プールサイド
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藤もっちゃん(本書文章担当藤本和剛くん)と出会ってどれくらいの月日になるのだろう?スタンダードブックストアが茶屋町にできる際に当時彼が副編集長を務めていた『Meets Regional』で工事中から密着取材してくれてかなりのページを割いて特集してもらったから、10数年もしくは15年くらいになろうか?いずれにしろ長い付き合いだが、ずっと疑問に思っていたことがあった。『雑誌で培った糧を基に本をつくって世に問わないのかな?』と。そんな彼がpoolside booksという出版レーベルを立ち上げ、ついに第1弾「プールサイド』を刊行した。自らしたためた文章は、日記形式だ。私はこれまで日記はどこから読んでもいい気楽なエッセイだと思っていたが、本書は最初から時系列に従って読んだ方が好ましいように思える。なぜそう思うのか理由はよくわからないが、本書は彼の人生の足掻き様を表現したものだから、つまみつまみ読むのは不適切ななように感じたのだろうか?人それぞれに壁といえるものがある。どうも彼は不器用な質で壁を越えようとしては彼にとっての挫折、を繰り返してきたようだ。従って本書の刊行は彼にとってとても大きな意味を持つに違いない。他人には低く見える壁でもそれはあくまでも他人から見たもので、当人にとっての高さや険しさはわからない。今回私には彼が壁を越えたのかどうかはわからないが、文章からは彼が長年背負ってきたものから解放された安堵感が表れている。まえがきにあるように彼にとっての『船出』だ。
そして彼の足掻き様をうまく緩和して本書を読みやすくしているのが戦友ともいうべきフォトグラファー・新田君彦の写真だ。藤本のギンギンの文章の間に挟み込まれ、短いキャプションとともに独自の空間を提供する。心地よい余白を感じる。実は刊行前に藤本から新田の素晴らしさを聞かされていたが、それに嘘はなかった。
以上本の紹介というより私の所感となり申し訳ないですが、とにかくご一読を。
いつも心に引っ掛かりを感じている方、やりたいことに蓋をして無かったことにしようとしている方、そんな方に特にオススメします。
ブックデザインは健ちゃんこと仲村健太郎くん。関西人が苦労してつくった本です。
スタンダードブックストア/中川和彦
文:藤本和剛
写真:新田君彦
B6変型 / 184ページ / ソフトカバー
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