生活の批評誌 NO.5
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『生活の批評誌』NO.5「そのまま書く」のよりいよいこじらせ方
企画・編集・DTP:依田那美紀
B5判 縦書き、92ページ
装画:平田基
中面挿絵:ぶんちん
「生活の批評誌」とは?
「生活」と「批評」を隣り合わせにすることで、軽く前向きに流される日常に抵抗する「ライフスタイルマガジン」です。2017年の創刊以来、関西を拠点に不定期(無理のないタイミング)で発行しています。
唯一の編集部員であり編集長の依田さんの一存で企画を決め、依田さんが面白いと思う人に声をかけて、制作しています。
「そのまま書く」から離れたくて、離れられなくて、あいまいなままここまできた。
個人的な体験や感情を直接的な言葉で記述すること、自分について「そのまま書く」ことは、文学において、あるいはこの社会において、どこかうっすらと軽んじられてきたように思う。それでも今、ほんの一部かもしれないけど、小さな個人の小さな声を聞き合おうとする方向へと、この社会は進みつつある。
だが、その流れに勇気づけられながらも私は、「どんどん自分のことを書こう」と手放しに言うことができない。ひたすら何かにためらい、何かを危惧しているのだった。
その警戒心を決して的外れとは思わない。しかしそのありふれた危惧は、少しでも油断すれば根深く私たちの中に巣食う「そのまま書く」ことに対する蔑みへと——それは強い何者かにとって都合がいい——簡単に回帰してしまうだろう。
「そのまま書く」ことをなんのためらいもなく称揚するのでもなく、蔑みとも絶対的に距離を取った、「そのまま書く」に対する別の態度はないだろうか。それはきっと傍目から見ればこじらせた態度であるだろう。ならば追求すべきは、”よりよいこじらせ方”だ。
そう呼びかけて、この号を作った。9作品と1インタビュー、1座談会を収録。
(編集長 依田那美紀)
■目次(掲載順)
・皮のにおい |Ingvill Kjærstein (イングヴィル・シャースタイン)
・「そのまま書く」をそのまま書く |niina
・政治的な物語から個人的な物語を守り、分有するために |佐々木ののか
・インタビュー:自分語りをさまよって |滝薫
・当世書生気質令和編 |呉樹直己
・返信 ——わたしの〝こじらせ〟について |川口好美
・座談会:フィクションと「そのまま書く」がともにあるために
井上彼方×オーガニックゆうき×依田那美紀
・教室のうしろの席から |原告A
・幸福の表明を破る |依田那美紀
・#147⏺ ⏸ ⏹ |黒嵜想
・十年後の返信 |遠藤のぞみ
・広告:非実用品店めだか
・執筆者・参加者一覧
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