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怪異の表象空間

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『怪異の表象空間』メディア・オカルト・サブカルチャー
一柳廣孝

B5判 縦217mm × 横158mm
384ページ

日本の近現代は怪異とどう向き合ってきたのか。明治期の怪談の流行から1970年代のオカルトブーム、そして現代のポップカルチャーまで、21世紀になってもなおその領域を拡大し続ける「闇」の領域――怪異が紡いできた近現代日本の文化表象を多角的視座から探究した決定版。

目次
  はじめに

第1部 怪異の近代
  第1章 怪談の近代
    1 明治の怪談
    2 揺らぐ「円了」
    3 新たなリアリティとしての「幽霊」
    4 文学場のなかの「怪談」
    おわりに
    コラム 明治の怪談会と百物語本――『百物語』の周辺
  第2章 心霊としての「幽霊」――近代日本における「霊」言説の変容をめぐって
    1 「幽霊」と「心霊」のあいだ
    2 「霊」を科学する――催眠術から心霊学へ
    3 「心霊」としての幽霊
    4 二つの幽霊論
    おわりに
  第3章 怪談を束ねる――明治後期の新聞連載記事を中心に
    1 闘争の場としての「怪異」
    2 明治の新聞メディアにおける怪異の位置
    3 物語としての怪談
    4 事実としての怪談
    5 怪談を構成する
  第4章 心霊データベースとしての『遠野物語』
    1 同時代のなかの『遠野物語』
    2 水野葉舟と心霊学
    3 心霊データベースとしての『遠野物語』
    コラム 「天命学院講習録」――最後の気合術師・濱口熊嶽の教え
    コラム 明治の熊本と催眠術
    コラム 新聞記者が見た「千里眼事件」――薄井秀一『神通力の研究』
  第5章 田中守平と渡辺藤交――大正期の霊術運動と「変態」
    1 霊術家と「変態」
    2 田中守平――霊術から宗教へ
    3 渡辺藤交――霊術団体から出版社へ
    おわりに
    コラム その後の太霊道――日本霊道会と機関誌「霊界」をめぐって
    コラム 「全国精神療法家大番附」――霊術家たちの最後の輝き
  第6章 霊界からの声――音声メディアと怪異
    1 放送局と怪談
    2 象徴としての長田幹彦
    3 オリヴァー・ロッジの影
    4 エーテルと近代日本の心霊シーン
    5 ラジオ・テレパシー・心霊
    6 声と幻想
    コラム 夏は怪談――「週刊朝日夏季特別号 涼味と怪談 コドモのページ」
第2部 オカルトの時代と怪異
  第7章 心霊を教育する――つのだじろう「うしろの百太郎」の闘争
    1 一九七三年、オカルトブームの発生
    2 読者生成体としての「百太郎」
    3 「コックリさん」からの撤退戦
    4 「超能力」をめぐる闘争
    おわりに
  第8章 オカルト・エンターテインメントの登場――つのだじろう「恐怖新聞」
    1 ウィングを広げる――心霊からオカルトへ
    2 「新聞」というフレーム
    3 躍動するオカルト
  第9章 オカルトの時代と『ゴーストハント』シリーズ
    1 物語のリアル
    2 ふたつの「オカルトの時代」――超能力とこっくりさんから
    3 変容する「学校の怪談」
    4 超常現象の解釈枠
  第10章 カリフォルニアから吹く風――オカルトから「精神世界」へ
    1 オカルトから「精神世界」へ
    2 オカルトブームと「科学」の揺らぎ
    3 ニューサイエンスという「思想」
    4 八〇年代の新宗教と日本の雑誌メディア
    5 カリフォルニアから風が吹く
    おわりに
  第11章 「学校の怪談」の近代と現代
    1 近代の「学校の怪談」
    2 学校と怪談の親和性
    3 「学校の怪談」の成立
    4 変容する「学校の怪談」
  第12章 幽霊はタクシーに乗る――青山墓地の怪談を中心に
    1 幽霊がタクシーに乗る不思議
    2 幽霊が乗るもの――馬から自動車へ
    3 青山墓地という場所
    4 幽霊はタクシーに乗る
    おわりに
第3部 ポップカルチャーのなかの怪異
  第13章 薄明を歩む――熊倉隆敏『もっけ』
    1 妖怪マンガというジャンル
    2 コミックスカバーの記号学
    3 ヒトと物怪のあいだ
    4 境界に佇むこと
    5 モノノケと語ろう
    6 「あちら」から「こちら」へ
  第14章 ご近所の異界――柴村仁『我が家のお稲荷さま。』
    1 ライトノベルと異界
    2 境界と越境の物語
    3 天狐空幻と三槌(高上)美夜子の物語
    44ご近所の異界
    おわりに
  第15章 学校の異界/妖怪の学校――峰守ひろかず『ほうかご百物語』
    1 異界を取り込む
    2 学校と妖怪
    3 『ほうかご百物語』における妖怪の顕現
    4 ライトノベルの妖怪
  第16章 キャラクターとしての都市伝説――聴猫芝居『あなたの街の都市伝鬼!』
    1 都市伝説とライトノベル
    2 民俗学というパラダイム
    3 書物を編纂する
    4 そして『101番目の百物語』へ
  第17章 境界者たちの行方――「もののけ姫」を読む
     テ1ストとしての「もののけ姫」
    2 物語世界の前提をめぐって
    3 物語空間の多層性
    44境界者たちの行方
    5 物語は、つづく

  注
  初出一覧
  あとがき
  事項索引
  人名索引

一柳廣孝(イチヤナギヒロタカ)
1959年生まれ。横浜国立大学教授。日本近現代文学・文化史専攻。
著書に『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉 日本近代と心霊学』(講談社)、『催眠術の日本近代』(青弓社)、『無意識という物語 近代日本と「心」の行方』(名古屋大学出版会)、編著書に『「学校の怪談」はささやく』(青弓社)、『オカルトの帝国 1970年代の日本を読む』(青弓社)、共著書に『明治・大正期の科学思想史』(勁草書房)、『〈変態〉二十面相 もうひとつの近代日本精神史』(六花出版)、監修書に『怪異の時空』全3巻(青弓社)などがある。

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