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※ 著者直筆サイン本です。
名著、復活。
向坂くじらデビュー詩集、増補・新装版。
日々の息苦しさからの解放。
ここに綴られた詩は、あらゆる事象の境界を
溶かし、生まれたての眼で世界を見せてくれる。…又吉直樹(お笑い芸人)
幼さを内包しながら、少女は溶ける。
羽化した大人の身体。虫の眼で見つめる世界。
日常の美しさと痛みを描き出す、透明な言葉たち。…今日マチ子(漫画家)
「幸福な人間に詩は書けない」とある詩人は言ったが、わたしはそれを信じない。くじらさんは手を伸ばす。いま匂いや重みをもつきみ、おまえ、あなたへと。あなたの向こうの窓やその先へと。その道すがら、出会う誰かと互いに呼吸を渡し合って、生きて詩を書きつづける彼女のことを、わたしは誰よりも信じている。…堀静香(歌人、エッセイスト)
【目次】
星座
●キッチン
二十七歳
迷子
四月の昼
月子、ハズゴーン
満潮
サービス
怒りだ
誤認
潮鳴り
トマトポークカレー(もっとも個人的な)
●玄関口
牛乳を一杯わけてください
ほしがる
棲みうつる日
ちいさな群れ
城塞
変態
●子どもたち
区別
線とハサミ
クライスト
踊り
月が欠ける
性的な誘い
目撃
提案
あったかくして
●波のうつ部屋
君の帰りを待ちながら書いた詩
食いちがう
波のうつ部屋
カウント
水べ
ディナーテーブル
許しが訪れるのを待って
航路
死ぬ前の話
●窓
ショウ
ベッドタウン・パレード
見せてあげる
ぶん
同い年
肉眼
豊穣
えり子を知りませんか
新しい足
ねえ、おかあさん
●とても小さな理解のための
おとなりは
ねずみを殺す
いてもいても
メッセージ・イン・ア・ボトル
詩がどこにもいなかった日
ディスカウント
理解へ(家庭的な解釈)
アンダスタン
青いしっぽ
冬に光る
週末
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星座
男の人が
なぜ女の人が自分と寝てくれないのか考えるあいだ
女の人は老いた母から電話がないのを気にしている
老いた母はちょうど猫に話しかけているところで
猫は隣家の子どもを憎らしく思いかえしている
そのとき子どもは家庭教師の目つきから正答をさがそうとし
家庭教師は雇い主に反論する道筋を考えている
雇い主がゴシップの女優の人柄が良いと感心するいっぽう
女優は育ちすぎた亀の始末に手いっぱいになっている
亀は赤んぼうの指を食いちぎることを想像し
赤んぼうには父親が硬いシャツを着るわけがわからない
父親は兄に同性の恋人がいることがゆるせず
兄は恋人の声を思いだしたくてしかたがない
そのころ恋人は書店員のまなざしにいたく傷ついたが
それは書店員が
全くだれのことも考えていない時だった
それらのことがみな同じときに起きた
輪郭はみな表面張力を持ってふるえていた
さみしい刺繍のような星の空だ
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【著者略歴】
向坂くじら(さきさか・くじら)
詩人。1994年名古屋生まれ。「国語教室ことぱ舎」(埼玉県桶川市)代表。Gt.クマガイユウヤとのユニット「Anti-Trench」朗読担当。著書にエッセイ集『夫婦間における愛の適温』『犬ではないと言われた犬』(百万年書房)、小説『いなくなくならなくならないで』(河出書房新社)ほか共著など。慶應義塾大学文学部卒。
判型:四六変
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