スタンダードブックストア
〒543-0056 大阪市天王寺区堀越町8-16
TENNOJI BASE
TEL 06-6796-8933 火曜定休
-
漆原悠一エッセイ集『ここにつらなる日々』
¥1,540
ぼくにとって、デザインは生活の基盤を支える大切な仕事だが、生活の一部である。 デザインが生活のすべてではなく、自然と生活のなかに溶け込んでいるようなイメージだ。 仕事へのこだわりが生活を圧迫することのないように。 (本文より) 東京のnoie extentというギャラリーで初の個展をやることになった。 ふつうデザイナーの展示といえば、成果物や取り組みをデザインの意図とあわせて展示する それがほとんどのように思うけれど、「本をつくる」ことで、仕事を含む生活そのものに向き合ってみようとおもった。 父のこと、家族のこと、学生時代のこと、友人のこと、引っ越しのこと、仕事のこと。……etc. デザインを仕事にする、忙しくも自由な日々を、ご笑覧いただけたらうれしいです。全23篇。 もくじ: 表札がない/ミルクセーキ/手のひら/似顔絵/シャチホコ/ドリーム/古本屋/砂が出た/念を送る/アコーディオ ン/市民プール/フット帽/さよならが言えない/ねずみさん/引っ越しのまえに/ばいばい、またね/ある一日/丸坊主/ぼ んやりと考える/お忙しいのにすみません/デザインの現場/場がつくられる/あとがきにかえて 著・装丁:漆原悠一 判型: 四六判変形(タテ172×ヨコ118mm) 製本: 並製本(PUR)/天アンカット 頁数: 100ページ 漆原悠一(うるしはら・ゆういち) 1979年大阪市天王寺区生まれ。2002年京都精華大 学美術学部デザイン学科卒業。2011年に東京・西荻 窪の自宅にてデザイン事務所tentoを設立。その後、 代官山、三鷹へ移転。現在は京都市左京区に事務 所を構える。グラフィックデザインを生業としている。
-
江藤健太郎『すべてのことばが起こりますように』
¥2,200
愛、笑い、海、狂気、デジャブ、旅をめぐる「人間」たちの物語。 「書きたいから書いた。出したいから出した」 既存の文芸の枠の「外」から突如やってきた破格の初小説集。 ◎江藤健太郎による初作品集。表題作の長編を含め5篇所収。執筆4年、制作半年の歳月を経て、ついに刊行。第1刷300部発行。 ◎『天然知能』、『やってくる』、『創造性はどこからやってくるか』など革新的著作を発表し続ける異能の天然知能科学者・郡司ペギオ幸夫氏による書き下ろし解説所収。 読み終わって、冬の浜辺で一人焚き火をしていた、存在しない記憶を思い出した。 「すべてのことばが起こりますように」の主人公であるウジャマ(内山)はデジャブとしての生を繰り返す。デジャブとして生き続けるこの感じをきっかけに、本解説もまたデジャブ体験のように書き連ねられることになる。 ああ、江藤くんですか、知ってますよ。よく覚えてます。彼は私の授業の第一回の講義で、授業が終わると教卓に走り込んできましてね、言うんですよ。「郡司さん、早稲田の理工で郡司さんの授業わかるの、俺以外いませんよ」ってね。《解説より》 ◎著者自らが企画・編集すべて手掛けた渾身の一冊。装画・装丁はデザイナーの柿木優、印刷・製本は藤原印刷。自主制作本ながら本格的な仕上がりとなっております。 ◎この先ずっと小説を書いていきたい人、新人賞に応募し続ける以外の道を探っている人、いつか自分で本を出そうとしている人、そんな人たちへ。 ◎本書のために描き下ろされた柿木優による精緻な鉛筆画をはじめとし、表紙に板紙、本文用紙にコミックス紙、帯代わりにステッカーを貼付した画期的な造本。シンプルながら新しい装丁になっております。 【目次とあらすじ】 隕石日和(短編20枚) ある晴れた日、「わたし」がベランダで洗濯物を干している。すると隣のベランダに「誰か」が出てくる気配がする。しかしそれはおかしい。隣室は空室のはず。蹴破り戸のせいで「誰か」の姿は当然見えない。警戒する「わたし」を見透かすように、「誰か」が「わたし」に喋りかけてくる。「そこにいるんだろ! まあ話そうや」。まるで人間そのものみたいな二人の対話が始まる。 すべてのことばが起こりますように(長編145枚) 朝四時、波打ち際、男が目を覚ます。波に飲み込まれそうになる痩せた身体。男の名はウジャマ。愛すべきウジャマ。起き上がったウジャマは神奈川から東京へと放浪の旅を始める。道中、ウジャマは様々な人に話しかけられる。仕事を飛んだ女、新興宗教の教祖、家出中の老婆、失恋し言葉が止まらなくなった男……。果たして、ウジャマはどこから来たのか何者なのかどこへ行くのか。愛、笑い、海、狂気、デジャブ、旅をめぐる「人間」たちの物語。 二回戦(短編20枚) 「カフカ短編賞」の授賞式に出席するために大学のキャンパスを訪れた「わたし」は、自身の作品が受賞しなかったことに不満を抱き、授賞式を襲撃する計画を立てている。式が始まる。受賞者の嬉光一が舞台上で受賞スピーチを始める。「皆さま、わたしはカフカの作品を読んだことは一切ございません」。呆気に取られる「わたし」をよそに、嬉光一による長い告白が始まる。「わたしは神奈川県の国府津という小さな町に生まれました」 ドリフター(短編40枚) ある日、大学院生の佐村のもとに、社会人になった友人の月川から電話がかかってくる。月川は海に行こうと佐村を誘う。佐村はギョッとする。学生時代、月川は度々佐村に自殺を仄めかしていた。その度に、佐村は「じゃあ死ぬ前に海でも行こうや」とたしなめていた。そのことが一気に思い出された。落ち着かない佐村と微動だにしない月川は新宿で合流し、熱海行きの電車に乗る。 一瞬、針(短編20枚) 南米映画を専攻する大学院生の寺尾は、岐阜県の海水浴場で開催される「お月見映画祭」に参加する。現地で寺尾は映画祭スタッフの河野と出会う。会場では、砂浜の上に直接スクリーンが置かれ、並べられたパイプ椅子にはぎっしりと老人が詰まっている。一人にされ奇妙な不安に駆られる寺尾。それを察知したかのように消えたり現れたりする河野。突然、河野による長いひとり語りが始まる。「寺尾さん、わたしはずっとラクゴし続けてきたんです」 解説 デジャブとしての生をデジャブの連続として描いた小説 郡司ペギオ幸夫(科学者・早稲田大学教授) 辞世の句は「あれ、デジャブかな」にしろよ、と私に言ったのは、共同研究をしている日本画家、中村恭子氏である。最期に及んで「浮世のことは夢のまた夢」という感慨は、いかにも成功者のものだ。そうではなく、生きてきて、ようやく死に際になって、「あれ、なんかこれ、昔もあったような」という気分と、しかし同時に、まだ一度も死んでないんだから、「ああ、デジャブに違いない」という感じが伴っていて、デジャブですらない。デジャブですらないが、「デジャブかな」という体験は、このいまを拓いていく。 判型:128mm×182mm B6判並製 192ページ 造本:カバーなし ニス仕上げ 帯ステッカー付き 装画・装丁・本文レイアウト:柿木優 解説:郡司ペギオ幸夫 編集:江藤健太郎 印刷・製本:藤原印刷 注意事項: 書籍にスリップはございません。 帯代わりのステッカーを貼付しております。 剥がしてステッカーとしてもお使いいただけます。 その際はゆっくり剥がすようお願いいたします。 江藤健太郎(えとうけんたろう) 1999年、神奈川生まれ。会社員。2018年から小説を書く。 好きなものは、魚。2025年、版元「プレコ書房」を立ち上げ、 初小説集『すべてのことばが起こりますように』を刊行。
-
小澤裕之編訳『エリザヴェータ・バーム/気狂い狼 オベリウ・アンソロジー』
¥3,300
ダニイル・ハルムスの原点、伝説のグループ「オベリウ」の全貌がついに明らかになる──。 100年前、無名の若者たちによって結成された「オベリウ」(ОБЭРИУ)は、20世紀前半のロシアにおける文学的実験の極致をきわめた。ダニイル・ハルムスの「エリザヴェータ・バーム」「出来事」新訳、これまで未邦訳だったニコライ・ザボロツキー「気狂い狼」、コンスタンチン・ヴァーギノフ「スヴィストーノフの仕事と日々」、レオニード・リパフスキー「水論」など、この伝説のグループ周辺12名の代表作を網羅した世界初のアンソロジー。 ◎本書作品収録作家……ダニイル・ハルムス/アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー/ニコライ・ザボロツキー/コンスタンチン・ヴァーギノフ/イーゴリ・バーフチェレフ/ドイヴベル・レーヴィン/ユーリイ・ウラジーミロフ/アレクサンドル・ラズモフスキー/クリメンチー・ミンツ/ニコライ・オレイニコフ/レオニード・リパフスキー/ヤコフ・ドゥルースキン 「本書に訳出するのは、「オベリウ」と「チナリ」に縁の深い者たちの作品である。どちらのグループにも所属したハルムスとヴヴェジェンスキーは、その反伝統的な作風がロシア国内外で比較的早くから注目され、著作集や全集が刊行されてきた。しかしふたり以外の作品は、ザボロツキーを除き紹介が遅れた。「オベリウ」アンソロジーは、すでに1991年にロシアで、2006年にアメリカで刊行されているが、どちらも「オベリウ」のメンバー(オベリウ派)を網羅しているわけではなく、必ずしも代表作を採っているわけでもない。そこで本書には、レーヴィンやウラジーミロフといった、ロシアでさえほとんど知られていないマイナーなオベリウ派に、「チナリ」のメンバーも加え、それぞれの代表作をなるべく多く収録した。したがって、現時点では本書が世界で最も包括的な「オベリウ」アンソロジーといってよい」(本書「はじめに」より) 「オベリウ派――彼らはそう名乗っている。この言葉は、リアルな芸術の結社のことだと理解されている。この嘘くさい大仰な名前は、レニングラードのちっぽけな詩人グループが勝手に詐称しているものである。連中はほんの僅かだ。片手で指折り数えることができる。その創作ときたら……。」(オベリウに対する批判記事「反動的曲芸」より) ◎オベリウとは? 20世紀前半のロシアにおいて、「ロシア・アヴァンギャルド」と後に称される前衛芸術運動が興隆する。その寿命は短かったが、落日の間際、未来をも貫く鋭い光芒を放つ。それが「オベリウ」である。1927年に若者たちの手で結成されたこのグループは、「反革命的」と批判され数年で瓦解するものの、メンバー(オベリウ派)は創作をつづけ、ロシア文学史上きわめてユニークな作品を残した。また一部のオベリウ派は「チナリ」にも属していた。これは「オベリウ」と異なり閉じられたグループで、仲間たちは頻繁に集まりさまざまなテーマについて話し合った。そこでの会話がしばしば創作のヒントになっている。「オベリウ」も「チナリ」も長く忘却されていたが、20世紀後半から、ロシア文学史におけるミッシング・リンクとして世界的な注目を集めだす。両グループのメンバー全12人の創作を1冊に纏めた本書によって、その全貌がいま初めて一望のもとに置かれる。 【目次】 はじめに 「オベリウ」とは何か━━人と成り立ち 「オベリウ」と「チナリ」略年譜 Ⅰ オベリウ ダニイル・ハルムス 出来事 エリザヴェータ・バーム ヴヴェジェンスキーへ ザボロツキーを訪ねて オレイニコフへ 〈リパフスキーが苦しみだしたのは……〉 どのように使者が私のもとを訪れたか 男が家を出ました ばあさん アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー 〈三七〇人のこどもたち〉 はる こもりうた イワーノフ家のクリスマス ニコライ・ザボロツキー 気狂い狼 運動 不死 さらば友よ みにくい女の子 コンスタンチン・ヴァーギノフ スヴィストーノフの仕事と日々(抄) イーゴリ・バーフチェレフ 取るに足らない隣人のたとえ 「曲がった胃」での出来事 冬の散歩 ドイヴベル・レーヴィン ドゥームコプフ氏、空を飛ぶ ユーリイ・ウラジーミロフ 変な人たち スポーツマン アレクサンドル・ラズモフスキー 追憶のハルムス クリメンチー・ミンツ オベリウ派(抄) オベリウ宣言 Ⅱ チナリ ニコライ・オレイニコフ 発明家に誉れあれ チャールズ・ダーウィン ハエ ゴキブリ 〈ごく頑丈なガラス越しに……〉 ノミの師範 レオニード・リパフスキー 〈太陽が異国に沈んだ〉 水論 ヤコフ・ドゥルースキン 窓 補遺 〈どのように使者が私のもとを去ったか〉 夢 チナリ 訳者解説━━十二人の「変な人たち」 訳者あとがき 底本一覧 四六判、並製、496ページ 装丁 森敬太(合同会社 飛ぶ教室) 装画 大澤フロム 【著者プロフィール】 ダニイル・ハルムス(Даниил Хармс) 詩人・作家・劇作家。ペテルブルク生まれ。27年には詩人仲間と共に前衛的な芸術家グループ「オベリウ」を結成。30年代は主に児童文学の分野で活躍。スターリン政権下で弾圧に遭い、41年に逮捕。翌42年に監獄病院で餓死した。代表作に『エリザヴェータ・バーム』『出来事』『ばあさん』など。 アレクサンドル・ヴヴェジェンスキー(Александр Введенский) 詩人・劇作家。31年に逮捕、翌年釈放されるが、流刑地を転々としたのちレニングラードに帰還。36年にハリコフへ移住。41年に再び逮捕、カザンへ移送される途中に肋膜炎で死去。代表作に『イワーノフ家のクリスマス』『灰色ノート』『挽歌』など。 ニコライ・ザボロツキー(Николай Заболоцкий) 詩人・翻訳家。ハルムスやヴヴェジェンスキーたちと共に「オベリウ」立ち上げに参加。「オベリウ宣言」の主要部分を執筆する。代表作に『気狂い狼』『農業の勝利』など。 コンスタンチン・ヴァーギノフ(Константин Вагинов) 詩人・作家。21年に「島民」グループを結成。その作品集において初めて詩が活字となる。20年代末から4つの長篇小説を次々と執筆。創作意欲は旺盛だったが、34年に結核で死去。代表作に『山羊の歌』『スヴィストーノフの仕事と日々』など。 イーゴリ・バーフチェレフ(Игорь Бахтерев) 詩人・作家・劇作家。詩の夕べでハルムスに出会う。26年、仲間と共に演劇グループ「ラジクス」を結成。やがて解散するが、このグループが母体のひとつとなり、27年に「オベリウ」が誕生。代表作に、ザボロツキーを始めとするオベリウ派の回顧録『私たちの若かった頃』、戯曲『冬の散歩』など。 ドイヴベル・レーヴィン(Дойвбер Левин) 作家・脚本家。27年、「オベリウ」立ち上げに参加。「左翼の三時間」のパフォーマンスを考え、戯曲『エリザヴェータ・バーム』の演出をハルムスおよびバーフチェレフと共に担当した。代表作に長篇小説『十車両』『リホヴォ』など。 ユーリイ・ウラジーミロフ(Юрий Владимиров) 詩人・作家。創作は全部で10篇程しか現存せず、本書収録の『スポーツマン』は唯一の大人向け作品。 アレクサンドル・ラズモフスキー(Александр Разумовский) 作家・劇作家・脚本家・映画評論家。「オベリウ」時代の友人バーフチェレフと共同で多くの作品を執筆したことでも知られ、とりわけ戯曲『スヴォーロフ元帥』は大成功を収めた。 クリメンチー・ミンツ(Климентий Минц) 映画監督・脚本家。国立芸術史研究所附属芸術学高等コース映画科でラズモフスキーと出会い、27年、共に「オベリウ」に加入。脚本や監督を務めたコメディ映画は大成功を収めた。代表作に、映画『虎使いの女』、ラジオ番組『有名船長クラブ』など。 ニコライ・オレイニコフ(Николай Олейников) 詩人・作家・編集者。25年からレニングラードの国立出版局児童書部門にて、マルシャークやシュワルツと共に編集者・作家として働く。編集を務めた児童雑誌『ハリネズミ』と『マヒワ』には「オベリウ」のメンバーも寄稿し、親しく交遊した。しかし37年に逮捕、銃殺される。代表作に『ゴキブリ』『ハエ』。 レオニード・リパフスキー(Леонид Липавский) 哲学者・児童文学作家。20年代から30年代にかけ、「チナリ」のメンバーたちを自宅に集め親しく交遊。41年にレニングラードの港湾都市ペテルゴフにて戦死。代表作に『水論』『恐怖の研究』『言葉の理論』。 ヤコフ・ドゥルースキン(Яков Друскин) 哲学者・数学者・音楽研究家。独ソ戦が始まりレニングラードが封鎖されると、ハルムスの妻から夫の原稿の入ったトランクを託される。20年にわたりそのトランクを大切に保管しつづけたが、ハルムスの死が明らかになると、原稿を地下出版で広めはじめる。代表作にエッセイ『チナリ』、ヴヴェジェンスキー論『無意味の星』など。 【編訳者プロフィール】 小澤裕之(おざわ・ひろゆき) 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学ほか非常勤講師。専門はロシア文学。著書に『理知のむこう――ダニイル・ハルムスの手法と詩学』(未知谷)、訳書にダニイル・ハルムス『言語機械――ハルムス選集』(未知谷)、サムイル・マルシャーク『森は生きている~12の月のおとぎ話~』(小学館)、最近の論文に「ゴーゴリ「査察官」の忘れられた初邦訳:底本・文体・受容」(『ロシア語ロシア文学研究』56号)がある。
-
北川透、写真/毛利一枝『プリズンブレイク 脱獄』
¥2,970
北川透はじめての「詩と写真」による最新詩集刊行! 詩人・北川透の詩はますます研ぎ澄まされ 装幀家・毛利一枝の写真が浮遊する…… それでよい それがよい やがて 漂う雲の切れ目から 陽が出れば 自然に 消えていく 絶えていく 死の沈黙で溢れる 今日の始まり 石松佳 帯より―――――― 「最期とは/死を意味しない」とあるとおり、生命線の切断と接続を繰り返すこの途切れ途切れの永遠性の前で詩人は自らの存在を賭けて対峙している。そこでは、もはや詩人の主体性を担保するものは何もない。詩人は、「おまえ」と対象化され、船上の黒い幽霊たちから噂される存在となる。自らの存在を俯瞰して徹底的に突き放し、その存在の自明性の揺らぎから言葉を紡ぐポイエーシスを、詩集を読む者はみな最初に提示される。 平田俊子 帯より―――――― 詩はちっとも行き詰まってなんかいない。詩の可能性は無限にある。エネルギーに満ち溢れた北川さんの詩を読むと力づけられる。(略)北川さんが歩く方向と毛利さんが歩く方向は、多分それほど離れてはいない。北川さんの詩と毛利さんの写真は、互いに干渉しないまま、同行しているように思える。本書は北川さんの詩集というより、毛利さんとの共作と呼ぶほうがいいのだろう。海峡から生まれたかけがえのない一冊だ。 A5判並製、192P 写真/装幀 毛利一枝 【著者プロフィール】 北川透( きたがわ・とおる) 山口県下関市在住。代表的な詩集に『遥かなる雨季』『溶ける、目覚まし時計』『海の古文書』『傳奇集』その他、評論など多数。 【写真】 毛利一枝( もうり・かずえ) 装幀家。『阿部謹也著作集』(筑摩書房)、『私の日本地図・全15巻』宮本常一(未來社)、『みんな忘れた』野見山暁治(平凡社)、『溶ける、目覚まし時計』北川透(思潮社) 他多数。『この世ランドの眺め』(『ぶらぶら歩いてこの世ランド』)その他多岐にわたる。村田喜代子エッセイと写真で連載。
-
山田航『さよならバグ・チルドレン』
¥1,540
たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく 現代歌人協会賞を受賞した山田航の第一歌集を新装版で復刊! 【収録歌より】 靴紐を結ぶべく身を屈めれば全ての場所がスタートライン ありつたけの奇跡集めて春の野にぶちまけたらやつと笑つてくれた カントリーマァムが入室料になる美術部室のぬるめのひざし 張りつめる水平線は彼方から彼方へつながれる糸電話 りすんみい 齧りついたきりそのままの青林檎まだきらきらの歯型 四六判変形/並製/120ページ 装幀 加藤賢策 【著者プロフィール】 山田航(やまだ・わたる) 1983年札幌生まれ。札幌在住。歌集に『さよならバグ・チルドレン』『水に沈む羊』『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』。編著に『桜前線開架宣言』、エッセイに『ことばおてだまジャグリング』。
-
水無田気流 詩集『FULL L(ふるえる)』
¥2,420
待望の第三詩集 うみわり草をつみにゆくのです おもちかえりの水圧 かかえて うみゆき道のはて にわかまち すいろ電車をめざしてゆきます そろそろ神離れが必要です 詩において人間の生が更新される。そのとき生じるものを抒情と呼ぶことは可能だろうか。私は可能だと考える。 (蜂飼耳「振動という基底に降りる」2022/6「現代詩手帖』より」 【目次】 count5:FULL LIFE 世界モニタ count4:FULL LOCKED FULL LOCKED(デグチナシ) 偽振動(ふるるるる) 太陽視覚 浮遊期 破線史 count3:FULL LENGTH FULL LENGTH(トーシンダイ) ソーラー・ブック増補改訂版 虚色(ソライロ)マーケット テイジョウヘイワノタメニ 幸福装置 count2:FULL LOADED FULL LOADED(ゲンカイ) 世界幻夜行 パンダ令 忘レ月 ソラナミダ・ソーダ 空層ガイド ボオフラ・ロード 文字スクイ count1:FULL L FULL L ヒゴオル 虚音(ソラミミ) 始点(カミバナレ) ニセモノガエリ まつりびとれいこんま 白絶(シロタヘ) 0 暴虐の春 カミワスレ 火凍り 動宴 はいぱーでみっく/いんなーりりっく(みにまむ) -1 ナギノハラ あとがき 初出一覧 四六判並製、176P 装幀/装画 外間隆史〔未明編集室〕 【著者プロフィール】 水無田気流(みなした・きりう) 1970 年、神奈川県生まれ。2003 年、第41 回現代詩手帖賞受賞。 2006 年、第1詩集『音速平和』(2005 年、思潮社)で第11 回中原中也賞受賞。 2008 年、第2詩集『Z境』(2008 年、思潮社)で第49 回晩翠賞受賞。
-
【サイン本】小谷実由『集めずにはいられない』
¥1,980
※ 著者直筆サイン本です。 収納は、まだギリいける。 “おみゆ”ことモデル・小谷実由による、2作目のエッセイ集。 モデル・ラジオ DJ・エッセイストとして活躍する著者の習性は「集めること」。そうして集まったTシャツ、ぬいぐるみ、猫の髭、ミンティアなど愛する物との日々を綴る、24篇の書き下ろしエッセイ。 ・・・・・・・ ふと、手に届くところにあるのが大事なんだ。 満足しないこの気持ちを、抱き集めた「モノ」が満たしてくれる。 それはきっと、自分を肯定してくれる"自分自身"だから。 ――ハマ・オカモト(OKAMOTO'S) ・・・・・・・ ○ 目次 はじめに 生涯Tシャツ/服の家出/特別な朝ごはん/愛おしいニット/気になるほくろ ピラティス/時間無制限自己 PR /デニムが相棒/ストック買いの才能 エブリタイムぬいぐるみ人生/初めてのダウンコート/ミンティアとリップクリーム 着かけの服、靴下の洗濯/ご自由にどうぞ/猫の髭発見! コーチと殿に支えられて生きている/収納、どうにかしないと/ What's in my bag/鏡の中の自分/お願いアクセサリー 赤い口紅/靴で保つ自信と自尊/本のこと/最初の好き蒐集倶楽部 大きさ:190x122x14mm / 184ページ 【小谷実由 プロフィール】 を始める。自分の好きなものを発信することが誰かの日々の小さなきっかけになることを願いながら、エッセイの執筆、ブランドとのコラボレーションな どにも取り組む。猫と純喫茶が好き。通称・おみゆ。著書に 『隙間時間』( ループ舎 ) がある。J-WAVE original Podcast 番組「おみゆの好き蒐集倶楽部」ナビゲーター。 Instagram: @omiyuno
-
佐久間裕美子『乳がんになってたくさんの天使と出会いながら自分は自分としてしか生きられないと改めて確認した旅の記録』
¥1,320
2024年7月、51歳になる直前、肩に背負おうとした大判のLLビーンのバッグが左胸に当たり、針で刺されたような、経験したことのないシャープな痛みを感じて立ちすくんだ。考えてみれば、もう何年も乳がんの検査をサボっていた。だから検査の結果が出るまで、進行を許してしまっただろうと考え、それに備えて瞑想した。長いこと検査をサボった割には、私のがんは奇跡的に早い段階で発見された。遺伝子検査を受けた結果、特に卵巣がんや乳がん(それも複数回の)になる可能性が劇的に高いBRCA1(ブラカと発音する)を持っていることがわかり、両胸の乳房を摘出することになった。この遺伝子の存在によって、私とがんの付き合いは当初思った以上に長く、複雑になったとも言えるけれど、同時に、まだ体力のある段階で先手を打てたこと、発見したタイミング、治療にかかったお金など、全体的に考えると(少なくともこれまでのところは)奇跡的にラッキーなことの連続だった。何より、この旅の最中、たくさんのサバイバーや天使に出会い、たくさんの知恵と勇気を与えられた。旅のところどころで、自分らしいミスを犯したり、そのたびに反省したり、それでも間違いを繰り返したりして、やっぱり自分は自分としてしか生きられないのだということを確認したりもした。がんの旅もまた自分を知り、自分を受け入れるプロセスだった。 私のがんのジャーニーは、アメリカが政治的に揺れ動き、これまでの体制を内側から破壊する一歩を踏み出そうとする最中に起きた。最初の手術は、2024年10月7日に執り行われ、その1ヶ月後に、第47代アメリカ大統領が決定した。莫大な金額の私の医療費の大半は、ニューヨーク州と保険会社が払ってくれた。近い将来なくなってしまう恩恵とはいえ、なぜ自分にはそれが与えられ、なぜ地球の反対では、人々が空爆から逃げ惑い、体の部位を失ったり、命を落としたりしているのか、どれだけ考えても理解できなかった。今も、理解できない。 この冊子は、乳がんの診断を受け、手術をして1ヶ月後にドレーンを取ってもらえるまでの期間、ニュースレターに配信していた日記を加筆・修正したもので、表紙のドローイングはコリー・ヘレバスト(Kory Hellebust)が、写真はジョディ・アサノ(Jody Asano)が提供してくれた。誤字脱字などもあると思うけれど、ご容赦いただけると幸いである。 210x147 mm / 44ページ
-
坂多瑩子詩集『おはようジャック&ベティ』
¥2,200
あなたは/ジャック・ジョーンズですか わたしはベティ・スミス/革靴をはいてます ずっと昔の昨日へ弾んでゆけ、詩よ。世界は擦れちがう破片の愛ばかり。 坂多瑩子新詩集。 装幀=稲川方人。 シーちゃんは家船っ子 川に落っこちた話ばかりするので 何してたのどうしたの わざと聞いて それでそれでと笑いころげる ええ者がええ者のまま生きていくのって 息苦しくてしかたがないよ わるもんいっぱいの映画はなんて痛快なのだろう なんちゃらかんちゃら風船みたいにかるくて 大きく深呼吸してごめんなんていわなくていい ズックのかたわれが流れていく だからなんなの ハウスボートやねん 影のように座っているシーちゃんがおいでよとあたしを呼んだ ひまとよ川の祭り うすく花火があがっている (「ひまとよ川」より) A5変形・並製/96頁
-
原太一 レストラン LIKE オーナーシェフ『うまっ』
¥2,750
多国籍料理店「LIKE」(東京・白金台)の歴代人気メニューのレシピと、「LIKE」の旗の下に集結した多数の執筆者により、料理+Something(何か)=「うまっ!」を探究し、まるごと味わうためのレシピ&エッセイ集。 フレンチビストロ「Bistro Rojiura」(渋谷区宇田川町)、モーニングからディナーまで行列の絶えない人気店「PATH」(代々木八幡)を手がける原太一が、2019年白金台にオープンしたのが、多国籍料理を提供するレストラン「LIKE」です。 店名の「LIKE」(〜のような)に象徴されるように、そこで提供される料理は、家庭的な料理から、中華やエスニック、フレンチなど、広くさまざまなジャンルの要素が混交され、アレンジが加えられたユニークなメニューです。味や食感を頭で理解するより早く、直観的に「うまっ!」と思わず口に出るような料理の数々。 そんな「LIKE」の定番メニューのレシピを34品掲載。原自身の思い出とともに綴られる日記のようでもあります。また、各界きっての表現者が「うまっ!」を探究したエッセイが20本。 読んで、見て、作って、食べて、大満足の一冊です。 ■執筆者 20 名 宮沢りえ/田根 剛/チョウ・ジェリー/ミヤギ フトシ/菊地成孔/操上和美/平林奈緒美/丸山智博/森田 剛/山野アンダーソン陽子/内田也哉子/金川晋吾/コナン・モカシン/飯豊まりえ/山口 亮/角田光代/エドストローム淑子/コムアイ/アオイヤマダ/平野紗季子 ■レシピ 34 品 蛤と青菜炒め/海老とライムの塩焼きそば/水餃子/ラクサのスープ/ラー油/自家製甘酒のスープとピーナッツ餡入り白玉スープ/ ゴーヤーとモロヘイヤの冷やし素麺/白キムチ/大根のピクルス/油淋鶏/大根とセロリのスープ/春菊と玉ねぎのサラダ/ワカモレ/ フムス/甜醤油/鶏胸肉の中国粥/花椒油・青山椒油/チコリ、梅、干し海老のサラダ/クコの実のヌガーグラッセ/麻婆豆腐/青 山椒イカそうめん/牡蠣醬/鶏ガラスープ/白菜と豆乳のスープ/明太子茶碗蒸し/インゲンの牡蠣醬炒め/ハムスイコー/真鯛のレ モングラス蒸籠蒸し/アロス・チャウファ/ゴビ・マンチュリアン/ラグマン/シェズワン・エッグプラント/ナツメのプリン/豆花 書籍情報 タイトル:うまっ 監修・レシピ:原太一(LIKE) 写真:池谷陸、原太一 デザイン:吉田昌平、田中有美(白い立体) 編集:川島拓人、遠藤慶太、藤井日向子(kontakt) 判型:A5判型(176×118mm)/162ページ/ソフトカバー
-
【サイン本予約】中前結花『ミシンは触らないの』
¥1,870
※ 著者直筆サイン本です。9/25頃発送予定です。 作家・山崎ナオコーラさん、絶賛!! デビュー作『好きよ、トウモロコシ。』が大反響の中前結花、待望の第2作。 不器用で不格好なわたしを"だいじょうぶ"にしてくれた言葉を集めたエッセイ集。 凸凹で傷つきやすい、やさしいあなたへ送る一冊。 <書籍概要> 出会ったばかりの人にもらったラブレター、母の涙とともにかけられた言葉で思い出す後悔、できないことばかりで苦しんだときに光をくれた友人の言葉。 読めばきっと、明日を生きる力が湧いてくる。持ち前のあたたかくやわらかかつユーモラスな筆致で「忘れられない言葉」をまとめたエッセイ集。 装丁は、話題作を多く手がけるブックデザイナー 名久井直子氏が担当。 装画:oyasmur 装丁:名久井直子 判型:B6判 ページ数:256ページ(予定) <目次> 排水口とラブレター 思え!!! 恋のバナナ ポニーテール 春のぽたぽた ロマンチックとレコーダー エイキ ミシンとオーブンレンジ 寒い国から 道 花束を君に 理想のひと 宝の山 父の作文 <著者プロフィール> 中前結花 兵庫県生まれ。2010年の上京以降、東京で活動。2017年、「ほぼ日」に掲載されたエッセイが話題となったことを機にさまざまなメディアでエッセイを書くようになり、糸井重里氏や麒麟の川島明氏ほか著名人からも注目を集める。会社員、フリーランスのライター等さまざまな働き方を経て作家に。2023年には初の単著『好きよ、トウモロコシ。』(hayaoki books)を刊行。目標は、強くてやさしい文章を書くこと。
-
さくらももこ『次郎にもきいてみた。ブツブツ問答集』
¥1,100
「勉強しないとダメですか?」「気楽でうらやましいよ」「いつか立派になれるよね?」 みんながモヤモヤする100の問いに、今度は次郎がブツブツ答えます。 さくらももこさんが大切に描いた『コジコジ』のエッセンスを凝縮したポケットブック『コジコジにきいてみた。モヤモヤ問答集』に続く第2弾。 ナンセンスギャグや、キャラクターたちのモヤモヤをシュールな目線で描く漫画『コジコジ』。コジコジのツッコミ役・半魚鳥の次郎は、カッコつけてもカッコつかない。面倒くさがりなのにやさしく、ツンデレ。そんな次郎の言葉はいつも等身大で親身なもの。次郎が口をツンととがらせブツブツ答えれば、何も解決しなくても、励まされた温かみがじんわりと残る、不思議な1冊です。 お笑いコンビ・シソンヌのほうの「じろう」さんからも、あったかいエッセー「コジコジと隣の席になる以前の次郎について考える」を寄稿いただきました。 ーーーーーー 文・絵:さくらももこ 文(質問):永岡綾 編集:永岡綾・奥山千尋(ブルーシープ) 装丁:有山達也(アリヤマデザインストア) 仕様:A6、並製、112ページ
-
『谷川俊太郎詩集 星たち』
¥1,980
SOLD OUT
宇宙の俊太郎さん、お元気ですか。 詩人・谷川俊太郎は20歳の時に詩集『二十億光年の孤独』を発表して以来、宇宙をテーマとした数多くの詩を私たちに届けてくれました。 本書は、星や宇宙をめぐる15篇の詩と、写真家・前康輔が撮り下ろした谷川さんの自邸の写真で綴った詩集です。 「二十億光年の孤独」「朝のリレー」といったおなじみの作品から、「ひとつのほし」「宇宙船ぺぺぺぺランと弱虫ロン」、そして最晩年の「感謝」までを収録。詩と詩の間に挿入された前康輔の写真は、主人が不在となった家の書斎や応接室をはじめ、公にされてこなかったスペースや、本棚、ノートやアルバムを捉えています。どこかに谷川さんの気配を感じながら詩を味わうことができる、特別な一冊です。 詩:谷川俊太郎 選:大どろぼう 写真:前康輔 編集:永岡綾 ブックデザイン:名久井直子 仕様:B6変型、上製、98ページ
-
文:梨木香歩、 絵:ゲオルグ・ハレンスレーベン『森のはずれの美術館の話』
¥2,200
「ひとが 絵と ふかく むすばれる ここには そういう ねがい が こめられている」 「人びとは 建築家の 結界のなかで 西洋のかけらたちと 出会う」 本書は、国立西洋美術館を題材とした2部構成の絵本です。作家の梨木香歩が文を紡ぎ、「リサとガスパール」シリーズでお馴染みの画家ゲオルグ・ハレンスレーベンが絵を手掛けました。 第1部は「電車に乗って美術館にきた ある母子の話」。美術館にきた男の子がお母さんとはぐれてしまうところから物語がはじまります。あひると印象的な瞳の女の子、謎めいた紳士に導かれ、やがて男の子は一枚の絵と出会います。 第2部「西洋美術館クロニクル」は、大人の読者に向けたエピローグとしてお楽しみいただける物語です。遥か東の国に、西洋絵画を展示する美術館が生まれるまでの歴史を、ファンタジーと現実が交錯する詩的な語り口で描きます。 数奇な運命を辿ってやってきたコレクションは、森のはずれの美術館で「西洋のかけら」としてきらめき、そこでは“東”と“西”が静かに見つめ合っています。そんな特別な場所で、人が絵と結ばれることの喜び、そして大切なものを見出すことの幸せを、二人の名手が静かな力強さで描き出しました。美術館で絵画と向き合う時間の豊かさを深く感じることのできる絵本です。 編集:永岡綾 装幀:名久井直子 写真:木村和平 協力:国立西洋美術館 仕様:B5変型、上製、50ページ
-
団地団『世界は団地でできている』
¥1,089
戦後の住宅インフラを支えてきた団地。日本においても、戦後すぐは先進的な生活の象徴として、現代では20世紀へのノスタルジーの対象として、70年以上にわたってあらゆる世代の人びとがこの集合住宅に想いを託してきた。そうした時代の流れは、団地が登場するフィクション=「団地作品」にも反映されている。 本書では15年にわたって団地作品について語るイベントを50回開催してきた集団=「団地団」が、団地作品の歴史を通覧。社会、風俗、家族、ジェンダー、創作などさまざまな観点から、戦後社会の変遷とフィクションの役割を考える。 【目次】 序章 団地の誕生 第一部 団地はなにを映してきたか? 第一章 団地映画の誕生と高度経済成長の終焉 1961年~ 第二章 社会のダークサイドの象徴として 1978年〜 第三章 団地ルネッサンスの夜明け 1994年〜 第四章 アフター『団地ともお』の世界線で 2003年~ コラム1 団地と「地霊」の物語 大山顕 第二部 団地はなにを作ってきたか? 第五章 団地と女の60年 コラム2 「団地」もまた物語を産み出す「場」――「侵入」と「脱出」 佐藤大 コラム3 漫画「団地で育ったヤバい私」 妹尾朝子 (うめ) 第六章 なぜ世界的映画監督は団地で映画を撮るのか 新書判/240ページ 【著者略歴】 団地団 (だんちだん) 団地トークユニット。2010年結成。写真家の大山顕、脚本家の佐藤大、ライター・編集者の速水健朗、ライター・編集者の稲田豊史、小説家の山内マリコ、漫画家の妹尾朝子(うめ)が中心メンバー。著書に『団地団 ベランダから見渡す映画論』(キネマ旬報社)。2025年3月12日から8月24日にかけて高島屋史料館TOKYO 4階展示室で「団地と映画―世界は団地でできている」を開催。
-
【サイン本】在本彌生『Lithuania,Lithuania,Lithuania! リトアニア リトアニア リトアニア!』
¥5,500
SOLD OUT
自然と自由を尊ぶリトアニア 風景、歴史、暮らしの断片をあつめた写真集 世界を旅する写真家・在本彌生が通い続ける小さな国、自然と自由を尊ぶリトアニア。美と記憶の断片を集め、心惹かれる日常の風景を収録。映像作家・ジョナス・メカスや音楽家であり画家のチュルリョーニスの足跡も辿り、非暴力で自由を勝ち得た国の土地の背景を感じます。小さな国の歩みと姿が、過去と今、他者と自分、世界とわたしを繋ぎ、生き方やあり方を問いかける一冊です。 在本彌生(ありもと やよい) 写真家。東京生まれ。 アリタリア-イタリア航空会社で客室乗務員として勤務するなかで写真と出合う。2003年に初個展を開催、2006年より写真家として本格的に活動を開始。世界各地の衣食住に根付いた美を求めて、手仕事・料理・服飾・デザイン・旅にまつわる雑誌や書籍で撮影を手掛ける。 写真集に『MAGICAL TRANSIT DAYS』(2005年/アートビートパブリッシャーズ)、『わたしの獣たち』(2015年/青幻舎)、撮影担当した共著に『熊を彫る人』、『CALICOのインド手仕事布案内』(小学館)、『中国手仕事紀行』(青幻舎)などがある。
-
『NEUTRAL COLORS別冊 ほんとの本の話をしよう』
¥3,850
NEUTRAL COLORSの別冊的な立ち位置の雑誌で、書店、デザイナー、リソスタジオ、出版社……24人の方々へのインタビューをまとめたもの。なぜ本をつくるのか、なぜ売るのか、ほんとの本の話をしよう、と題して、通常のインタビューではカットされるような本づくりの本音に迫る。綺麗に装飾された文字列ではなく、深夜に書きつける手書き文字のようなraw data、それはメッセージ。名古屋の書店ON READINGギャラリーで、11日間の滞在制作で編まれた。部数限定。 edition.nord│秋山 伸 C.I.P. │西山敦子 POST│中島佑介 コ本や│青柳菜摘/中島百合絵 港まちアートブックフェア│吉田有里/青田真也 torch press │網野奈央 YYY PRESS│米山菜津子 本と商い ある日、│高橋和也 平山みな美 IRREGULAR RHYTHM ASYLUM│成田圭祐 YOSHIKATSU 吉勝制作所│吉田勝信 人々舎│樋口 聡 BOOK STAND 若葉台│三田修平 日記屋 月日│内沼晋太郎/栗本凌太郎 三輪舎/生活綴方│中岡祐介 loneliness books │潟見 陽 中野活版印刷店│中野好雄 IACK│河野幸人 when press │岡田和奈佳 仲村健太郎 Rondade│佐久間磨 ATELIER│早水香織 Puresu de Tokyo│高田 光 ON READING│黒田義隆/黒田杏子 Pages: 224 Format: 257×188×122㎜ Bookmaking: Saddle Stitch Copies: 500 Language: Japanese Publication Year: 2024 Designer: Daisuke Kano Editor: Naonori Katoh
-
【トート付】『NEUTRAL COLORS 6 ニュー・カラー 6号』
¥3,300
※ オリジナル手刷りトートバッグ付(数に限りがあります。お早めに。) 特集: 滞在で感じたあの特別な時間はなんだ 第6号の特集は「滞在」。観光で立ち寄る場所でも移住でもなく、ある一定期間留まった時に起こる、静止したような時間と、偶然隣りあった人との関係性について思いを巡らせた。書店ON READINGに11日間滞在し雑誌をつくったとき、たまたま手伝いに来てくれた年齢もばらばらな人が、作業をしながら生い立ちや好きなことを自由に語り始める様子を見て、不思議な連帯感を感じた。なんて静かで特別な時間なんだろう。いまの世界から少し離れて留まることができる、戻ることを意識しながらも没頭している、ものをつくったり、なにもせずすごす時間から生まれる、自分にとっての特別な滞在なのだと。あの時間はもう戻ってこないけれど、目の前には紙の束が集積して存在している。だから私たちは何度もその時間に出会うことができる。滞在で生まれる特別な場所と時間に——。 長島有里枝/吉田勝信/デレク・ジャーマン/逆卷しとね/Reading Room & Nem Space/たけし文化センター/インド/札幌/ダブル手帳/新島龍彦(篠原紙工)&Wytze Forpma/奥誠之 ベトナム・ホーチミン/高知・土佐市/岐阜・美濃/オランダ・アムステルダム/メキシコ・オアハカ/パレスチナ・ドバイ 特別綴じ込み: 山形で採集したNC特別カラーを シルクスクリーンで刷った紙が中央に綴じ込まれています Pages: 276 Size: 257×182㎜ Format: Stapled Binding Copies: 6000 Language: Japanese, English Designer: Daisuke Kano
-
中川晃太編『詩的都市 POETIC CITY』
¥1,320
SOLD OUT
まちと暮らしについての6人の詩歌、散文、写真を編んだリトルプレス。詩を通じて、ままならない他者の視点に立つことを試みる一冊。 都市を考えることは、つまるところ他者を考えることだと思っています。まちとは他者の集まりである。ままならなさとともに暮らしている私たちだから、都市も本来たくさんの矛盾をはらんだものだと思う。その矛盾を矛盾のまま受け止めたい。そのために、純度の高い「他者の言葉」である詩歌を通して、切実な他者の視点に立とうとしてみたらどうか。(「まえがき 都市を詩的に考える」より) 中川晃太 編著 山本麻央、髙木里美、椋本湧也、杉田真理子、水野葵以 写真:中川晃太 装丁:中川晃太・福森愛 印刷製本:イニュニック 表紙:OKカイゼル白195K(マットPP加工) 本文:モンテシオン 70.5Kg 128mm x 182mm (B6 size), 92pages
-
中村桃子『桃花日和』
¥1,200
SOLD OUT
書くことをずっと続けてきて書くために日々をやっている大阪の物書きの初のエッセイです。 舞台や劇場がずっととても好きで、世界はさまざまな人が共演する劇場で、 人間って花なんちゃうかな。 そんなこと考える人間が 日々なんてことのない日常を人間を「私の言葉」で綴りました。 難しい世の中、SNS、考え方の違う人との共存、シンパシーとエンパシー、いえ、そんな難しいことは考えているけれど書いていません。 でも私は書くことで誰かと皆と「人間」「生きること」を考えたい。 ライター・構成作家として長年やってきましたが、ずっと出したかった本やZINEに関しては超初心者です。 是非お手に取って頂きたく、お読みいただきたいです。 よろしくお願い致します。 A6無線綴じ冊子印刷[252P(表紙4P/本文248P)]105mm×148mm 表紙:アラベール ホワイト 200kg 表1-4:モノクロ、表2-3:なし 本文:上質 90kg 本文:モノクロ ブックカバー 短辺 148mm × 長辺 376mm [用紙]上質 110kg [外面カラー]カラー/[中面カラー]なし PP貼り加工:マットPP[片面]
-
岡本仁(文・写真)『盛岡を想う。』
¥1,500
SOLD OUT
バスセンターの待合室。光原社の午後。シャンソンと喫茶店。 編集者・岡本仁が案内するロマンティックな街、盛岡。
-
早坂大輔『コーヒーを、もう一杯』
¥1,870
SOLD OUT
コロナ禍以降ほんとうにありがたいことに、たくさんの人が遠方からうちの店を目指してやってきてくれる。せっかく来たのだから盛岡という街を楽しんで帰ってもらいたいと思い、よそから来た人たちにおすすめの飲食店や、この街に点在するおすすめの喫茶店をいくつか教えるようにしているが、口が達者ではないのでうまくそれらの店の魅力を伝えられず、いつも歯痒い思いをしていた。 どうせならば何かわかりやすい形でそれらの店の魅力や雰囲気を伝えることはできないのだろうか。あるときそう考えて、ガイドブックともいえない、盛岡の喫茶店にまつわる一冊の本を作ることにした。 ぼくは喫茶店の主でもなく、コーヒーの大家でもなんでもないわけで、コーヒーの味や種類なんかについてはてんで詳しくないから、コーヒーについて何かを書くことは難しい。でも喫茶をする場についてだったら何か書くことができるかもしれない。なにしろぼくが住んでいる街には「喫茶店」と呼ばれる場所がたくさんあるのだ。 "雨ふりでも、晴れていても、それが人生のどんな時期であろうと、その場所は誰かにとってのシェルターになりうる。無理に肯定しなくとも、大事なことを伝えなくとも、お茶を飲み、少し言葉を交わすだけで、人はまたどしゃ降りの雨のなかを歩いていけるのだ。" (本文より) BOOKNERD店主が考える、喫茶店からはじまる盛岡という街のツーリズム。 お気に入りの喫茶店7店舗プラスαにまつわるエッセイ、巻末企画「WHAT ARE YOU DOING THIS WEEKEND AT MORIOKA?」、コーヒーブレイクに聴くべきレコードガイド「COFFEE BREAK:28HOURS」も併載。 (B6判・72ページ)
-
早坂大輔『本ばかり読んできたけれど。』
¥1,500
SOLD OUT
何かに急き立てられるように、今まで生きてきた人生の自戒を込めて、ここ数年はほんとうに本ばかり読んできた気がする。かつては自分の体を通りすぎてゆくだけだったそれは、成分や滋養、それに少しばかりの毒が自分のなかに蓄積され、 腹にたまっていくようになった。だがそれは、読み手としての成熟とはいかず、ただいたずらに読むことの年月を重ね、歳を取ったことと、子を授かり、 親としての生育の義務を与えられたことが関係している気がする。 (本文より) 『羊をめぐる冒険』『夕べの雲』『娘の学校』『惑う星』……。生活、戦争、子育て、夫婦、商い、社会、環境、地球。ブルーにこんがらがったまま放り投げられた、惑いながら牛のように進むブックエッセイ。 BOOKNERD店主による、書き下ろし9篇(新聞連載3篇含む)を収録した、読書と思索を行ったり来たりする、日記のように書かれた読書エッセイ。 B6判・48ページ
-
早坂大輔『いつも本ばかり読んでいるわけではないけれど。』
¥1,870
SOLD OUT
柳の下の二匹目のドジョウを狙う。 大ヒット作くどうれいんの『わたしを空腹にしないほうがいい』に続く出版物を作るということはつまりそういうことだ。 だから、いや、そうであるからこそ次が出せなかった。それは例えるならば最高のファーストアルバムを作ってしまったバンドの苦悩に似ているし、ルーキーが満塁ホームランを打ち上げた後にバッターボックスに入るベテラン打手の心境に近い。つまり、そういうわけで、次の出版物をリリースするのにおっかなびっくり三年もかかってしまった。 その間、のらりくらりと肩肘の張らない自分の好きなzineばかり作り、答えを出すことから逃げていた。そのうち、第二第三のくどうれいんから手紙と原稿が送られてくるようになった。だが、ぼくには彼らや彼女たちがくどうれいんのヒットという十字架を背負うこと、その彼や彼女の行く末を見届ける自信は正直なかった。 ある日、ぼんやりとしたイメージが浮かび上がった。そうだ、ぼくが自分の本を出せばいい。自分がプレッシャーを背負ってしまえば失敗しても誰かの出版物がコケるより楽ではないか。それで、その考えを早速実行に移すことに決めたらあとは早かった。ゲラが上がり、表紙が出来上がり、印刷製本のスケジュールが決まった。もう戻れない。もう引き返せない。本当にいいのか、お前。毎朝鏡に向かって語りかける。ああ、戻りたい。引き返したい。心のなかのもうひとりの弱気なぼくが呟く。 というわけで、当店の四周年記念プロダクト第二弾でもあり、BOOKNERDの出版部門として満を持して世に問う二冊目の本は、他ならぬぼくの本でした。ミーイズムの、自惚れの、独善の極致であります。 実に三年ぶりにようやくBOOKNERDの出版部門としてニ冊目の本をリリースします。とはいえ、手前味噌でお恥ずかしいのですが自分が書いた本です。 早坂大輔『いつも本ばかり読んでいるわけではないけれど。』を10月15日(金)に発売いたします。 2019年11月から2020年2月までのあいだBOOKNERDのオンライストアのお得意様向けに配信していた本にまつわるメールマガジンの文章9編と、新たに5編を書き下ろしたものを収録。デザインはいつも通り篠田綾香さんに。装画・挿絵は10月に当店で個展を予定している画家の坂巻弓華さんに依頼しました。ペーパーバックの小ぶりなサイズで68ページという短さですが、ギュッと濃い内容が詰まっています。サイン本でお届けします。 大きさ:106x178mm、65ページ