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愉快のしるし|永井宏

¥2,420 税込

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『愉快のしるし』SUNSHINE + CLOUD 1995-2011
永井宏

1995年4月20日、湘南・葉山のはずれにひっそりと “SUNSHINE + CLOUD” というショップが誕生した。命名は「だれにでも表現は出来る。ひとりひとりの暮らしが表現になるんだ」と人を励まし、みずからも表現し続けたアーティスト永井宏さん。
ここに収められた言葉は、この店の通販カタログのために17年にわたり永井さんが書き続けた956もの断片の、そのすべて。

text+artworks 永井宏
編集 信陽堂編集室(丹治史彦・井上美佳)
校正 猪熊良子
ブックデザイン F/style(五十嵐恵美・星野若菜)+信陽堂編集室

新書変形版上製 172mm × 112mm
496ページ

「ひとつの風景を思い出すと、ひとつの出来事を思い出す。自分がいた場所や時間の記憶は豊かな自然と一緒で、積み重ねてきたものが生い茂るように自分の中で育っていく。」

「新しい出来事は古い出来事でもある。記憶を何度も繰り返して、そのどこかとどこかを結びつける。すると新しい未来が見えてくるような気がしてくる。」

「風の強い日、丘の上で体を風に任せる。体を前傾し、手を大きく広げ、空を飛ぶ真似をしてみたり、草の中に寝そべって、風の横切っていく音を聴く。空を見上げて風を見つめる。自分の居場所がわからなくても、そうして、とにかく生きているんだってことを体で知るということが必要なときもある。」

「料理の基本はシンプルで清潔なこと。食べることの心地好さが上手く伝わることが秘訣で、もちろん、美味しく食べてくれる人も必要だけど、もっと大事なのは毎日の自分の気持ち。」

「少しずつだけど、ちょっとだけマニアックな本屋さんが増えている。人の目で選び、その意志や心意気を本というものを通して伝えているような店で、規模が小さくても、本の持っているさまざまな目的をみんなで眺めようとしている場所でもあるような気がする。」

「その場所の精霊が宿ったようなときの気分っていうのがある。月や太陽や海や空が自分のためだけにあるような風景が目の前に大きく広がっていて、その神秘的な色彩の反射の中に自分も佇んでいるのだということを知った時だ。」

永井宏(ながいひろし)
美術作家。1951年東京生まれ。1970年なかごろより写真、ビデオ、ドローイング、インスタレーションなどによる作品を発表。80年代は雑誌『BRUTUS』(マガジンハウス)などの編集に関わりながら作品を発表した。1992年、神奈川県の海辺の町に転居。
.92年から96年、葉山で生活に根ざしたアートを提唱する「サンライト・ギャラリー」を運営。99年には「サンライト・ラボ」を設立し雑誌『12 water stories magazine』を創刊(9号まで刊行)、2003年には「WINDCHIME BOOKS」を立ち上げ、詩集やエッセイ集を出版した。自分でも旺盛な創作をする一方で、各地でポエトリーリーディングの会やワークショップを開催、「誰にでも表現はできる」とたくさんの人を励まし続けた。ワークショップからはいくつものフリーペーパーや雑誌が生まれ、詩人、作家、写真家、フラワーアーティスト、音楽家、自らの表現として珈琲焙煎、古書店、雑貨店やカフェ、ギャラリーなどをはじめる人などが永井さんのもとから巣立ち、いまもさまざまな実験を続けている。
2011年4月12日に永眠、59歳だった。
2019年、『永井宏 散文集 サンライト』(夏葉社)、復刻版『マーキュリー・シティ』(ミルブックス)が相次いで刊行され、リアルタイムでの活動を知らない新しい読者を獲得している。

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