



















動いている庭
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『動いている庭』
ジル・クレマン
山内朋樹(翻訳)
A5変型判、336ページ
庭づくりの実践に導かれた大胆な環境観が思想・建築・芸術分野にも刺激を与えている
フランスの庭師クレマンの代表作。カラー120ページ
できるだけあわせて、なるべく逆らわない――これが現代造園の世界に新たな一ページを開いた
庭師、ジル・クレマンの哲学である。
荒れ地での植物のふるまいをモデルとし、土地を土地のダイナミズムにゆだねつつ、
植物を知悉する庭師の手によって多彩で豊かな進化をうながすプロジェクト、それが「動いている庭」だ。
クレマンは自邸である「谷の庭」で実験と観察を重ねながら、種の多様性、さまざまな
エネルギーの混在、美が展開する庭づくりの技術と管理方法を見いだしてゆく。
クレマンにとって、庭は人が驚きと出会う空間、庭の仕事は夢の光景を創り出す営みだ。
だからここに収められた文章と写真は、夢を見るために試行錯誤をくりかえす庭師の、
思索と実践の記録でもあるだろう。
本書は、庭づくりの手引きを越えた、自然と人間の関係をめぐる智恵の宝庫である。
クレマンの思想は、生命のゆらぎのなかに生きるわたしたちに多くの示唆をもたらすだろう。
田瀬理夫氏(造園家/プランタゴ代表) 推薦のことば
「 雑草の種子が風や鳥、虫たちによって伝播して、思わぬ処に芽を出し、やがて風景を変貌
させることがある。土地の様相は自然の営みや人間の働きかけによって、人々の喜び、驚
き、憧れ、悲しみ、時には怖れなどを織り込むものとなるだろう。
ジル・クレマンは、「建物が建てられていない部分は、生物に満たされ、動きがある。それ
が庭の実質である」として、いかなる形にも定められない存在としての庭を夢み、「動いてい
る庭」を見出した。それは「自然のなかに自分の存在の重要な一部分を再発見しようと求め
ている人々の、暗黙の要求に応えるもの」であり、変化の動きは庭の構想をたえず覆す。そ
の過程で、庭師とその仲間たちが発見を積み重ねてきた「庭の技術、つまり風景をつくる技
術と、それを維持する技術は、これから逃れようもなくやってくる多様性の衰退を未然に防ぐ
ことができる」にちがいない。
そして「動いている庭」はどんな政治的プロジェクトに結びついていくだろう? 私たちはその土地土地の日常で「人と自然の関係の現実」という「庭」の中で、どうふるまっていくだろう?」
ジル・クレマン
Gilles Clément
1943年フランス、クルーズ県生まれ。庭師、修景家、小説家。
植物にとどまらず生物全般についての造詣も深く、カメルーン北部で蛾の新種(Bunaeopsis clementi)を発見している。 庭に植物の動きをとり入れ、その変化と多様性を重視する手法はきわめて特異なもの。現在、ヴェルサイユ国立高等造園学校名誉教授。代表的な庭・公園に、アンドレ・シトロエン公園(パリ、1986-92、1992-98)、アンリ・マティス公園(リール、1990-95)、レイヨルの園(レイヨル=カナデル=シュル=メール、1989-1994)などがある。
著書として、庭園論に『動いている庭』(1991)、展覧会カタログ『惑星という庭』(1999)、『第三風景宣言』(2004)、コレージュ・ド・フランスでの講演をもとにした『庭、風景、自然のひらめき』(2011)、小説に『トマと旅人』(1997)ほか多数。
山内朋樹
1978年兵庫県生まれ。美学・庭園史研究、庭師、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程指導認定退学の後、関西大学ほか非常勤講師。ジル・クレマンを軸に現代ヨーロッパの庭や修景をかたちづくる思想と実践を考察しつつ、その源泉を近現代の庭園史に探っている。また、在学中に庭師をはじめ、研究の傍ら独立(草木の使代表)。京都を中心に関西圏で庭をつくるほか、庭をとおして芸術祭への参加やフィールドワークなどをおこなう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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