スタンダードブックストア
実店舗は2023年6月に閉店、現在新たな場所を模索中。
予約商品と別の商品を一緒にご購入の場合、
予約商品の入荷後に別の商品も発送されることがありますのでご注意下さい。
-
遠藤周作『人生には何ひとつ無駄なものはない』
¥660
遠藤 周作 編 / 鈴木 秀子 監修 人生・愛情・宗教・病気・生命・仕事などについて、約50冊の遠藤周作の作品の中から抜粋し編んだ珠玉のアンソロジー。著者が亡くなってからも決して色あせることのない文章、考え方は、ときに優しく、ときに鋭く私たちの胸に響く。 文庫判 300ページ
-
北澤 平祐・津村 記久子『水車小屋のネネ 挿絵集』
¥2,420
人気イラストレーター北澤平祐の 「水車小屋のネネ」全アートワーク! 津村記久子の話題作『水車小屋のネネ』(毎日新聞連載) 連載時の挿絵300点に加え、72点を新たにカラー化。 創作の秘密に迫る作者コメント付き。 津村紀久子書き下ろし短編を収録。 ファン必携の新たなネネ・ワールド! 判型:四六変型判 頁数:272頁
-
訳:ドリアン助川『星の王子さま』
¥1,760
「ほんとうにたいせつなものは目に見えない」 ドリアン助川による新訳 「さあ、ボクの秘密の贈り物だ。すごく単純なことだよ。心でしかものは見えないんだ。ほんとうにたいせつなものは目にみえないんだ」 すてきな贈り物のように、心にのこる言葉がたくさんつまった、フランス文学の永遠の名作”Le Petit Prince”。 ベストセラー「あん」の著者・ドリアン助川訳は、まるで語り手の肉声が聞こえてくるような豊かな新訳になりました。 訳者あとがきでは、リヨン滞在の思い出もまじえながら、「星の王子さまとサン=テグジュペリ像」ほか、撮りおろしの写真も掲載しています。 サン=テグジュペリの原画ももちろんすべて掲載、装丁はきれいな仮フランス装。 ご自分への、そして大切なだれかへの贈り物にしたい一冊です。 著者 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(著)ドリアン助川(訳) ページ数 176 ページ 判型 四六判、仮フランス装 装幀・造本 藤巻亮一
-
彬子女王『新装版 京都 ものがたりの道』
¥1,430
話題沸騰! 『赤と青のガウン』の 彬子女王殿下が誘うひと味違う究極の京都ガイド 私が京都で暮らす中で、 感じ、経験した京都の街の魅力を、 ありのままに書き綴ったものである。 「京都」という街は、「道」から成る。 京都に暮らし、日本美術研究者として活動する三笠宮家の彬子さまが、寺町通、四条通、河原町通など、歴史を刻む道と街並みの醍醐味を親しみやすい筆致で綴る。 通りの名にまつわる逸話から、神社仏閣の歴史、地元の人たちの季節折々の暮らしまで、知られざる京都の魅力が詰まった必携の一冊! 京のまち歩きに役立つ「ちょっと寄り道」や地図を掲載。 持ち歩きに便利な新書サイズで、新装版刊行! コロナ禍を経た今、京都の街に思うことを綴った「新装版 おわりに」を収録。 【目次】 京都市街中心部の地図 京都市郊外の地図(愛宕、高雄、清滝、嵐山・嵯峨野) 始 起点の道(きてんのみち) 常 寺町通(てらまちどおり) 薫 哲学の道(てつがくのみち) 混 六角通(ろっかくどおり) 夏 新町通(しんまちどおり) 盆 お地蔵さまの道(おじぞうさまのみち) 護 下立売通(しもだちうりどおり) 新 今出川通(いまでがわどおり) 紅 周山街道(しゅうざんかいどう) 灯 四条通(しじょうどおり) 飛 河原町通(かわらまちどおり) 雪 丸太町通(まるたまちどおり) 別 高辻通(たかつじどおり) 洛 北大路通(きたおおじどおり) 在 御池通(おいけどおり) 薬 二条通(にじょうどおり) 山 愛宕神社の参道(あたごじんじゃのさんどう) 迎 松原通(まつばらどおり) 仏 正面通(しょうめんどおり) 橋 三条通(さんじょうどおり) 彩 堀川通(ほりかわどおり) 市 錦小路通(にしきこうじどおり) 街 千本通(せんぼんどおり) 鬼 白川通(しらかわどおり) 警 下鴨本通(しもがもほんどおり) 蛸 蛸薬師通(たこやくしどおり) 英 マートン・ストリート 判型:新書サイズ 頁数:208頁 【著者について】 彬子女王(あきこじょおう) 1981年、寛仁(ともひと)親王殿下の第一女子として生まれる。学習院大学を卒業後、オックスフォード大学で在外の日本美術コレクションの調査・研究にあたり、女性皇族として初めて博士号を取得した。京都産業大学日本文化研究所特別教授、國學院大學特別招聘教授などを兼任。2012年、子どもたちに日本文化を伝える団体「心游舎(しんゆうしゃ)」を創設し、全国で活動している。著書に『赤と青のガウン オックスフォード留学記』(PHP文庫)、『日本美のこころ』『日本美のこころ 最後の職人ものがたり』(いずれも小学館)などがある。寛仁親王著『ひげの殿下日記』(小学館)では監修を務めた。
-
小指『奇跡のような平凡な一日 3』
¥1,210
日記本+エッセイ3編の構成です。 日記 未収録エッセイ『Kの歯ブラシ』 再録エッセイ『Kのきのこ栽培』 未発表写真『暴力弁当』 未収録エッセイ『家庭内パソコン教室』 文庫サイズ/102頁 著=小指 表紙写真=南阿沙美
-
鷲田清一『オノマトペの現象学 新版 「ぐずぐず」の理由 』
¥1,386
オノマトペを見つめ、現象学的に語ることで浮かび上がる人間の存在の感覚。 その強度に言葉が追いつかないときに、ひとは音に音を重ねるのだろうか。それとも、言葉が足りないときにそれをぴたり言い当てようとして、ひとはこのように音感でいっきに意味を凝集させようとするのだろうか。あるいは、どこか逸脱しているところがあるという、そんな違和感をさりげなく表明しておこうとして、ひとはこのように特徴ある音を反復するのだろうか。「へとへと」「よれよれ」「だらだら」「ぞくぞく」「ぎすぎす」……けっして鳴っていないはずの音を言い表す言葉たちが、わたしたちの様子を表現して、読めばすとんと腑に落ちる。そんな不思議な「オノマトペ」を、現象学の視点から解きほぐす鷲田哲学の傑作エッセイ。「文庫版のための、やや長いあとがき」を増補した決定版。 【もくじ】 言葉の感触 序にかえて 第一部 声のふるまい オノマトペのさまざまな顔 ぎりぎり/ぐずぐず/ちぐはぐ/ゆらゆら/ふわふわ/ほっこり/ぼろぼろ/なよなよ/にやにや/ねちゃねちゃ 第二部 音の絵 オノマトペの構造 1 音の絵 2 言葉の内臓感覚 3 律動と情調 4 感覚の越境 5 意味の内と外 6 魂の言葉 結びにかえて あとがき 文庫版のための、やや長めのあとがき 判型:文庫判 ページ数:304
-
李龍徳『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』
¥1,155
在日狩り、愛国無罪、新大久保戦争、ヘイトクライム……20XX年、排外主義者たちの夢は叶った。そしていま、反攻の時が始まる。在日三世の気鋭作家による、日本を揺るがす爆薬小説。 世界は敵だ。希望を持つな。殺される前に、この歴史を止めろ。 日本初、女性“嫌韓“総理大臣誕生ーー新大久保戦争、「要塞都市」化した鶴橋、在日狩り、そしてヘイトクライム。 いま、7人の若者が立ち上がる。 生きるための場所を奪い合う世界に、新世代屈指の才能が叩きつける、渾身の問題作。 日本の「今」に投げ込む爆弾のような挑発的問題作。 ーー柳美里 恐ろしい。血が騒ぐ。まがまがしくも新しい在日の物語が生まれた。 ーー梁石日 この痺れるようなディストピアの過剰摂取は、ぼくたちを“深淵(しんえん)からの祈り“でつらぬく ーー真藤順丈 ******** 特別永住者制度の廃止、外国人への生活保護支給中止、公文書での通名使用禁止……。排外主義が支配する日本で、在日三世の柏木太一(かしわぎたいち)が反攻の計画のために集めたのは、“武闘派“少年の尹信(ユンシン)、自殺願望を抱える宣明(ソンミョン)、帝國復古党の貴島(きじま)、妹を「在日韓国人であるゆえ」殺された金泰守(キムテス)、そしてーー。 1ページごとに震えが走る、怒りと悲しみの青春群像! 文庫判 464ページ 【著者】 李 龍徳 (イ ヨンドク) 1976年、埼玉県生まれ。在日韓国人三世。2014年『死にたくなったら電話して』で第51回文藝賞を受賞しデビュー。2020年『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』で第42回野間文芸新人賞を受賞。
-
彬子女王『日本美のこころ』
¥1,210
彬子女王殿下が日本美のこころを探す旅 「赤と青のガウン」の著者・彬子女王殿下が6年間の英国留学を終えて次に向かわれたのは「日本美のこころ」を探す旅だった。 「神宮の御神宝」「皇居の盆栽」「皇室が育んだボンボニエール」など、日本の美を巡る旅を収録した「日本美のこころ」。 「烏帽子」「久米島紬」「漆掻き道具」など、日本の伝統工芸を支える最後の職人たちとの出会いを描いた「最後の職人ものがたり」。 その2冊を1冊の文庫として完全収録。 彬子女王殿下が4年間にわたって巡り続けた「日本美のこころ」を、54篇の美しく瑞々しい文章で綴った珠玉のエッセイ集。 〈 編集者からのおすすめ情報 〉 「日本美のこころ」「最後の職人ものがたり」の文庫化にあたって殿下にいただいた「あとがきに代えて」にはこんなことが記されていました。 「私の日本美のこころを探す旅は今も続いている。この本のカバーデザインになっている雪の結晶は、一つとして同じものはないと言われるほど多様性がある。日本文化も、地域ごとに様々な異なった文化があったり、カレーやラーメンなど、海外の文化が日本文化として形を変えて根付いていたりと、多様性があり、私には雪の結晶と日本文化が重なって見える。掌に乗ったらはかなくも消えてしまう雪のように、この先失われてしまう日本文化もたくさんあるのだと思う。でも、その刹那的な美しさを記録に、そして記憶にとどめていくために、これからも旅を続けていきたいと思っている。この本を手にしてくださる方たちに、たくさんの日本美のこころが届くことを祈りつつ」 日本文化の多様性には目を見張るものがあります。ですが、多様なものはとかくわかりにくいもの。殿下が日本文化に向けるまなざしはわかりにくいもの、多様なものをそのままわかろうとする真摯なものです。本書は殿下が体験された54の日本美のこころを追体験できるというまたとない機会を読者のみなさんに提供できると信じています。 文庫判 416ページ
-
彬子女王『赤と青のガウン』
¥1,320
女性皇族として初めて海外で博士号を取得された彬子女王殿下による英国留学記。 ≪赤と青のガウン。それは、私が博士課程を始めたときからいつか着る日を夢みてきたものだ。五年間の留学生活中、何人もの友人が博士課程を無事修了し、オックスフォードを旅立っていく様子を何度も見送ってきた。晴れ晴れとした表情でこのガウンを身にまとい、学位授与式が行われるシェルドニアン・シアターから出てくる友人たちの姿は、誇らしくもあり、またうらやましくもあった。オックスフォード大学の厳しい博士課程を成し遂げた者しか袖を通すことを許されない赤と青のガウンは、くじけそうになったときにふと頭に浮かび、オックスフォードに来たときの自分に立ち返らせてくれる「目標」だった。≫(「あとがき」より抜粋) 英国のオックスフォード大学マートン・コレッジでの、2001年9月から1年間、そして2004年9月から5年間の留学生活の日々――。当時の心情が瑞々しい筆致で綴られた本作品に、新たに「文庫版へのあとがき」を収録。 <本書の主な内容> ●おわりとはじまり ●英語の壁 ●側衛に守られるということ ●子どものころからの習慣 ●外国でのハプニング ●授業のこと ●古代ケルト史を学ぶ ●マートン・コレッジの一日 ●フォーマル・ディナーの楽しみ ●海外で頑張る日本人留学生たちの進路 ●「浮世絵はどのようにみるものなのか」 ●アフタヌーン・ティーを女王陛下と ●バッキンガム宮殿へのお招きの連絡 ●英国の電車の思い出あれこれ ●二度目の留学 ●何をやってもうまくいかない日 ●法隆寺金堂壁画 ●英国の食あれこれ ●美術史研究者の試練 ●謎の侵入者 ●お雑煮とスコーン ●博士論文性胃炎 ●博士論文への二つの壁 ●人生でいちばん緊張した日 ●たくさんのおめでとうのあとで…… ●生まれて初めての猛抗議 ●心からの「最終報告書」 〔ほか〕 文庫判 400ページ
-
津野海太郎『編集の明暗』
¥2,420
編集に携わっていない方も必読!! 伝説の編集者・津野海太郎さんの編集論アンソロジー『編集の明暗』刊行!! 編集という営みは、なにも本や雑誌の編集に限らない。もっと広く、人間の生き方や、世界とのかかわり方のひとつだろうと思う。さまざまなものや人を相手にして、それをどうつなぎ、どう新しい価値を生むか。それが「編集」という行為なんだろうな── (本書収録「あとがきにかわるインタビュー 津野海太郎×宮田文久」より抜粋) 晶文社を中心に編集者として時代の文化を牽引し、テント演劇の時代からコンピュータの世紀までを駆け抜けてきた、津野海太郎さんの編集論アンソロジー『編集の明暗』がいよいよ発売! 1970年から2019年まで、長期間にまたがる全25篇のテキストが収録された本書。半世紀以上前のテクストが、現在にもたらす問いとは──。 著者:津野海太郎 編者:宮田文久 装幀・デザイン:藤田裕美 表紙写真:小川真輝 四六判並製 240ページ
-
彬子女王『飼い犬に腹を噛まれる』
¥1,485
──私は自他共に認める事件体質である。ささいなことから、めまいがするような大事件まで、日常的にいろいろ起こる── プリンセスの日常には何かが起こる! ベストセラー『赤と青のガウン』の「その後」の日常を綴った彬子女王殿下のエッセイ集。 挿絵は『きょうの猫村さん』のほしよりこ氏による描きおろし。 巻末には「絵日記 キャンパスのプリンセスを訪ねて」「スペシャル対談 彬子女王&ほしよりこ」を特別収録! 【目次】 「おおきに」の巻 ●雪の女王 ●飼い犬に腹を噛まれる ●それは「皿」から始まった 「もぐもぐ」の巻 ●クリスマスの水無月 ●虎屋のねじねじ ●森のきのこ茶会 「きょうと」の巻 ●ぼんぼんの定義 ●送り火の夜に ●京の三大祭り 「わくわく」の巻 ●ゲレンデの教え ●「生きている」車 ●サブちゃんと甲子園 「てしごと」の巻 ●たわし屋のぼんの贈り物 ●金一封 ●歳神様からのお年玉 「にっぽん」の巻 ●白雨 ●ニッポンのお菓子 ●100年に1度のつながり ほか 彬子女王著 ほしよりこ絵 B6判変型並製 240ページ
-
【サイン本予約】佐々木里菜『近く訪れる彗星』
¥2,200
※ 著者直筆サイン本です。11/15頃発送予定です。 隕石にもふるさとがある。そして、私にも。 --------------2025年6月17日の日記より抜粋 誰にも頼まれていないのに一人で日記の本を作り続ける著者・佐々木による約3年半ぶりの長編日記本「近く訪れる彗星」。運命が壊れ、本が売れ、テレビに出て、那須に逃げる。さなぎを見守り、羽化させ、旅立たせ、静かに壊れていきながらも走り続けた日々の記録。旅立っていった小さな命たちにはもう二度と会えない。そして、もう二度と来ない日々を記録した、もう誰の元にも戻ってこない2025年の日記。 ページ数:208 判型:B6判変形アジロ綴じ 装丁:佐藤豊 【著者プロフィール】 佐々木里菜 写真家。1991年宮城県仙台市生まれ。2019年より商業写真家として活動する傍ら、日記を中心とした文筆活動を細々と行う。主な著作は『パートタイム・コメット』(2022年)、『Between Timid and Timbuktu』(2024年)、『ロイヤル日記』(2024年)、『料理未満日記』(2025年)、他。 【装丁者プロフィール】 佐藤豊 福島県生まれ。桑沢デザイン研究所専攻デザイン科卒業。有限会社服部一成を経て2020年よりフリーランス。 http://yutesato.com/
-
『みすず美術カレンダー 2026年版〈線路のうえで〉』
¥660
「みすず美術カレンダー」2026年版のテーマは、〈線路のうえで〉。 『コンパートメントNo. 6』の刊行を記念して、「鉄道とその周辺の作品」を集めました。 鉄道は、基本的にはレールを敷き、その上に列車などを走らせてきました。 私たちを運ぶために、高架や地下、路面や山岳、時には銀河で。 人力や馬力で動かしたことに始まり、蒸気機関車など技術の発展とともに形態や動力源を変えながら、鉄道は人間だけでなく、貨物や動物なども運び、今日までの世界の運輸を支えてきました。 鉄道運転計画・運行管理員、駅係員、運転士、車掌、客室乗務員、駅や車両などの整備士や清掃員、保線員、電気設備管理や土木建築、各鉄道会社やその関連会社の社員、博物館をはじめとした文化施設や学芸員… と挙げればきりがないほど、たくさんの人々が鉄道という物語に登場し、私たちの出発地から目的地への旅の一日は終わっていきます。 明日もまた、二度とかえらぬ思い出乗せて。 この先の線路がどこまでも続いていくことを願っています。 ハガキ大8枚 ペーパーケース入り(ポストカード一葉付) 卓上用 タテ155mm×ヨコ107mm
-
古賀及子『私は私に私が日記をつけていることを秘密にしている』
¥1,870
人気の日記エッセイ作家が明かす、 みんなに読まれる日記の秘密。 「文学フリマ」が毎回入場者数を更新し、日記本がブームになり、自分でも日記を書きたい・noteで公開したい・ZINEにまとめたい……という人が増えているなか、日記エッセイストの第一人者が、日記を書く際の独自の経験知と秘密を大公開。その実践例としての日記もあわせて収録。日記を読みたい人にも、書きたい人にも、いますぐ役立つアイデアと実例が満載の、これからの日記作家に捧ぐメタ日記エッセイ。 「これから私は日記について書きます。これまであちこちに書いたり、お話ししたりしてきた、日記について私なりに思うことを、ほんの少しですが、ここにまとめます。/日記は人それぞれに方法があって、方針があって、ロマンがあるものです。ここに書いたことは、すべて、単なる私の考えでありやり方ですから、どうかその点ご了承ください。てんで勝手に書けるのが、日記のよさのひとつです。」(本文より) ──────────────────────── 【目次】 1 私は私に私が日記をつけていることを秘密にしている おばけは怖いけど、私はこれから、日記について書きます/文ではなく、日記を書こうと決めた/かけがえなさというのは、思いがけなさのなかにあるんじゃないか/前日の景色を観察するためのメモ/日記は、書くだけ、あとは何もいらない/日記と秘密/毎日の日記、よりぬく日記、編集する日記/日記で世界を作る/生きた昨日を、ただ思い出す 2 私が愛するあなたの凡庸のすべて 私が愛するあなたの凡庸のすべて/互いにとっての静けさとなれ/明日が誕生日でないのが信じられない/あずかり知らぬ無限/見るべきは屋根/コツは地上に出ないこと/元気な体の私の隠喩/押すと実現するボタン/人間の味方/欲しいものは無い、有るものが欲しい 3 じゃがりこを買う人だけが私にとってかわいい、なんだこの感情は 餅をみちぎる威力を応用し/まだ出す力を持っている/なんだかいつも、これ以上着るものがないし脱ぐものもない気持ちだ/服の似合わなさの絶望をすくう/50メートルって「走」じゃないか/世界が変わる、ここが地点だ/うどんにおなり/地金は売らずにまた会おう/遠くの楽しさはいつもすこし悲しい/てっきりそれが終わりの合図だと/時間の種類の豊富さを味わう/じゃがりこを買う人だけが私にとってかわいい、なんだこの感情は 点と点が線でつながっただけで脱出──あとがきにかえて ◇古賀及子(こが・ちかこ) 1979年東京生まれ。エッセイスト。著書に日記エッセイ集『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』(素粒社)、『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)、エッセイ集『好きな食べ物がみつからない』(ポプラ社)、『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)等がある。 四六判並製 280頁
-
『納得できる唐揚げのために』
¥1,650
「人の数だけ、唐揚げの物語がある。」 当店がおすすめしたい+お世話になっている書き手の方々に参加していただき理想の唐揚げに出会えるヒントのような本を作りました。 書き下ろしのエッセイ・小説・短歌が収録されたアンソロジーです。 【もくじ】 ・「唐揚げ奮闘記2025」/ 佐々木里菜 ・「さよならの日のからあげ」/ 磯村柚依 ・「あの台所、あの唐揚げ。」/ 中前結花 ・「紫陽花と唐揚げ」/ 幸若希穂子 ・「大戸屋・鶏のおろし唐揚げ定食660円 」/ チヒロ(かもめと街) ・「ちき・ちき!」/ 加賀田優子 ・「ささやかでいて、ジューシー 」/ 佐伯いちか ・「時価の誘惑」/ リモ ・「ワニは呼吸している」/ 谷脇栗太 ・「胃袋の輪郭」/ まつさかゆう ・「納得できる唐揚げのために ――あとがきに代えて」/ 小林晴奈 装丁・組版:谷脇栗太 ページ数:168 判型:B6変形判 (182×120mm) 2刷です。
-
管啓次郎『本と貝殻』
¥2,750
『本は読めないものだから心配するな』(ちくま文庫)の著者による最新の、本にまつわる書物・読書エッセイ。 本書は、稀代のエッセイストがいろいろな媒体に書きつづったさまざまな書評や読書論のなかからとくに厳選したテクストを集成したものです。読書の方法と書物への讃歌にあふれた本です。 本とともに生きたいとのぞむ人たちへとどける、読書のための書物の実用論です。 【目次】 本と貝殻 Ⅰ 読むことにむかって 立ち話、かち渡り/本のエクトプラズム/横切ってもたどりつかない[プルースト]/詩との出会い[西脇順三郎]/京都との出会い[林達夫]/文体との出会い[吉田健一]/雑学との出会い[植草甚一]/翻訳文学との出会い[サン゠テグジュペリ、パヴェーゼ] Ⅱ 心の地形30 ハーンという驚異の群れ/誰も見たことがない映画を/火山が教えるもの/写真をどう語るか/そこにないものを想像する動物、われら/森と海をむすぶ視点が呼ぶ深い感動/神話が覚えていること/味覚的ポストコロニアル/運動し流通する写真/年齢も境遇もちがう六人の「さきちゃん」とともに/Neversという土地の名の意味/牛の胃の中にある希望の大地/ウイグルの大地をみたす詩/声を探し、声にすること/「北国の少女」をくりかえし聴きながら/寄せては返す批判の言葉/人生を変えるための小説へ/グアテマラでユダヤ人として生きること/肉食について真剣に考えるために/世界音楽を生きる彼女/言語学小説はいかにして可能なのか/生命をめぐる態度の変更について/世界史の最先端を生きた島へ/気まぐれ経済のユートピアについて/みずみずしい線をまとい甦った可憐でモダンな歌、その生涯/帰れなかった帰郷へ/心の扉をあけると/新しい意識を本気で求めるなら/蜜蜂が書いた日本語の文章を Ⅲ 読売書評2012-2013 ステーキの意味論/手と土の仕事について/破壊を超える言葉を/言葉の究極のコラージュ/装いの詩と真実/見過ごされた大作家のヴィジョンについて/詩という領土なき大地/この土地は草に、木に/驚くべき旅人の音声発見/異郷を歩いてゆくカメラの旅/土地の運命を一から考えること/あなたの服を見せて/巨匠の不思議な恋愛小説/スワヒリ語世界のお話の夜へ/至高の道草文学への招待/映像で学ぶ科学/精神分析という知のあり方について/一世紀を生きた人類学者の遺産/この土地をかれらと共有するために/彼女はいつどこで何を考えたのか/物語を超えた言葉の群れへ/なつかしさのむこうにある真実への接近/動物と出会うとき人は何を考えるか/北の島に残る言語をめぐって/代々木公園に立ちこめる記憶の霧/文学が合宿にはじまるとしたら/二〇一二年の三冊/物語の途方もないおもちゃ箱/辛さに挑み、叫べ/こんな作品を見たことがあっただろうか/小説家、あるいは仮死の身体/この過剰な贈与を考えぬくために/すべてがぐるぐると渦巻く海岸で/廃墟の幼児たちが詩人になるとき/さあ、バオバブの島国へ/イディッシュ語作家が背後にもつ世界/英語とは日本語にとって何だったのか/人々の情動に感応する人類学へ/食物が言葉に変わるとき/無人を通して歴史の層にふれる詩集/われわれと共に進化してきた同伴種へのまなざし/猫旅、ふたたび/孤独な人生に光がさす小さな瞬間/学にとりつかれた亡命ユダヤ人の肖像/シルクロードの食に誘惑されて/スペイン語文学が世界にもたらすもの/中継せよ、と言語がいった/壁はいまもある、記憶の中に/宗教は世界をいかに造形してきたか Ⅳ 四つの解説、対話ひとつ 近現代からいかに出てゆくか?[ジャン=フランソワ・リオタール]/文字のやし酒に酔いながら[エイモス・チュツオーラ]/パルテノジェネシスから言語的ジェネシスへ[古川日出男]/Transversal, translingual[リービ英雄]/過去はつねにこれから到来する[エドゥアール・グリッサン] あとがき 【「あとがき」より】 本という物のふしぎな性格は、それがこの世のあらゆるものにつながっていることだ。少なくとも、人間の意識がおよぶあらゆるものに。ヒトが集合的に経験したすべての記憶がいずれかの本に流れこみ、個々の本からはそれを手にした人の数だけ別方向にむかう細い流れが生じる。知識も、情感も。一冊一冊の本がタイムマシンでありきわめて現実的な意識のヴィークルであることも、いうまでもない。本を大切にしよう。 本を語るときにそれを自然物にたとえたくなるのは、ぼくの趣味にすぎないのだろうか。そんなことはないと思う。本は貝殻にも花にも似ている、砂ねずみにもメタセコイアの大木にも似ている、流星にも虫を閉じこめた琥珀にも似ている。この世に存在してヒトの経験の中に入ってくるあらゆるものに似ることができるのが本なのだ。そしてそれは玉手箱でありびっくり箱であり手鏡でもある。すずめのようにチュンチュンと鳴きながら群れなして飛びたつこともある。予想をつねに裏切ってくれる。未知の海鳴りが、いつもそこから聞こえる。 ここでは本を貝殻にたとえてみたが、貝殻は意志なく意図なく自然発生することはなく、その中に住んだ貝の生命が生きてゆくために硬い住処を作り上げるわけだ。海水とのあいだの物質交換の果てに。本の作者と本との関係も、このプロセスにたとえられるのではないだろうか。できあがった貝殻から作者が出ていくとき、その空いた貝殻に読者がひっこしてくる。そして書評という行為が何に似ているかといったら、それは生け花だと思う。本という素材の一部を切り取り、それを新しいアレンジメントに投げこむ。組み合わされ配置された花たち(=引用文たち)は、もともともっていた生命の連関の名残により、新たにつむがれた文の中でも新しく輝く。書評執筆者は一種の花道家として、さあ、見てください、といえるかたちと色合いを、限られた字数のうちに実現しようとする。そこには意味も過剰なくらいに入っているのだが、どれだけ伝わるかはわからない。最低限つたわるといいと思えるのは、論じられる元の本それ自体が、この世界に対して与えようとしていた振動。個々の本の意志、そのafterglow。 今世紀に入ってからもかなりの点数の書評を書いてきたが、紙幅にはつねに物理的制限あり。本書にもそのすべてを収録することはできなかった。そもそも、データもすでに散逸しているのは、それぞれの文がいきものである以上、仕方がない。かれらは逃げていったのだ。それでもここに収めることができた書評とエッセーが、この十年あまりの自分のそれぞれの本に対するそのつどの動物的反応だとはいえるだろう。ありがとう、本たち。ありがとう、その作者たち。震災後、二年間にわたって書評委員として読売新聞に書いた文はすべてを収録することにした。一時代の新刊書という動物たちの群れに対して、一匹の犬がだいたいこれくらいの幅で反応している、というサンプルのつもりで。 錯綜をきわめたにちがいない編集を担当してくれた出版社コトニ社の後藤亨真さんに、心から感謝します。 二〇二三年四月九日、狛江 四六変型判 320ページ 【著者略歴】 管啓次郎(すがけいじろう) 1958年生まれ。詩人、比較文学研究者。明治大学理工学部教授(批評理論)。同大学院理工学研究科<総合芸術系>教授。1980年代にリオタール『こどもたちに語るポストモダン』、マトゥラーナとバレーラ『知恵の樹』の翻訳を発表(いずれも後に、ちくま学芸文庫)。以後、フランス語・スペイン語・英語からの翻訳者として活動すると同時に『コロンブスの犬』『狼が連れだって走る月』(いずれも河出文庫)などにまとめられる批評的紀行文・エッセーを執筆する。2011年、『斜線の旅』にて読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞。2010年の第一詩集『Agend’Ars』(左右社)以後、8冊の日本語詩集と1冊の英語詩集を刊行。20ヵ国以上の詩祭や大学で招待朗読をおこなってきた。2021年、多和田葉子ら14名による管啓次郎論を集めた論集 Wild Lines and Poetic Travels (Lexington Books) が出版された。東日本大震災以後、小説家の古川日出男らと朗読劇『銀河鉄道の夜』を制作し、現在も活動をつづけている。
-
ドリアン助川『幸運であるトムとセセリチョウの世界』
¥2,530
たとえ大きなものになれなくても、社会からずり落ちていても、あなたはすべてを包み込む自然とその循環の中で生きている。 遠い“過去の記憶”を宿し、たくさんの生きものたちと出会い、共に歌い、夢をみて、木々や雲とさえ語り合える。 生と死に向き合いながら物語を紡ぎ、それらを自らの声で語ることを長年ライフワークとしてきた著者。 本書は、この星の多様な仲間たちの言葉や営みにかさねて、著者が胸の奥に秘めた想いを初めて綴った詩集。 きょうだいのように育った犬への追憶を含め、犬にまつわる五編も加えた全三十六編を収録。 目次 『幸運であるトムとセセリチョウの世界』 土 タヌキ コスモス サンショウウオ オサガメ シジュウカラ ウスバカゲロウ カラス クジラ コウモリ シマリス オットセイ ヒキガエル キタキツネ シオカラトンボ 藻 アゲハチョウ イモリ ホタル ラクダ アブラゼミ ムクドリ 雲 繭 コオロギ ナマコ セセリチョウ ヤブイヌ ツバキ ドングリ ブナ 『犬は犬ではない』 花火 砂の犬 犬は犬ではない 犬ぞり 尻尾のない犬 装幀・装画:井上奈奈 184ページ/四六判 上製/クロス装/箔押し 【著者プロフィール】 ドリアン 助川 (ドリアン スケガワ) (著) 作家、詩人、歌手。明治学院大学国際学部教授。 1962年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学科卒。 1990年にロックと詩の朗読を融合させたバンド「叫ぶ詩人の会」を結成しデビュー。95年からは若者の悩み・苦しみに向き合う深夜ラジオ番組のパーソナリティーを務めた。 1998年長野パラリンピックの大会歌『旅立ちの時』を作詞。 1999年にバンド活動を休止、3年間ニューヨークに滞在、当地で同時多発テロを目の当たりにする。 帰国後、本格的に作家活動に入り、映画化もされた『あん』など、数多くの作品を世に送り出してきた。 「叫ぶ詩人の会」以降も、作家活動と並行して複数のグループで朗読や歌による表現活動を続けている。 近著として『線量計と奥の細道』(幻戯書房、集英社文庫)、『新宿の猫』(ポプラ社)、『水辺のブッダ』(小学館)、『寂しさから290円儲ける方法』(産業編集センター)、『動物哲学物語 確かなリスの不確かさ』(集英社インターナショナル)、『太陽を掘り起こせ』(ポプラ社)など。サン=テグジュペリ『星の王子さま』(皓星社)はフランス語原作から全訳した。
-
社会を編み直す読書会『「ふつう」じゃない話をしよう』
¥800
「ふつう」って一体なんだろう? 日常を取り巻く「ふつう」のおかしさを、読書会で扱った6冊の書籍と19のキーワードで紐解く。 生きづらい社会から抜け出すヒントを手探りする ZINE。 【目次】 京都ではじめた社会の話 グランドルール 第1章 差別を紐解く ―キム・ジヘ『差別はたいてい悪意のない人がする』 第2章 見えない傷を見るために ―『<寝た子>なんているの?』 第3章 いまある社会の基準を疑う ―チェ・スンボム『私は男でフェミニストです』 第4章 能力主義はフェアなのか? ―伊藤亜沙『目の見えない人は世界をどう見ているのか』 第5章 そのやさしさは誰のため? ―『思いがけず利他』 第6章 違ったままでともに生きる ―『わたしはわたし。あなたじゃない。』 番外 京都でできた「人権条例」 おわりに 索引 A5(210 x 148mm) / 78ページ / 再生紙を使用
-
【サイン本予約】ひらりさ『まだまだ大人になれません』
¥1,760
※ 著者直筆サイン本です。11/10頃発送予定です。 仕事も恋も友情も大人になればうまくいく? 大人になるには練習が必要? 仕事、友情、恋愛、自分探し…未解決問題ばかりの毎日を乗り越えるためのメンタルリカバリーエッセイ 目次 Chapter1. 日々を生きのびる、息継ぎの技術 Chapter2. 30代、からだと付き合いなおす Chapter3. 生活を愛せなきゃ、自分も愛せない Chapter.4 小さな曲がり角が人生を作る ページ数:224 判型:四六判並製 【著者プロフィール】 ひらりさ(著) 平成元年、東京生まれ。女子校とボーイズラブで育った文筆家。オタク女子ユニット「劇団雌猫」のメンバーとして活動。オタク文化、BL、美意識、消費などに関するエッセイ、インタビュー、レビューなどを執筆する。単著に『沼で溺れてみたけれど』(講談社)、『それでも女をやっていく』(ワニブックス)など。
-
小指『小指の沖縄冒険記』
¥990
【目次】 いしじゃゆんたく市場 コザへ 異次元を走るバス 呼ばれた人、呼ばれてない人 いざ、中の湯 神に導かれる 久高島へ 斎場御嶽 旅の完結 62ページ、A5
-
小指『奇跡のような平凡な一日 2』
¥1,320
奇跡のような平凡な一日の第二巻。 過去の日記+エッセイ1編「学校の犬」 個人的にとってもおすすめです!(小指さん談) 文庫サイズ 116p
-
浅生鴨『選ばない仕事選び』
¥990
仕事選びに正解なんてない。仕事に触れ、仕事とは何かを少しずつ知り、自分の好き嫌いや向き不向きを知っていく。 でも、何を選んでもたいして変わらない。それを知っていれば、急いで選ばなきゃと焦る必要もなくなるはず。 どれを選んでも、多分、だいじょうぶ。 将来のことなんて何も考えず、行き当たりばったりに生きてきて、仕事なんてやりたくないと今でも思いつつ、それでも何となく楽しく毎日を過ごしている僕自身について書こうと思う。 仕事や働き方について僕がどう考えているのかを、そして、これまでどんなふうに僕がいろいろな仕事と出会ってきたのかを、君に伝えてみようと思う。 もちろん僕だからこうなったわけで、君も同じようになるとは限らない。僕と君とは違う人生を歩んでいるわけだからね。 それに、なによりも、大人のアドバイスは真に受けちゃいけないからね。 目次 Ⅰ 仕事について考えてみよう 仕事なんてやりたくない 仕事が僕を選んでいる 仕事って何なのさ? 仕事と職業って違うもの? 仕事とは世界を変えるもの 仕事とお金は無関係 お金で仕事は変わらない 選択肢を増やす道具 仕事に選ばれたときに 仕事選びの要素を考えてみる ミニコラム 白い手帳の喜び Ⅱ どうやって仕事に出会うの? 好きを仕事にしなくていい 仕事選びを焦らなくていい やりがいは君のもの 仕事は人生の一要素 仕事選びに正解はない 作業と仕事 仕事は君だけのものじゃない 誰にでもできる仕事 仕事のことは後回しに 正解は探さなくていい ミニコラム 決め方を決める Ⅲ 働かなくても生きていける? 将来を決めすぎない 働くのは当たり前じゃない 働かないと、僕たちは孤独になる 社会的な生き物 大人は仕事を知らない 始めはうまくいかない やればやるほどうまくなる 仕事に似ているもの 選ばない幸せ、選ばない贅沢 判型:新書判 ページ数:192頁 【著作者プロフィール】 浅生 鴨(あそう・かも):作家、広告プランナー。1971年、神戸市生まれ。たいていのことは苦手。ゲーム、レコード、デザイン、広告、演劇、イベント、放送などさまざまな業界・職種を経た後、現在は執筆活動を中心に、広告やテレビ番組の企画・制作・演出などを手掛けている。主な著書に『伴走者』(講談社)、『どこでもない場所』、『ぼくらは嘘でつながっている。』(ダイヤモンド社)、『すべては一度きり』『たった二分の楽園』『三万年後に朝食を』『四メートルの過去』『五グラムの用心棒』(共に左右社)など。同人活動として『雨は五分後にやんで』『牛し本』などの展開も。座右の銘は「棚からぼた餅」。
-
Chad Moore『At Amber』
¥19,800
約28 cm x 約17 cm ① タブロイド版16ページ ZINE (約56 cm × 約34 cm が4枚 半分に折られています。) ※さらにもう半分に折られてパックされています。 ② リソグラフ POSTER 付き(最後の赤い画像) 2015年11月15日からベルギーのアントワープで 開催の個展「AMBER」に際して製作されました。
-
水野太貴『会話の0.2秒を言語学する』
¥1,760
会話で相手と交替するまで平均0.2秒。この一瞬にどんな高度な駆け引きや奇跡が起きているのか──言語学の歴史を大づかみに振り返りつつ、「食べログ」レビューからお笑いに日銀総裁の会見、人気漫画まで俎上に載せ、日常の言語学をわかりやすく伝える、待望の書き下ろし。なぜうまく話せないのか。悩んでしまうあなたの必読書! まえがき 日々繰り広げられる、0・1秒単位の競争 10分の激論を464ページで解説するように 言語漬けの青春 謎解きの鍵は「文脈」から 第一章 コミュニケーション上手になるための「語用論」 イギリスの裁判所を揺らした発言 大ポカした就職面接「会いたい人は?」 謎まみれの解釈メカニズム ことばとは、世界への働きかけである 「させていただく」を「食べログ」で研究する 「会話は協調して行なえ」グライスが説いたこと 福本伸行『アカギ』でわかる語用論 「それはそれ、これはこれ」がなぜ成立する? 芸人のボケを語用論してみる 発話の解釈を導き出すには? 発話の解釈はコスパで決まる コミュニケーションモデルは「暗号解読」から「推論」へ 文脈を科学する3つの知見 第二章 ことばには“奥行き”がある インドの新聞に躍った見出し「ドナルド・トランプの死」 言語学者が最も注目する「単語の並べ方」 天才ソシュールの言っていたすごいこと 未知の言語の記録に燃えるアメリカ構造主義言語学 引用ランキングトップで唯一存命。言語学者チョムスキーの仕事 難解なのにハマる人が多い「生成文法」 文は何からできている? 樹形図の上がる下がるに興奮する 文の理解には二次元的な情報が必要だ 視覚思考者(ビジュアル・シンカー)が教えてくれること 伝言ゲームにはノイズが入るもの 第三章 あなたは「ネコ」の意味さえ説明できない 君の言っているのとぼくの言うのとは意味が違うんだよ 意味の研究、難解すぎる 「見えないものは扱わない」学派もある 意味は要素を列挙してもわからない 指さしたらあとは「ネコ」の意味なんて知らない 難解で地味だけど重要な形式意味論 類似性を見つけてまとめるカテゴリー化 「言語は比喩でできている」認知意味論 僕たちは「時間」を比喩を通して理解している 日本語の単語の意味も考える 「近づく」と「近寄る」はどう違う? 検索エンジンの予測のように、頭に浮かぶことば 言語はコミュニケーションのツールの一つにすぎない 第四章 言語化の隠れた立役者たち 「なぜサッチャーはこうも頻繁に話を遮られるのか」論文 自殺予防センターで生まれた「会話分析」 雨粒が水面に落ちる過程 会話分析の研究者が最初に注目したこと 会話の順番交替は先読みできる 聞き手の沈黙時間を話し手はどうとらえるか 「はい」より「いいえ」の方が沈黙が長い 沈黙は重要な情報となる なぜリモート飲み会は定着しなかったのか まあ、あのー、そのー、こう、えーっと…… 「あのー」と「えーと」の違い 「うーん」はどんなときに使うか 僕たちがフィラーを口にするわけ 電話中についしているジェスチャーの正体 ジェスチャーを封じられるとフィラーが増える ことばとジェスチャー、どっちが先か あまりに鮮やかな実験 オノマトペは「言語化されたジェスチャー」 言語のサブ的要素が言語化に役立つ 僕らは日々ものすごいことをやっている 終 章 世界は広い! 驚きのコミュニケーション なんでそうなる? あの国この国 日本でも違う、東北と近畿 自閉スペクトラム症の子どもは津軽弁を話さない? コミュニケーションの「普通」って? 「彼女は海が好きだ」「彼女は海が好きだった」今も付き合ってるのは? 「ね」と「よ」の違いは難しすぎる 発話における「普通」を考える 発音時の自分の舌、唇、口の動き 自己紹介のたびに気が重くなる吃音当事者 たまたまできる発音という不思議 日本語話者の会話は世界的せっかち 会話の流暢さと能力主義の関係 言語学を学んでわかった、言語の限界 「自分と出会い直す」という希望 あとがき 発酵デザイナーとの散歩 いびつな本です。でも 壮大な問いに挑戦してみる 言語学に携わる方々に感謝を込めて 【後注】 もっと知りたくなった読者のための30冊 判型 四六判 頁数 240ページ 【著者プロフィール】 水野太貴 ミズノ・ダイキ 1995年生まれ。愛知県出身。名古屋大学文学部卒。専攻は言語学。出版社で編集者として勤務するかたわら、YouTube、Podcastチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で話し手を務める。同チャンネルのYouTube登録者数は36万人超。著書に『復刻版 言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(バリューブックス・パブリッシング)、『きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集』(KADOKAWA)がある。 【書評】 最高の浅瀬弾丸ツアーみたいな本 堀元見 良質な知識エンタメには、必ず良い問いがある。 『会話の0.2秒を言語学する』はそれを改めて実感させてくれる本だ。 「会話のターンが切り替わるわずか0.2秒の間に、脳内で何が起きているのか」という問いは極めて分かりやすく魅力的で、読者を自然に言語学の世界にいざなってくれる。語用論だの統語論だの意味論だのという、門外漢からは何をやっているかすら分からない言語学のジャンルに次々に足を突っ込んだかと思ったら次々に離脱する。ひとつの問いを追いかけていくうちに、なんとなく色々なジャンルを浅く広く知れて得した気分になる。七つの海の浅瀬で遊び回る弾丸ツアーみたいな本だ。 著者の水野と僕はもう5年近く「ゆる言語学ラジオ」というYouTubeチャンネルをやっている。僕たちは昔からこういう「浅瀬弾丸ツアー」みたいなコンテンツが好きで、その共通点があったから、一緒に知識エンタメYouTubeを始めた。 世間ではゴチャゴチャにされがちだが、「教養系YouTube」と「知識エンタメYouTube」はまったく違うものである。前者は勉強のためにマジメに見るイメージで、そこには崇高な目標がある。VUCAの時代を生き抜く21世紀型人材になるために見ている人が多い。一方、後者はエンタメとしてゆるく見るイメージで、特に崇高な目標はない。VUCAの時代を生き抜くためにではなく、おもしろいから見ている人が多い。僕たちは後者の方が好きだったので、後者として始めた。 知識エンタメに必要なのは、魅力的な問いだ。問いがしょぼいとエンタメとして成立しない。「語用論とは何か?」ではダメだ。ほとんどの人が気にならない問いでは、エンタメにならない。 本書の問い「会話のターンが切り替わるわずか0.2秒の間に、脳内で何が起きているのか」は、世界中の人に関係があり、言われてみると誰もが気になる魅力的なものだ。そして、徹頭徹尾この問いに沿って議論が展開されるので、各ジャンルの浅瀬にしか立ち入らない。「語用論の全体像」みたいなものを深く理解する必要がなく、問いに関係ありそうな知見だけを浅く拾っていく。これがありがたい。 「網羅的である」というのは専門書においては良いことだが、知識エンタメにおいては悪いことだ。「A氏が提案した7個の法則」みたいなのが出てきたとき、全部を丁寧に解説されると僕は飽きてしまう。「おもしろい法則だけ教えてほしいな。ひとつかふたつでいいから」と思ってしまうのだ。勉強したいのではなくおもしろがりたいだけの人間はとかく不真面目である。全容など知りたくないので、とにかくおもしろいところだけ見せてほしい。本書は、そんな下世話なニーズを満たしてくれる。 水野は、浅瀬弾丸ツアーを率いるのに最適なツアーコンダクターだ。彼は「会話の0.2秒」を軸にして、正しくルートを設計してくれた。立ち寄るスポットを過不足なく選定し、それぞれのスポットでの正しい観光ガイドもつけてくれた。「英国の元首相サッチャーはやたらとインタビュアーに会話を遮られる。それは彼女のイントネーションのせいだった」のように、興味深い具体例から自然とその海に入れるようになっている。彼の観光ガイドのお陰で、浅瀬にしか入っていないのに、その海の楽しさは十分理解できる。弾丸ツアーだからこそ、コンダクターの腕が問われるのだ。 そして、彼に連れ回されるままに色々な海を見ていくと、なんとなく世界全体の見取り図ができ、自分なりの感想が湧いてくるだろう。「会話ができているの、奇跡だな」と素直に思うかもしれないし、「この会話の仕組みをハックすれば営業成績を上げられる」と思うかもしれない。豊富な参考文献が収録されているので、気になる海があればもっと深く入ってみてもいいだろう。ツアー旅行で満足した後は、自分なりの旅を設計すればいい。ちなみに僕は大学でコンピュータサイエンスをやっていたので、「俺もコンピュータを題材に同じ本を書けるな。Amazonの購入ボタンをクリックしてからの0.2秒で何が起きているか、という本を書こうかな」と次作の構想を膨らませてしまった。そういう刺激に満ちた本である。 ところで、水野と飲んでいると「人間的な深みがほしい。俺の人生は浅すぎる」とよく言っている。彼は浅瀬弾丸ツアーを極めすぎて、人生においても浅瀬から出られないらしい。彼が人生の深みを犠牲にして書き上げた至極の浅瀬弾丸ツアー本を、あなたもぜひ手にとってみてはいかがだろうか。 (ほりもと・けん) 波 2025年9月号より 単行本刊行時掲載
