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南インド キッチンの旅

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『南インド キッチンの旅』
齋藤名穂

B5判変型、上製本
224ページ

世界の本好きを魅了するインドの出版社タラブックスから出版され好評を博した、齋藤名穂さんの『TRAVELS THROUGH SOUTH INDIAN KITCHENS』の日本語版です。

著者の齋藤名穂さんは、東京で活動する建築家・デザイナー。2013年に東京で開催されたワークショップでタラブックスの 代表ギータ・ウォルフ氏と出会い、一緒に本を作ろうと誘われます。ほどなくして赴いた南インド、チェンナイの滞在先 のキッチンで、使い途のわからないものに囲まれ途方にくれた齋藤さんは、旅行者にとって最も縁遠い場所はその土地の「家 庭のキッチン」なのではと思い至ります。こうして南インドのキッチンをめぐる旅が始まりました。

本書は、著者が南インドに滞在した3ヶ月間に、21のキッチンを訪ねた記録です。職人たちの社宅のキッチン、魚商のおばさんが大勢に惜しみなく食事をふるまう小さなキッチンや、津波の爪痕がのこる村で若い母親が家族に昼食を拵える薄暗いキッチン。ときに驚き、戸惑いながら、齋藤さんは南インドの人々やその暮らしぶりを誠実に見つめます。

「キッチンにこそ、その土地の文化 や日常の暮らしの本当の姿がある」と齋藤さんは語ります。キッチンでの会話や目にしたものを綴ったテキスト 、キッチンの実測図と料理のレシピ、スナップ写真、そして手描きのイラストがまとめられたこの本は、南インドの人々の日々の営みを飾ることなく描き出したスケッチブックのような一冊です。

本文より抜粋

彼女のキッチンで発見したことは、キッチンは一つの部屋ではない、ということだ。キッチンは、キッチンと名付けられた部屋から始まって、隣の居間へ、ときに屋外のベランダへと広がっていく。作業台で準備した野菜は床に移動され、そうすると今度は床が作業台になって野菜が切られていく。料理が進んで行くごとに、私の予想を少しずつ超えて、アンティのキッチンは広がっていった。それは楽しい驚きの連続だった。
(「広がるキッチン」より)

典型的な民家とされるこの家は、奥へ奥へと部屋が続く。玄関入ってすぐは、私たちが最初に通された客間。その次はソファとテレビのある居間。居間の横には、壁中にヒンドゥーの神様の絵が飾られた祈りのための部屋がある。居間の奥がキッチン。キッチンは薄暗く、奥の勝手口の扉の隙間から少しだけ光が入ってくる。レヌガのキッチンはこれまで旅をした中で一番遠い場所にあると思う。私はそのことを思いながら、今、彼女のキッチンの真ん中に立っている。
(「停電中のキッチン」より)

朝の4時。まだ街は眠っていて、夜と朝の合間のような時間。これから始まる1日の中で、一番涼しい時間でもあるはずだ。牛乳パックの底のようなこの場所に座って、おしゃべりをし、チャイを飲む、それはとても安心する穏やかな時間であったにちがいない。このキッチンには思い出がつまっている。もうキッチンとしては機能していないけれど、一人の男性を、遠いハワイからこの古く小さな街へと連れ戻してくるだけの力が、このキッチンにはまだあるみたいだ。
(「記憶の中のキッチン」より)

さまざまなキッチンを訪ね、その持ち主と語らい、彼らが料理する姿を観察する。それだけだ。
ところが、彼女がそこに見出した物語は、豊かで、複雑で、いくつかの分野を横断するものとなった。 
タラブックス代表 ギータ・ウォルフ

齋藤名穂(サイトウナオ)
東京生まれ。建築家、デザイナー。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、フィンランドへ留学。ヘルシンキ芸術デザイン大学空間デザイン専攻修了。UNI DESIGN主宰。目の見える人と見えない人が一緒によむ地図や、建物の記憶をひき継ぐ家具、保育園の家具・ワークショップのデザインなど、人や素材の中にある場所・建築の記憶をテーマにしたデザインを多く手がけている。 2017年に板橋区立美術館で開催された展覧会「世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦」では、会場デザインおよび展示ボックスのデザインを佐野哲史(Eureka)と担当した。

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