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パッケージツアーの文化誌

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『パッケージツアーの文化誌』
吉田春生

四六判、296ページ

「商品としての旅」はどのように開発され、進化してきたのか?
日本人の旅をめぐる知られざる創意工夫の物語。

旅の現場を知悉する著者が、日本における「パッケージツアー」の成り立ちと
その進化の方向性を考察する稀有な社会史。
日本人の「旅」の大半を担ってきたにもかかわらず、
表立って語られることの少ない「パッケージツアー」の来歴に光を当てる。
21世紀の成長産業として期待される「観光」の在り方を考えるためにも必読の一冊!
《第5回草思社文芸社W出版賞 金賞受賞作品》


【本書「はじめに」より】
二〇二〇年の深刻な状態は一、二年で回復できるものではないかもしれない。
それまでの旅行業界のあり方、業態が一度リセットされることになるのかもしれない。
それでも旅行会社に約二〇年間勤務した筆者には、
旅行業界がこの苦境を新たな創意工夫で克服するとの思いも打ち消しがたい。
 その思いはパッケージツアーを中心とした旅行会社の取り組みの歴史を振り返ることで
明確になると思われてならない。ただ、ここまで書いてきて意外というか、
ここまで来たかとの思いを強くする深刻なニュースが二〇二〇年一一月一二日に新聞各紙で報道された。
それは長年親しまれてきた近畿日本ツーリストのパッケージツアー・ブランド、
海外旅行の「ホリデイ」と国内旅行の「メイト」の販売が二〇二一年三月末をもって終了するというものだった。
 パッケージツアーはなくなってしまうのだろうか?
いや、私たちは冷静にパッケージツアー誕生の歴史や果たしてきた役割、旅の本質、
日本人のさまざまな旅行形態を振り返ってみれば、将来への見方も転換できるように思える。

目次
序章 パッケージツアー以前――一九六〇年代の海外旅行

第一章 パッケージツアーとは何か
1 パッケージツアーはいかに生まれたか
2 用語を整理する
3 パッケージツアーの効用と意義

第二章  パッケージツアーは何を提供しているか
1 経験価値とは何か
2 システムアップ商品

第三章  ビジネスとしてのパッケージツアー
1 手配の仕組み
2 流通の仕組み

第四章  こんなパッケージツアーがあった
1 日本交通公社・日本通運「ルック」(一九六九年四月~一一月)
2 ヴィーヴル「ヴァリューツアー」(一九七六年)
3 旅行開発「ZERO」(一九七八年六月~一九七九年三月)と『地球の歩き方』
4 「ルックJTB アメリカ・カナダ メキシコ・カリブ海」東京発(一九九二年四月~一九九三年三月)
5 日本旅行「ロイヤルマッハ 五大陸・専用機 世界一周 三三日間の旅」三九〇万円 一九九六年一〇月一二日発)
6 JTB「ビジネスクラスの旅 夢の休日」(二〇〇六年一〇月~二〇〇七年三月)

第五章 パッケージツアーの未来
1 パッケージツアーの創意工夫
2 新しさはどこにあるか「ルックJTB 添乗員がご案内する私だけの旅」の検証

終章   「コロナ以後」はどうなるのか

吉田春生(ヨシダハルオ)
1947年、名古屋生まれ。1970年、大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)卒業。日本交通公社(現JTB)に約20年間勤務したのち、専門学校の非常勤講師を経て鹿児島国際大学で教鞭をとり、経済学部教授を最後に定年退職。旅の現場を熟知した立場から日本人の旅行・観光の在り方に光を当てる著作多数。主なものに『観光と地域社会』(ミネルヴァ書房、第1回日本観光研究学会「学会賞観光著作賞」受賞)、『新しい観光の時代 : 観光政策・温泉・ニューツーリズム幻想』(原書房)、『ツアー事故はなぜ起こるのか : マス・ツーリズムの本質』 (平凡社新書)、『観光マーケティングの現場 : ブランド創出の理論と実践』(大学教育出版)などがある。

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