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〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー

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『〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー』
ヤンキーの生活世界を描き出す
知念 渉

四六判 縦188mm × 横128mm
276ページ

ヤンキーは何を考え、どのようにして大人になるのか――。高校で〈ヤンチャな子ら〉と3年間をともに過ごし、高校を中退/卒業してからも継続して話を聞いて、集団の内部の亀裂や、地域・学校・家族との軋轢、社会関係を駆使して生き抜く実際の姿を照らす。

目次
序 章 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィーに向けて
 1 巷にあふれる「ヤンキー語り」と調査の不在
 2 〈ヤンチャな子ら〉を調査・研究する意義
 3 本書の目的と独自性
 4 調査の概要
 5 本書の構成
第1章 ヤンキーはどのように語られてきたのか
 1 若者文化としてのヤンキー
 2 生徒文化としてのヤンキー
 3 階層文化としてのヤンキー
 4 これまでのヤンキー研究の課題
 5 分析の方針
第2章 〈ヤンチャな子ら〉の学校経験――教師との関係に着目して
 1 〈ヤンチャな子ら〉と教師の対立?
 2 学校文化の三つのレベル
 3 家庭の文化と学校文化の葛藤
 4 〈ヤンチャな子ら〉と教師の相互交渉
 5 教師への肯定的評価と学校からの離脱
 6 〈ヤンチャな子ら〉と「現場の教授学」
第3章 〈ヤンチャな子ら〉とは誰か――〈インキャラ〉という言葉に着目して
 1 集団の曖昧さ
 2 類型論的アプローチを超えて
 3 〈インキャラ〉という解釈枠組み
 4 文脈のなかの〈インキャラ〉
 5 〈インキャラ〉という解釈枠組みのゆらぎ?
 6 集団の内部の階層性
第4章 「貧困家族であること」のリアリティ
 1 「子ども・若者の貧困」研究における本章の位置づけ
 2 「記述の実践としての家族」という視点
 3 記述の実践としての「貧困家族」
 4 アイデンティティとしての家族経験
第5章 学校から労働市場へ
 1 〈ヤンチャな子ら〉の仕事への移行経路
 2 〈ヤンチャな子ら〉の移行経験――六人の語りから
 3 移行経路と社会的ネットワーク
終 章 〈ヤンチャな子ら〉の移行過程からみえてきたこと
 1 〈ヤンチャな子ら〉集団内部にある「社会的亀裂」
 2 重層的な力学のなかにヤンキーを位置づけた意義
 3 「ヤンキー」と括られる人々の内部に目を向けることの重要性
 4 アンダークラスとしてカテゴリー化することの危険性
 5 〈貧困の文化〉か、〈社会的孤立〉か
 6 社会関係の編み直しに向けて
巻末資料
参考文献
初出一覧
あとがき

版元から一言
ヤンキーという言葉から、どのようなイメージをもつだろうか。時代遅れというイメージがある一方で、近年では「マイルドヤンキー」のようにマーケティングの対象として注目されたりもしている。しかし、ヤンキーと呼ばれる若者が何を考え、どのように生活をしているのか、十分な調査に基づいた書物は少ない。

大阪府の高校で3年間、〈ヤンチャな子ら〉と過ごしフィールドワークして、対立だけではない教師との関係、〈インキャラ〉とみずからの集団の線引き、家族との距離感を丁寧にすくい上げる。そして、高校を中退/卒業したあとの生活も調査し、大人への移行期に社会関係を駆使して生き抜く実際の姿を活写する。

集団の内部の亀裂、地域・学校・家族との軋轢、貧困や孤立――折り重なる社会的亀裂を抱える若者の「現場」から、分断や排除に傾かない社会関係の重要性を指し示す。

知念渉(チネンアユム)
1985年、沖縄県生まれ。神田外語大学外国語学部講師。専攻は教育社会学、家族社会学。論文に「〈ヤンチャな子ら〉の学校経験」(「教育社会学研究」第91集)、「「貧困家族であること」のリアリティ」(「家族社会学研究」第26巻第2号、日本家族社会学会賞〔奨励論文賞〕受賞)、「〈インキャラ〉とは何か」(「教育社会学研究」第100集)、共訳書にトニー・ベネットほか『文化・階級・卓越化』(青弓社)など。

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