















アニミズム時代
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『アニミズム時代』
岩田慶治
文庫判、347ページ
森羅万象のなかにカミを体験する!
アニミズムの根幹を自然と人間との直接的対応におきかえ、その発端の姿を描きだす。
岩田アニミズム論の到達点を示す名著。待望の文庫化!
巻末には、本書刊行当時に行なわれた著者と秋道智彌氏との対談「いま、なぜアニミズムなのか」を収載。
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さて、これから述べようとすることは今日のアニミズムである。それは私のアニミズムであるとともに、皆さま一人ひとりのアニムズムでなければならない。ホントのことをいうと、木のアニミズム、鳥のアニミズムというふうに、森羅万象がそれぞれの世界の主人公になって自分を語りだし、また、たがいにそれを聞くことのできる時が来るのを待っているのである。
そういう時がこの本のなかで自然に開かれていくことを願ってやまない。
いま、人類は未曾有の大変革期に直面している。そこでは民族と民族がぶつかりあい、宗教と宗教が対立し、人類と自然との共存が危ぶまれている。迫りくる危機を声高く警告する人もいるし、黙って、こころの奥深くに終末を予感している人もいる。
こういう危機的な時代のなかで、各方面からアニミズムにたいして期待がよせられているのだ。「この人類的な危機を救うためにはアニミズムを再検討しなければいけない」。そういった提言なのである。
(「はじめに」より)
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目次
はじめに 〈アニミズムの時代〉が来る
I アニミズムとは何か
カミの出現 アニミズムの見取り図
宗教の海 宗教の発端としての「大洋感情」
魂のトポロジー 魂の交流する空間
II カミのいる時空
穴のあいた空間 神、カミ、そしてカミ以前へ
自分マンダラが動く 自然のなかへ融けこむ
シンクロニシティの空間 因果性と同時性
草木虫魚教のゆくえ アニミズムという画面
III 画面のなかの自分
大地の色 大地という空間
生死の風景 風景画のなかの自分
私の山河 無限を含む風景
宇宙と交感する 身体という自然
風景のなかへ アニミズムの風景学
IV 宇宙の森
森の思想・森の生き方 南の森から学ぶ
宗教の森 宇宙にむかうエコロジー
あとがき
付記 いま、なぜアニミズムなのか
初出一覧
解 説 松本博之(奈良女子大学名誉教授)
岩田慶治(イワタケイジ)
1922年,横浜市生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学大学院特別研究生,大阪市立大学教授,東京工業大学教授,国立民族学博物館教授,大谷大学教授を経て,東京工業大学名誉教授・国立民族学博物館名誉教授。 著書に『カミの誕生――原始宗教』『東南アジアの少数民族』『草木虫魚の人類学――アニミズムの世界』『コスモスの思想――自然・アニミズム・密教空間』『カミの人類学――不思議の場所をめぐって』『カミと神――アニミズム宇宙の旅』『道元の見た宇宙』『からだ・こころ・たましい――宗教の世界を旅する』『死をふくむ風景――私のアニミズム』『木が人になり,人が木になる。――アニミズムと今日』『岩田慶治著作集』(全8巻)など多数。2013年2月,逝去。
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