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ミスエデュケーション

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『ミスエデュケーション』
エミリー・M・ダンフォース
有澤.真庭(訳)

四六判、528ページ

「同性愛矯正施設」に送り込まれても仲間と共にたくましく生き抜く、
LGBT青春小説
『ミスエデュケーション』は2012年にアメリカで誕生した、レズビアンの少女キャメロンの半生を描いたヤングアダルト小説。同タイトルの映画(邦題『ミスエデュケーション』)の原作です。

舞台は90年代初頭の米・モンタナ州。12歳の主人公キャメロン・ポストは、女の子とキスをした翌日に交通事故で両親を亡くし、超保守的な叔母との生活を余儀なくされます。その後「秘密」がばれてしまい、叔母によって同性愛の矯正治療施設「神の約束」に放り込まれてしまいます。施設でさまざまな矯正プログラムを通し、職員たちから「同性愛は罪」と繰り返し伝えられる日々にとまどい、うんざりするキャメロンですが、そこで出会った仲間たちとの絆を深めていきます。しかしある日、大事件が起こり…。
キャメロンは、仲間たちは、いったいどうなってしまうのか。

著者は、本書がデビュー作となるエミリー・M・ダンフォース(Emily M.Danforth)。ロード・アイランド大学の助教授で、同性パートナーと暮らすレズビアンです。「同性愛者の少女の思春期の日々を、数年かけて追った成長物語を書きたい」と願って本書を執筆しました。実際に同性愛矯正治療キャンプに送られた16歳の男の子の話を知り、調査を行ったことが物語に大きく活かされています。

本書を原作とした映画『The Miseducation of Cameron Post』(2018年/監督:デジレー・アカヴァン)は、サンダンス映画祭2018のUSドラマ・コンペティション部門においてグランプリを受賞。クロエ・グレース・モレッツ(Chloë Grace Moretz)が主人公キャメロン役を務め、圧巻の演技で注目を浴びました。日本では劇場公開されず、DVD発売のみ(2019年2月)となりましたが、青春物語やLGBTQの若者の物語が好きな方に広くおすすめする映画です。

理不尽な環境の中を、仲間とともに精一杯生き抜くキャメロン。その姿に勇気をもらえる、リアルなゲイティーンのお話です。

エミリー・M・ダンフォース (emily m. danforth)
モンタナ州マイルズシティに生まれ育つ。モンタナ大学で創作文学の美術学修士号、ネブラスカ大学リンカーン校でクリエイティブライティングの博士号を取得。同大学の〈ネブラスカ・サマー・ライターズ・コンフェレンス〉ではアシスタント・ディレクターをつとめた。ダンフォースはロードアイランド大学にてクリエイティブライティングおよび文学課程を教え、『The Cupboard』の共同編集人でもある。本書はダンフォースのデビュー作となる。

有澤真庭(ありさわ まにわ)
千葉県出身。アニメーター、編集者等を経て、現在は翻訳家。主な訳書に『アナと雪の女王』『キングコング 髑髏島の巨神』『自叙伝 ジェームズ・T・カーク』(竹書房)、『スピン』(河出書房新社)、『いとしの〈ロッテン〉映画たち』(竹書房より近刊)、字幕翻訳に『ぼくのプレミア・ライフ』(日本コロムビア)がある。

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