて、ほとんどプルーストではない本ばかり引用し、役にも立たなければ、読んだ端から忘れていくので物知りにもならない、ただ嬉しさだけがある読書日記。 解説:友田とん(代わりに読む人) (目次) 『プルーストを読む生活』の要約 プルーストを読む生活 プルーストを読まない生活 解説 あとがき この本の時期に読まれていた本(リスト) 本日記は『失われた時を求めて』を読んでいる、というだけで、それはなにか解説書の類でも、読書記録の類でもありません。むしろプルースト以外の本を大量に読み、仕事に疲弊し、悩み、気を紛らわせ、本が読めないと嘆き、そしてまた本を読む。そうした、普通の日々を、毎日の日付とともに読了ページ数が表示される『失われた時を求めて』に寄り添われるようにしながら書き続けられた、ただただ読書は楽しいなぁと、そんな気持ちになる約一年間の日記です。 柿内正午(かきないしょうご) 会社員。 プルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、「家」の別のやり方を模索するZINE『ZINE アカミミ』などを制作。 Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。