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マクルーハン発言集

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『マクルーハン発言集』メディア論の想像力
ステファニー・マクルーハン / デイヴィッド・ステインズ
宮澤淳一 訳

A5判、352ページ

1960年代から1970年代にかけて、英文学の大学教師マーシャル・マクルーハンはメディアの専門家として頭角を現し、「メディアこそがメッセージである」「ホットなメディアとクールなメディア」「グローバル・ヴィレッジ(地球村)」などのフレーズで世界を魅了した。『グーテンベルクの銀河系』『メディアの理解[メディア論]』は今日に至るまで現代の古典として読み継がれている。本書は当時の講義・講演やテレビ出演など20のテキストの集成である。

「20世紀後半における学問の世界をこれほど席捲した人物を私は知らない。19世紀と20世紀の変わり目の数十年間であれば、生物学にはダーウィンが、政治学にはマルクスが、物理学にはアインシュタインが、心理学にはフロイトがいた。だがそれ以降は、コミュニケーション研究におけるマクルーハンしかいないのだ。」(トム・ウルフ「本書に寄せて」より)

壁のない教室、ユークリッド空間と触覚的世界、ともにある(ウィズ)の状況の出現、仕事から役割へ、環境の内容は芸術作品、ほとんどのニュースは偽物、即時再生とパターン認識……多種多様なトピックをめぐって演台から放たれるマクルーハンの発言は、居心地の悪い状況を乗り越えるための知恵の総体であり、21世紀にも有効なワクチンだ。切実な希求として読解に取り組めるのは、まさにこれからなのである。

目次
 本書に寄せて トム・ウルフ
 まえがき ステファニー・マクルーハン

1 電子革命――新しいメディアの革命的効果について(1959年)
2 ポップカルチャーとマスカルチャー――アメリカ的展望(1960年)
  テクノロジー、メディア、文化
  コミュニケーションの革命
3 サイバネティクスと人間の文化(1964年)
4 電子時代における人間の将来(1965年)
5 メディアこそがマッサージである(1966年)
6 インターネットを予見する(1966年)
7 電子時代におけるカナダ――マーフリート記念講演会(1967年)
  境界例としてのカナダ(第一講演)
  包括的な意識に向けて(第二講演)
8 フォーダム大学における初講義(1967年)
9 オープン=マインド・サージャリー(1967年)
10 本の未来(1972年)
11 新しい神話形式としてのテレビ・ニュース(1972年)
12 労働倫理の終焉(1972年)
13 芸術は生き残りの手段(1973年)
14 光の速度で生きる(1974年)
15 テレビの正しい使い方(1976年)
16 討論のメディアとしてのテレビ(1976年)
17 暴力はアイデンティティの探求(1977年)
18 人間とメディア(1979年)

 あとがき デイヴィッド・ステインズ

 訳者あとがき


著作一覧
略年表
索引

マーシャル・マクルーハン
1911年カナダのアルバータ州エドモントン生まれ。マニトバ州ウィニペグで育ち、33年マニトバ大学卒。英国ケンブリッジ大学トリニティー・ホールに進み、中世の教育、ルネサンスの文学、エリザベス朝の修辞学を専攻し、42年博士号取得。46年にトロント大学セントマイケルズ・カレッジに着任(52年に教授)。英文学を教え、文芸批評に携わる。51年『機械の花嫁』より現代文化とメディアの問題に傾斜し、54年トロント大学の同僚たちと学際誌『探求』を始める。62年、活字人間の形成を扱った『グーテンベルクの銀河系』がカナダ総督賞。63年よりトロント大学文化・技術センター所長。64年、電気メディア時代の諸相を説いた『メディアの理解[メディア論]』を発表し、標語「メディアこそがメッセージである」や「ホット&クール・メディア」「地球村」などの用語とともに「メディアの予言者」として北米全土で騒がれる。67年『メディアこそがマッサージである』、68年『地球村の戦争と平和』などの著作が続き、世界的に著名なカナダ人となった。66-68年、日本でも「マクルーハン旋風」が起こり、用語が流行した。80年トロントで没。

ステファニー・マクルーハン
1947年トロント生まれ。マーシャル・マクルーハンの三女。68年トロント大学卒。ニューヨークで映画製作者となる。監督作品にMarshall McLuhan: Man and His Message (CBC, 86)、 The Video McLuhan (McLuhan Production, 96)。15年より、父親の映像・音声を集めたウェブサイト Marshall McLuhan Speaks: Special Collectionを運営。トロント在住。http://www.marshallmcluhanspeaks.com/

デイヴィッド・ステインズ
1946年トロント生まれ。67年トロント大学卒。ハーヴァード大学で68年修士号、73年博士号。オタワ大学教授。中世文学、ヴィクトリア朝文学、カナダ文学。文芸批評を通じてカナダ文学の振興に努めてきた功績で2011年カナダ勲章(Order of Canada)。マクルーハンも寄稿した編著『カナダ的想像力』(ケンブリッジ大学出版局、77年)や、アリス・マンローのコンパニオン(オックスフォード大学出版局、16年)など、著作多数。邦訳に「ノンフィクションの形式――イニス、マクルーハン、フライ、グラント」、ハウエルズとクローラー編『ケンブリッジ版カナダ文学史』(彩流社、16年)所収(第17章、宮澤淳一訳)。

宮澤淳一(ミヤザワジュンイチ)
1963年群馬県生まれ。86年青山学院大学国際政治経済学部(国際政治学)、88年早稲田大学第一文学部(露文)卒。早稲田大学大学院文学研究科に博士課程まで学ぶ。2007年東京大学にて博士(学術)。現在、青山学院大学総合文化政策学部教授、国立音楽大学講師。トロント大学客員教授(00年;18-19年)、ヨーク大学客員教授(18-19年)。マクルーハン財団メンバー。文学研究、音楽学、メディア論。主著に『グレン・グールド論』(春秋社、04年;吉田秀和賞)、『マクルーハンの光景』(みすず書房、08年)、『音楽論』(白石美雪、横井雅子と、武蔵野美術大学出版局、16年)。共編著に『文化の透視法』(伊東一郎と、南雲堂フェニックス、08年)。訳書に『グレン・グールド書簡集』(みすず書房、99年)、ゴードン著『マクルーハン』(ちくま学芸文庫、01年)、『グレン・グールド発言集』(みすず書房、05年)、ペイザント著『グレン・グールド、音楽、精神』(音楽之友社、07年)、『グレン・グールドは語る』(ちくま学芸文庫、10年)、ウィンジェル著『改訂新版 音楽の文章術』(小倉眞理と、春秋社、14年)、ほか。

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