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昨年惜しまれながら閉店した鳥取の定有堂書店店主奈良さんが『定有堂で一番読んで欲しい本』とおっしゃった本です。
濱崎洋三著作集「伝えたいこと」は、一九九八年に定有堂書店より刊行された書物です。著者は一九八八年頃から八年ほど、定有堂教室「読む会」を主宰。「本を読み合う」ということに、人と人と出合うということに、このうえもなく喜びを抱いた人でした。
帯紹介文(徳永進・野の花診療所院長・ノンフィクション作家)
「故郷を愛した高校教師がいた。病気で死を間近にした夏、母校での最後の夏期補習授業の教壇に立った。1ヵ月後、他界する。独自の地方史観、独自の思想を切り拓いた著者の文章、講演録から、読者は「日本とは何か」「郷土とは何か」「生きるとは何か」を改めて問われ、自問自答するだろう。そうさせる温かい教師愛が、この書の底には流れている。
チラシ文/「伝えたいこと」について(徳永進)
鳥取県庁の前にある武家門の角あたりで、朝、ぼくはよく浜崎洋三先生に会った。「おはよう」。「どうですか」「雑用、雑用ばっかり。そっちは忙しい?」「こっちも雑用で」。先生は県立図書館へ、ぼくは赤十字病院へと、それぞれの職場へ向かった。この鳥取は先生の生まれ故郷、ぼくにとっても生まれ故郷。先生が教師として教壇に立った鳥取西高は、久松山のふもと、武家門から振り返るとついそこにあり、ぼくはその高校で先生に日本史を教えてもらった。
先生ががんの末期を迎えた夏、先生に補習授業をしてもらったらどうだろう、とぼくは思いついた。先生なら受けて下さるかも知れないと思って電話をかけた。「三十分だけだな、声が続かん」。「題はどうしよう」と聞くと「『私にとって戦後とは何か』にしようか」と言われた。「死ぬ話はせんよがんの末期ぞ、涙がでるから」とも。それから「いや、簡単なのでいこう、『伝えたいこと』にしといてくれ」と言われた。
ぼくは同級生や先輩に急いで電話をかけ、一週間後に母校の旧校舎で、先生の夏期授業があることを知らせ、皆にも知らせてくれるように頼んだ。
がんの末期、死を間近に迎えて、先生は何を語ってくれるだろう。一九九六年八月十七日、午後二時、「起立っ!」と五十代の元生徒が声をかけた。「礼!」。約百人の生徒が椅子に坐った。夏期補習授業が始まった。
三十分の予定の補習授業は七十分となった。題にふさわしいいい話だった。目に涙を浮かべる元生徒が多くいた。教室を出ると先生は言った。「途中から痛みが消えてなこの調子なら、冬季補習もやってみようか」。先生はその1ヶ月後に、他界された。この本の中には、最後の補習授業や先生の史論や評論、自由な文章などが収められている。(徳永進・鳥取赤十字病院医師・ノンフィクション作家)
『伝えたいこと』浜崎洋三著・定有堂書店刊の内容
序・往生際を考える
第一部・研究論文
古代の鳥取 / 『鳥取志』ついて / 鳥取城の成立について / 古代の一地方豪族の盛衰
/ 異形の者、悪党 / 維新期の鳥取藩 / 河田左久馬.....など
第二部・地方史研究私観
第三部・エッセイ
一枚の文書の価値 / 恣意性・ゆらぎ・ユーモア / 私にとっての戦後 / 史料に血を通わせる理論
/ 疎外された者の歴史....など
第四部・講演
最後の鳥取藩主池田慶徳 / 文化と差別 / 伝えたいこと
大きさ:190x138x28 mm
ページ数:431+10 ページ
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