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【サイン本】高山なおみ『毎日のことこと』

¥1,980 税込

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※ 著者直筆サイン本です。

細かなところまで
思い出せば思い出すほど
あのころに起こった
すべての出来ごとに
やさしく抱かれている

暮らすこと、食べること、季節のこと
からだの奥でおぼえているちいさな「ことこと」を大切にひらく36のエッセイ。
神戸に暮らすようになって六年目、地もとの新聞社の方から、月にいちどエッセイを書いてみませんかとお誘いがありました。掲載は土曜日の朝刊。朝の光を浴びながら、のんびり読んでくださるといいなと思い、私の身のまわりで起きた、日々のささやかな出来ごとをみつめ、綴っていくことにしました。
タイトルはまず「ことごと」という言葉が浮かびました。次に浮かんだのは「ことこと」。煮炊きの音コトコトです。すると自然に、いつかの旅で出合った忘れられない一皿や、普段着の簡単なごはんのことなども書きたくなってきました。文章だけでは少しさびしい気がして、写真や小さなイラストも添えることにしました。
(「おわりに」より)
料理家でたくさんの著作もある高山なおみさんが、遠くに住む友だちに宛てた手紙のように、神戸での暮らしを3年にわたり綴ったエッセイ集です。
2021年4月〜24年3月、神戸新聞の連載を一冊にまとめました。
  
今朝は、霧。窓の外がまっ白に膨らんで、空も海も街も見えません。さすがは梅雨のまっただなか、街の方から見たら、私のいるマンションは山ごと霧に包まれて何も見えないんだろうな。
濃い霧に覆われると、耳が遠くなったような感じがします。街の音も、私が立てる生活の音も、何もかもが吸い込まれ、茫々とした静けさに包まれるのです。まるで、体ごと霧に埋もれてしまったみたい。雪の日にも似ているけれど、どこか違う。なんだか目に見えない大きなものに、抱かれているようです。
こんな日は自分にもぐり込み、書きものをする日和なので、午後もずっとパソコンに向かっていました。
(「雨とアイロン」より)

高山なおみ◎1958年静岡県生まれ。料理家、文筆家。日々の生活の実感が料理になり、言葉となる。
画家、絵本作家、音楽家、作家などのさまざまなクリエイターが夜ごと集う店「諸国空想料理店 KuuKuu」のシェフを1990年から2002年まで勤め、その後料理と文筆の道へ。 日記エッセイシリーズ『日々ごはん』『帰ってきた日々ごはん』、『新装 野菜だより』『料理=高山なおみ』『自炊。何にしようか』、『ロシア日記―シベリア鉄道に乗って』『本と体』『気ぬけごはん』『暦レシピ』、絵本『どもるどだっく』『たべたあい』『それから それから』(以上、絵・中野真典)など著書多数。2016年、東京・吉祥寺から神戸・六甲へ移住し、ひとり暮らしをはじめる。

編集+デザイン 丹治史彦、井上美佳(信陽堂編集室)
校正 猪熊良子
B6変形判 上製(170×116ミリ)
196ページ

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