スタンダードブックストア
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私と世界をつなぐ、料理の旅路
¥2,420
SOLD OUT
『私と世界をつなぐ、料理の旅路』ー14人の「私が料理をする理由」 インセクツ 編 A5判、168ページ ポーランドのポンチキ、ポルトガルの鶏の炭火焼き、 モロッコのタジン鍋…… 世界の国々の料理やお菓子を手がけ、店やケータリングという形で向き合い続ける女性たち。彼女たちは、なぜその国の料理を手がけるようになったのだろうか? その軌跡を辿ってみると、純粋に料理が好きで料理人を目指したという人もいれば、惹かれた国を追いかけているうちに料理を始めたという人もいる。料理を通して自分のルーツに触れた人もいれば、どこか心の中に通ずるものを得た人もいる。 料理という行為は、多くの人にとって身近なものであるけれど、それは単に食事を作ることだけでなく、さまざまなことにつながっている。 思い出を反芻すること。知らない世界を覗くこと。科学者のように探究すること。受け継ぐこと……。 世界各国の料理に携わる14名の女性たちのエピソードを通した、食べるだけでない料理の姿と、そこから広がる人生の物語を収録。 <本書で紹介する14名> インド料理[vanam]落合亜希子さん インド料理[Samosa wala Timoke]北村朋子さん ベトナム料理[ベトナム料理研究所]ユキさん 台湾料理[小部屋莉婷子]りてこさん メキシコ料理[メシカ]山口恭子さん 世界のごはん[TABEBITO]石原理恵さん スウェーデンの郷土菓子[FIKAFABRIKEIN]小原愛さん ロシア・ジョージア料理[ハチャプリ]米田妙子さん ポーランドの郷土菓子[ポンチキヤ]坂元萌衣子さん イギリスの郷土菓子[UNDERGROUND BAKERY]手井梨恵さん ポルトガル料理[葡萄牙料理 ピリピリ]浦谷ゆりさん イタリア料理[Osteria La Cicerchia]連久美子さん イタリア郷土菓子[Litus]塩月紗織さん モロッコ料理[エンリケマルエコス]小川歩美さん 目次 002 はじめに 007 インド料理[Vanam] 落合亜希子さん【インドを巡る】 017 インド料理[Samosa wala Timoke] 北村朋子さん【インドを巡る】 029 ベトナム料理[ベトナム料理研究所] ユキさん【ベトナムに暮らす】 041 台湾料理[小部屋莉婷子] りてこさん【台湾を巡る】 051 メキシコ料理[メシカ] 山口恭子さん【メキシコを巡る】 061 世界のごはん[TABEBITO] 石原理恵さん【世界のあっちこっちを巡る】 071 スウェーデンの郷土菓子[FIKAFABRIKEIN] 小原愛さん【スウェーデンに暮らす】 079 ロシア・ジョージア料理[ハチャプリ] 米田妙子さん【ロシア・ジョージアを巡る】 089 ポーランドの郷土菓子[ポンチキヤ] 坂元萌衣子さん【ポーランドを巡る】 101 イギリスの郷土菓子[UNDERGROUND BAKERY] 手井梨恵さん【イギリスを巡る】 115 ポルトガル料理[葡萄牙料理 ピリピリ] 浦谷ゆりさん【ポルトガルを巡る】 127 イタリア料理[Osteria La Cicerchia] 連久美子さん【イタリアに暮らす】 139 イタリア郷土菓子[Litus] 塩月紗織さん【イタリアに暮らす】 149 モロッコ料理[エンリケマルエコス] 小川歩美さん【モロッコを巡る】 164 SHOP LIST 166 謝辞・参考文献
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【サイン本】勅使川原真衣『「能力」の生きづらさをほぐす』
¥2,200
※ 著者直筆サイン本です。 『「能力」の生きづらさをほぐす』 勅使川原真衣 磯野真穂 執筆伴走 四六判 縦188mm × 横128mm 264ページ 生きる力、リーダーシップ力、コミュ力… ◯◯力が、私たちを苦しめる。 職場や学校、家庭で抱えるモヤモヤを なかったことにしたくないすべての人へ ――――― 「『能力』にすがってしまうのは、 不確定な人生を少しでも確かだと思いたい、 私たち人間の弱さゆえなのでしょう」 執筆伴走 磯野真穂さん(人類学者) 「俺にケンカ売ってんの? 君いい度胸してるな」 前職の先輩 山口周さん(独立研究者・著作家) ――――― 組織の専門家が命をかけて探究した、他者と生きる知恵 現職では「優秀」、前職では「使えないやつ」現象はなぜ生まれるの? 移ろいがちな他人の評価が、生きづらさを生み出す能力社会。 その実態を教育社会学と組織開発の視点でときほぐし、 他者とより良く生きる方法を模索する。 「行きすぎた能力社会じゃ、幼い子どもを残して死にきれない!」 ガン闘病中の著者が贈る、まさかのストーリー。 ――ときは、2037年。急降下した 上司の評価で病める息子を救うため、 死んだはずの母さんがやってきた!? 執筆に伴走した、磯野真穂さん(人類学者)も言葉を寄せる。 目次 はじめに プロローグ 母さん、僕は仕事のできない、能力のないやつですか? 第1話 能力の乱高下 第2話 能力の化けの皮剝がし―教育社会学ことはじめ 第3話 不穏な「求める能力」―尖るのを止めた大学 第4話 能力の泥沼―誰も知らない本当の私 第5話 求ム、能力屋さん―人材開発業界の価値 第6話 爆売れ・リーダーシップ―「能力」が売れるカラクリ① 第7話 止まらぬ進化と深化―「能力」が売れるカラクリ② 第8話 問題はあなたのメンタル―能力開発の行き着く先 第9話 葛藤をなくさない―母から子へ エピローグ 母さん、ふつうでない私は幸せになれますか? 伴走者からの言葉 磯野真穂 おわりに 前書きなど はじめに 「どうしてうまくいかないんだろう......。これって、自分のせい?」 職場や学校などで物事がうまくいかないとき、原因を自分のダメさ加減に求めてしまう、まじめな私たち。言動はもちろん、考え方、習慣、果ては性格までが反省対象となる。でも、その一方で、「本当に自分だけが問題なの?」とモヤモヤすることはないですか? “目的に向かって活動する二人以上の人間の集まり”を「組織(チーム)」と捉える私は、組織開発の専門家です。企業はもちろん、病院、学校、スポーツチーム、時には親子や夫婦に寄り添いながら、人と人の関係性をより良くする方法を考え、実践しています。そのなかで、社会の「こうあるべき」という一見正しい要請が、個人を追い詰め、人と人との協働を阻む大きな要因となっていることに懸念を抱いてきました。 とりわけ、厄介なのが、本書が主に扱う「能力」と呼ばれるものです。ある特定の「能力」を持つことが正しく、それを獲得することが人を幸せや成功に導く― そんなふうに語られることの多いこと。冒頭に記したような不安や違和感を抱える人にすかさず、「そう、 あなたがダメなのは、『能力』が低いから。『〇〇力』があればうまくいく」と耳打ちするのです。そうして多くの人が、問題は「自分の能力」と信じて、日々悪戦苦闘を続けていく。しかし、華々しく活躍できるのは一握りで、移ろいがちな誰かの評価や、次々と登場しては消える「社会が求める能力」の要請に疲弊し、心の病を抱えてしまう人も珍しくありません。しかも、それらはすべて「自己責任」として片付けられるのです。 しかし、人と人がともに生きる場で生じる不安や違和感の多くは、他者との「関係性」の問題。うまくいかないのは、あなただけの問題でも、個人の「能力」の問題でもありません。 現場で経験を深めるなかで、「あなたには足りないものがある」と個人に欠乏を突きつけ、 不安を煽るような言説が年々影響力を増していくことに、大きな危惧を覚えるようになり ました。本書では、こうした「能力」を巡る生きづらさの構造をじっくりと解きほぐし、 その泥沼から抜け出す方法を模索しています。 私は今、幼い子どもたちを育てながら、ガン闘病を続けています。そんななかで思うの が、こんな息苦しい社会に子どもたちが生きていくとしたら、死んでも死にきれないとい うことです。そうした問題意識から書きはじめたこの本は、自然と子どもたちとの対話形 式になりました。 年後、大人になった子どもたちに向けた、「母さん」の教えなので、少々 うざったく感じるかもしれません。しかし、どんな場所でも、新しい環境で人との関係に 悩むとき、他者とともにより良く生きるためのエッセンスを詰め込んだつもりです。 それでは、母が子に贈る、ちょっと不思議な能力の話。はじまり、はじまり~。 版元から一言 「行きすぎた能力社会じゃ、幼い子どもを残して死にきれない!」 ガン闘病中の著者は、企業をはじめ、学校や病院、スポーツチーム、ときには家族に寄り添いながら、人と人とのより良い関係性づくりに尽力する組織開発の専門家。能力主義社会の広がりが、人間関係の息苦しさを生んでいると指摘します。本書の設定は、15年後。急降下した上司の評価で病める息子を救うため、あの世からやってきた著者(母)が、子どもたちと対話しながら“他者と生きる知恵”を示します。 勅使川原真衣(テシガワラマイ) 1982年横浜生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。BCG、ヘイ グループなど外資コンサルティングファーム勤務を経て独立。2017年に組織開発を専門とする、おのみず株式会社を設立し、企業はもちろん、病院、学校などの組織開発を支援する。二児の母。2020年から乳ガン闘病中。 磯野真穂(イソノマホ) 人類学者。専門は文化人類学、医療人類学。2010年早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学文化構想学部助教、国際医療福祉大学大学院准教授を経て2020年より独立。 著書に『なぜふつうに食べられないのか-―拒食と過食の文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界――「いのちの守り人」の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想――やせること、愛されること』(ちくまプリマ―新書)、『他者と生きる』(集英社新書)、共著に『急に具合が悪くなる』(晶文社)がある。本作では、著者の執筆に伴走し、言葉を寄せる。
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【サイン本】サイコロ012 あなたと同じ名前の木
¥880
同人誌『サイコロ012 あなたと同じ名前の木』 保光敏将/小田島檀/小沼宏之/世田谷ピンポンズ/タカダユウコ/林美樹/山川直人/鈴木裕人/文庫善哉/長田結花 ※山川さんのイラスト、サイン入りです。 A5判、88ページ 表紙装画 / 保光敏将 装釘 / 小沼宏之 [Gibbon] 発行 / サイコロ堂 もくじ 「海と鳥と」 保光敏将 05 「スリランカの紅茶」 小田島檀 18 「日々葉々 #02 散発」 小沼宏之 24 「品品円盤譚」 世田谷ピンポンズ 29 「ワタクシ的写真日記2」 タカダユウコ 35 「かりそめ」 林美樹 44 「傘の中」 山川直人 47 「名古屋の古本屋で」 鈴木裕人 64 「消える残る」 文庫善哉 70 「桑の実」 長田結花 75
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NEPENTHES in print #18
¥550
SOLD OUT
『NEPENTHES in print #18』"SOUTH2 WEST8 20th ANNIVERSARY ISSUE “ 304mm × 243mm 56ページ NEPENTHESが発行するバイリンガル雑誌『NEPENTHES in print』最新号は"SOUTH2 WEST8 20th。ANNIVERSARY ISSUE"と題し、ブランド誕生から20周年を迎える〈SOUTH2 WEST8〉を一冊まるごと大特集。 〈SOUTH2 WEST8〉20年の軌跡を辿る特集ページをはじめ、撮り下ろしファッションストーリーはスタイリスト片貝俊による札幌街編「REMIX」と、ベーシスト日向秀和をモデルに起用した旭川アウトドア編の二本立て。 さらに〈BEN MILLER〉をはじめとするアーティストへのインタビュー、札幌エリアとNEPENTHES新プロジェクト「花、太陽、雨」の拠点である美瑛、旭川エリアを紹介するシティガイドなど充実の内容となっています。 Contents 「NORTHWARD」Remixed by Shun Katakai 「20 years of SOUTH2 WEST8」 「SOUTH2 WEST8 x TACOMA FUJI RECORDS」20 year anniversary products 「NEPENTHES CITY GUIDE」Sapporo 「THE EXTREME」Interview by Hidekazu “Hinatch” HInata 「NEEDLES x AMARILLO」Interview by Airi Takahashi 「HANA, TAIYO, AME」A Project from Biei, Hokkaido 「NEPENTHES CITY GUIDE」Asahikawa 「ART IN FASHION」Interview by Ben Miller 「SOUTH2 WEST8 x SAKURAI」Interview by Masayuki Sakurai 「TENKARA SESSION」 「MY DAILY ESSENTIALS」
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新版 ECMの真実
¥4,180
『新版 ECMの真実』 稲岡邦彌 四六判、576ページ 1973年にECMがECMレーベルをまとっての国内プレス盤の発売以来50周年を迎える2023年。一度は発作に倒れた総師マンフレート・アイヒャーが不死鳥のように蘇り80歳を迎える。河出書房新社より2001年(初版)、2009年(増補改訂版)と刊行され、日本の音楽ファンに読み継がれてきた『ECMの真実』をさらに大幅に増補改訂した『新版 ECMの真実』。 1969年にマンフレート・アイヒャーによって設立されたECM(Edition of Contemporary Music)Recordsは、“沈黙に次ぐ最も美しい音(The Most Beautiful Sound Next to Silence)”をコンセプトに50余年にわたって今なお唯一無二の存在であり続けている。ドイツ・ミュンヘンで20代の若者が始めた小さなレーベルは、いかにして世界を牽引するレコード会社となったのか。本書はECMの初期10年間にレーベル・マネジャーとして尽力した著者による無類の歴史物語=ECMの真実であり、とりわけ日本とのかかわりがECMにとって強力な起爆剤となっていたことが克明に描き出される。マンフレート・アイヒャーを軸として浮かび上がる「ECMの軌跡」、さまざまな関係者の証言による「ECMの伝説」の2部構成。今回の「新版」では、ECMと深い関わりのある人物のインタヴューを多数追加し、また日本におけるECM受容の一端を示す資料を掲載する。約200ページ増の大ヴォリューム。現代音楽としてのジャズ、前衛音楽としてのクラシック、“沈黙に次ぐ最も美しい音”に迫る。 もともとは河出書房新社より2001年(初版)、2009年(増補改訂版)と刊行されてきた『ECMの真実』を、さらに大幅に増補(約200ページ増)し、装いを一新。ジャケ写を大量に掲載したり、本文を横組みにしたり、旧版と比べるとかなり印象が変わっています。 2019年に『ECM catalog(増補改訂版)』(東京キララ社)が出て話題になりましたが、「カタログ」ではECMの歴史的な部分をどうしても捉えきれず、それを補うのが本書になります。特に日本とのかかわりからECMの初期の歴史について書かれているのは本書が唯一となっております。 目次 まえがき 巻頭に寄せて(マンフレート・アイヒャー) 【第 Ⅰ 部 ECMの軌跡】 ●第1章 トーチを受けて 黎明期 1 リンダウ、ベルリン、ミュンヘン 2 マル・ウォルドロン 3 ディストリビューション 4 ポール・ブレイ 5 初プロデュース ●第2章 異端としての出発 1970年代 1 ヤン・ガルバレク 2 ヤン・エリック・コングスハウク 3 デイヴ・ホランド 4 チック・コリア 5 独占契約 6 アンソロジー 7 デイヴ・リーブマン 8 ジョン・アバークロンビー 9 キース・ジャレット 10 スタンダーズ ●第3章 新たな挑戦 1980年代 1 アート・アンサンブル・オブ・シカゴ 2 ジャック・ディジョネット 3 フォト・セッション 4 契約終了 5 コリン・ウォルコット 6 ドン・チェリー 7 ニュー・シリーズ 8 パット・メセニー ●第4章 メディアを超えて 1990年代 1 ECMと映画 2 『レインボー・ロータス』 ●第5章 創立40周年を迎えて 2000年以降 1 オスロの虹 2 ECMと日本(日本人) 3 ニュー・シリーズを総括する 4 創立40周年を迎えて 5 ECM——A Cultural Archaeologyと周年イベント 【第 Ⅱ 部 ECMの伝説】 ●第6章 証言 01トーマス・ストゥーヴサント/02ハンス・ヴェンデル/03スティーヴ・レイク/04リー・タウンゼント/05デイヴィッド・ベイカー/06カーラ・ブレイ/07中野雄/08鯉沼利成/09及川公生/10矢野泰三/11大江旅人/12福井亮司/13大村幸則/14五野洋/15丸茂正樹/16内藤忠行/17菅野沖彦/18オノ セイゲン/19原田和男/20佐々木吉彦/21斉藤嘉久/22海老根久夫/23多田雅範/24堀内宏公/25ヤン・ガルバレク/26デイヴ・ホランド/27キース・ジャレット/28ジャック・ディジョネット/29ゲイリー・バートン/30ラルフ・タウナー/31デイヴ・リーブマン/32ジョン・アバークロンビー/33リッチー・バイラーク/34トーマス・スタンコ/35エグベルト・ジスモンチ/36ミロスラフ・ヴィトウス/37ジョン・サーマン/38ディノ・サルーシ/39アルヴォ・ペルト/40小曽根真/41キム・カシュカシャン/42ハイナー・ゲベルス/43マルクス・シュトックハウゼン/44チャールス・ロイド/45ドロシー・ダー/46ギヤ・カンチェーリ/47ケティル・ビヨルンスタ/48レーナ・ヴィッレマルク/49ヘルベルト・ヘンク/50ヨン・バルケ/51アリルド・アンデルセン/52スタンリー・カウエル/53スティーヴ・キューン/54トム・ファン・デア・ゲルト/55シュテファン・ミクス/56ポール・ブレイ/57マリリン・クリスペル/58ビル・フリゼール/59加古隆/60エンリコ・ラヴァ/61ステファーノ・ボラーニ/62ニック・ベルチュ/63ジョルジュ・グルンツ/64タイガー大越 ●第7章 対話 01 マンフレート・アイヒャー 02 スティーヴ・レイク 03 ロベルト・マゾッティ 04 サン・チョン 05 ポール・ブレイ 06 ヴァネッサ・ブレイ 07 アリルド・アンデルセン 08 キース・ジャレット 09 トーマス・モーガン 10 マティアス・アイク 11 ヤコブ・ブロ 12 イーサン・アイヴァーソン 13 菊地雅章 14 福盛進也 15 田中鮎美 16 デュオ・ガッザーナ 17 J.A.ファーバーとJ.E.コングスハウクを継ぐエンジニアたち ●第8章 エッセイ広告 詩誌『ユリイカ』と『カイエ』の裏表紙に連載した30本のエッセイのアーカイヴ あとがき 索引 稲岡邦彌(いなおかくにや) 1943年伊丹市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1973年、トリオ・ケンウッド時代に独ECMとライセンス契約を交わし、以来10年間、レーベル・マネジャーとしてECMの市場開発に尽力する。その間、洋楽部長、制作部長を歴任。2004年、web-magazine「JazzTokyo」を共同創刊、編集長に就任。音楽プロデューサーとして1998年、ジャズ・レーベル Transheartを設立、菊地雅章、ポール・ブレイ、リッチー・バイラークなどのアルバムを、2020年、King International内にNadja21レーベルを創設、中牟礼貞則&三吉功郎、渋谷毅&仲野麻紀などのCDをそれぞれ制作。共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)、編著にCD-ROM/BOOK『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)『増補改訂版 ECM Catalog』(東京キララ社)がある。
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IMPERFECT UTOPIA
¥7,800
SOLD OUT
『IMPERFECT UTOPIA』 Toru Morimoto & Tina Bagué ※ナンバーは写真のものと異なります。 228mm × 228mm 168ページ カラーとモノクロ計80カット 400部、ナンバー入り 「IMPERFECT UTOPIA」は二人による、コンテンポラリー・ドキュメンタリー写真を通して日本の離島の日常を表現するための写真プロジェクトです。 離島の日常を写真から読み取れるように文化人類学的アプローチをとり、離島の風習、文化、伝統、祭礼、コミュニティーを形成する個人、家族、集団、そして、これらの離島で独特な生活を生み出す経済とその生存形態をフイルムに収めました。 同時に、離島にある日常の美しさと、大都市から遠く離れ、海に囲まれ、世の中の流れからある程度離れ、日本人自身にも度々忘れ去られるような独特の場所だからこそ存在するディテールをカメラでとらえました。 日本は島国であるにもかかわらず、人口のほとんどが住む本土のライフスタイルは大陸的です。自身も自分たちが島民だという意識はありません。しかし、離島に住む人々は自分を島民だと認識し、自らを島民と呼びます。私たちは、日本の離島にユートピアがあるかもしれないと考えました。 私たちは、6年間(2014-2019)を費やし、海に浮かぶ60島以上の離島を撮影しました。その旅は困難であると同時に素晴らしいものでした。私たちがこのプロジェクトを通して感じたことは、離島の島人は本土の人たちよりも寡黙で、恥を知り、寛大でした。それは、一昔前の日本人を見ているようでした。そして彼らの住む離島には、本土では消え去った洗練されていない無垢の美がありました。私たちは、日本を島国として見ることができ、日本人を島人として見ることができました。 最終的にこの旅を通してユートピアを見つけることはできませんでしたが、家に帰り着き、ライトテーブルに置かれたフィルムのネガを見ていると、そこにはユートピアに近いモノを見ることができました。それが私たちが「IMPERFECT UTOPIA(不完全なるユートピア)」と呼ぶモノです。 この長期間プロジェクトを行なっていた時、二人はスペインに住んでいたので、年に1、2回日本を訪れ、約60の離島を撮影するのに6年間(2014-2019)費やしました。このため、この写真集はクラウドファンディングによる支援で作られています。 また、このプロジェクトでは中判フィルムカメラのみを使っています。のんびりとした離島の風景や人々を撮影するには、アナログカメラの方が合っていると思ったからだそうです。そして、全てのフィルムは、コダック・アラリス・ジャパンから提供を受け、東京の堀内カラーに全てのフィルムの現像を特別価格で引き受けていただいたそうです。
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【サイン本】狭山 HYDE PARK STORY 1971~2023
¥2,200
『狭山 HYDE PARK STORY 1971~2023』 麻田浩 監修 ※麻田浩さんのサイン入りです。 A5判 縦148mm × 横210mm 96ページ かつて狭山市と入間市にまたがって陸軍航空士官学校があった。戦後間もなく米軍に接収され「ジョンソン基地」となり、現在の稲荷山公園は「ハイドパーク」と呼ばれる米軍将校の住宅エリアだった。1970年代には周辺の米軍向けの住宅(米軍ハウス)へ、アメリカ文化に憧れる多くの日本人の若者たちが移り住み、「狭山アメリカ村」は日本の音楽史において重要な地となった― 本書監修の麻田浩氏の呼びかけにより、23年4月29日、30日に17年ぶりに開催される「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2023」を記念し、日本の音楽シーンを圧倒したデザイン集団workshop MU!! (眞鍋立彦、中山泰、奥村靫正)、ミュージシャンの小坂忠、細野晴臣、麻田浩たちがここに暮らし、活動した貴重な写真とエピソード、ハイドパーク周辺の当時のスナップ写真を交え、70年代の記憶を伝えるフォトブックとして刊行。 僕はハイドパークに程近い、米軍ハウスに引っ越した。そこはジェームス・テイラーのアルバムのような、アメリカのカントリーのような、雰囲気が感じられた ー 麻田浩(本書監修) 狭山にいた2年間。ぼくにとってあの2年間がとっても大事な日々だったのはたしかです。 狭山は当時のぼくにとって”夢のような場所”だった。 アメリカの音楽を聴いて育ってきて、ぼくたちの世代はそれに大きな影響を受けた ― 細野晴臣(HMF2005 記者会見より) 【写真】 野上眞宏、TORA MUSIC、Kinos、高橋写真館、Nick’s、Jeffrey Shellito 【写真掲載】 麻田浩/ workshop MU !! / 眞鍋立彦/ 中山泰/ 奥村靫正/ 小坂忠/ 高叡華/ 細野晴臣/ はっぴいえんど(細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂)/ 野上眞宏/ 松本洋子/ ジョンソン基地/ ハイドパーク/ 狭山アメリカ村/ 2005年ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル風景ほか 【コラム】 「Hyde Park Story 」麻田浩 「A Boomer's Story … 」眞鍋立彦 「アメリカ村の思い出」 トラミュージック 小坂叡華(高叡華) 「1971年頃 狭山アメリカ村」 野上眞宏/ 【装丁デザイン】眞鍋立彦(workshop MU!!) 【本文デザイン】津田充
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差異と重複
¥3,200
SOLD OUT
『差異と重複』 柿内正午 A5判 780ページ・二段組 並走する二つの日記。 停滞と変容の諸相。 どうでもよくない、代わり映えしない毎日。 2021年と2022年の日記が並走する大きな日記の本。 図体ばかりデカくて内容の大したことなさはいつもどおり。 大したことない日々は、どうでもよくはないのです。 「自分の日記を読み返しているうちに、もっと書かなくちゃなという気持ちが湧いてくる。この頃の僕は書けない読めないとぼやきつつもなんだかんだ結構読んでいるし書いているのだ。今の僕の方がずっと読めていないし書けていない。この数週間も、後で読み返すときには結構読めてるし書けてるじゃん、と感じるのだろうか。今回ばかりは、そうでもない気がするんだよなあ。というこれもまた、毎回思っていることなのだけど。一日として同じ日はない、というあまりに当然のことすらなんだか忘れてしまうようで、日記を読み返すと、確かに全部ちがう日だなあということと、とはいえ同じような日ばかりだということがよくわかる。同じようなことの繰り返しでも全く同じということはなく、その微妙な差異が積もり積もっていつのまにか見知らぬところにまで辿り着いていたりもするのだ。」(本文より) 巻末にこの日記の期間に読まれていた本を月ごとにまとめたリストに加え、拾い読みした本、読みかけの本、更には、図書館で借りて途中でやめたり結局開かれないままだったりした膨大な本のリストも掲載さrえています。
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じたばたするもの
¥1,980
『じたばたするもの』 大阿久佳乃 四六判変、176ページ 装丁:納谷衣美 《私の好きな小説の主人公に共通しているのは欺瞞やごまかし、半端な妥協に溢れているにもかかわらず平気な顔をして回り続ける世界への苛立ちを持っていることだ。苛立つのはそれが変わるのをどこかであきらめきれていないからだ。そしてこの間違った回り方をしている世界に馴染むまいとし、じたばたする》 ——本書より ソール・ベロー、スタインベックから、トニ・モリスン、アドリエンヌ・リッチまで。現代作家の小説や詩から、北米先住民の口承文学まで。J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の主人公ホールデンに自分を重ねる大学生で文筆家の著者が、アメリカ文学・海外文学を読みながら、《生活すること・生きること・感じること》について綴った18編のエッセイを収録。 各エッセイの末尾には、読書案内として、本書で紹介したアメリカ文学・海外文学などの本の情報を掲載しています。 目次 はじめに 情けない人々 ——ソール・ベロー『この日をつかめ』 鮮やかな乾き ——スタインベック『赤い小馬』 私たちの引っ越し ——リンドグレーン『ロッタちゃんのひっこし』 帰る場所を求めて ——セアドー・レトキーの詩 ホールデン・コールフィールドに捧ぐ ——J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』 最近読んだものの周りうろうろしつつ東京に一人暮らししてる友人に向けて ——マーシャ・ノーマン『おやすみ、母さん』 他人という「気」 ——ウィリアム・サローヤン『人間喜劇』 離れる ——パヴェーゼ『月と篝火』 鏡 ——カーソン・マッカラーズ『結婚式のメンバー』 まだ消えていない炎のこと ——カーソン・マッカラーズ『心は孤独な狩人』 一人の中の多数の人間 ——マリオ・バルガス=リョサ『ケルト人の夢』 「もの」そのものへ ——W・C・ウィリアムズの詩 ぶらつく詩人 ——フランク・オハラの詩 孤独と優しさ ——エリザベス・ビショップの詩 それがこれです ——ガートルード・スタインの「自伝」 根を求める ——金関寿夫『アメリカ・インディアンの詩』 (私たちの)願いのこと ——トニ・モリスン『青い眼がほしい』 親愛なる私(たち)へ ——アドリエンヌ・リッチの詩 おわりに
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広告 Vol.417 特集:文化
¥1,000
SOLD OUT
『広告』 Vol.417 特集:文化 文庫サイズ、1,100ページ 価値や意味を共有するインフラであると同時に、知的、美的な精神活動でもある「文化」。その概念の曖昧さと複雑さを受けとめたうえで、風土や言語、宗教や芸術、伝統や権威、経済や政治など「文化」をとりまく概念や事象をとおして、「いいものをつくる、とは何か?」を思索する様々な視点を投げかけます。 今回の表紙は、1冊1冊色味が異なる「赤」のグラデーションです。人類が最初に使用した色とも言われる「赤」をシンボルカラーとして、シルクスクリーン印刷の技法で、様々な赤を組み合わせながら職人が手作業で刷り上げました。 この装丁で表現したかったのは「同質のなかの差異/差異のなかの同質」です。ぜひ書店などで複数の実物を見比べてください。シルクスクリーンならではの発色も美しいです。 目次 文化 アンケートご協力のお願い 108 文化とculture 社会学者 吉見俊哉 × 『広告』編集長 小野直紀 文:山本 ぽてと 109 ドイツにおける「文化(Kultur)」概念の成立とその変質 文:小野 清美 110 文化と文明のあいだ 文:緒方 壽人 111 まじめな遊び、ふざけた遊び 文:松永 伸司 112 建築畑を耕す 文:大野 友資 113 断片化の時代の文学 構成・文:勝田 悠紀 114 現代における「教養」の危機と行方 哲学者 千葉雅也 × 『ファスト教養』著者 レジー 文:レジー 115 ポップミュージックにおける「交配と捕食のサイクル」 文:照沼 健太 116 カルチャー誌の過去と現在 文:ばるぼら 117 「文化のインフラ」としてのミニシアターが向かう先 構成・文:黒柳 勝喜 118 激動する社会とマンガ表現 文:嘉島 唯/編集協力:村山 佳奈女 119 中国コンテンツをとりまく規制と創造の現場 文:峰岸 宏行 120 SNS以降のサブカルチャーと政治 文:TVOD 121 開かれた時代の「閉じた文化の意義」 哲学者 東浩紀 インタビュー 聞き手・文:須賀原 みち 122 文化を育む「よい観客」とは 文:猪谷 誠一 123 同人女の生態と特質 漫画家 真田つづる インタビュー 聞き手・文:山本 友理 124 ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか 社会学者 田島悠来 × 批評家 矢野利裕 構成・文:鈴木 絵美里 125 ディズニーの歴史から考える「ビジネス」と「クリエイティビティ」 文:西田 宗千佳 126 ラグジュアリーブランドの「文化戦略」のいま 文:中野 香織 127 成金と文化支援 日本文化を支えてきた「清貧の思想」 文:山内 宏泰 128 経済立国シンガポールの文化事情 文:うにうに 129 流行の歴史とその功罪 文:高島 知子 130 広告業界はなぜカタカナが好きなのか 「いいもの」は未知との遭遇から生まれる 文:河尻 亨一 131 クリエイティブマインドを惹きつけるアップル文化の核心 文:林 信行 132 未知なる知を生み出す「反集中」 文:西村 勇哉 133 「ことば」が「文化」になるとき 言語学者 金田一秀穂 × 『広辞苑』編集者 平木靖成 聞き手・文:小笠原 健 134 風景から感じる色と文化 文:三木 学 135 「共時間(コンテンポラリー)」とコモンズ ミュージアムの脱植民地化運動とユニバーサリズムの暴力 文:小森 真樹 136 京都の文化的権威は、いかに創られたか 構成・文:杉本 恭子 137 生きた地域文化の継承とは 3つの現場から見えたもの 構成・文:甲斐 かおり 138 ふつうの暮らしと、確かにそこにある私の違和感 文:塩谷 舞 139 過渡期にあるプラスチックと生活 なぜ、紙ストローは嫌われるのか? 構成・文:神吉 弘邦 140 文化的な道具としての法の可能性 文:水野 祐 141 「日本の文化度は低いのか?」に答えるために 構成・文:清水 康介 142 イメージは考える 文化の自己目的性について 文:中島 智
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ex-dreams もうひとつのミッドセンチュリーアーキテクチャ
¥5,280
『ex-dreams もうひとつのミッドセンチュリーアーキテクチャ』 編集・企画 : 福島加津也、冨永祥子、佐脇礼二郎 寄稿・インタビュー : 権藤智之、ロイド・カーン、 ビクター・ニューラブ、セン・クアン、塚本由晴 A4 判変形 300mm × 216mm 272ページ 日英併記 | コデックス装 デザイン : 米山菜津子 Holz Bauから3年。ガデン出版の第2弾は、最も新しい建築素材であるアルミニウムに着目してアメリカ建築をリサーチした。アルミニウムを活用した住宅や高層 ビルから徐々にアルミニウムの未来的イメージが独り歩きして、やがてグーギー建築と呼ばれるロードサイドのダイナーへ、さらにはポストモダン建築へと発展して いく。モダンからポストモダンへの転換期にあたる19のアメリカ建築と4つの日本の事例を、写真と図面、イラスト、漫画によって紹介する。 こうした多様な建築の理解を深めるため、論考やインタビューも含まれている。建築生産、建築構法が専門の東京大学の権藤智之による論考。『シェルター』の著者であり『ホール・アース・カタログ』の編集者でもあったロイド・カーンへのインタ ビュー。グーギー建築を代表する建築家アーメー・デイビズの現在のパートナーであるビクター・ニューラブへのインタビュー。建築史が専門の東京大学、ハーバー ド大学のセン・クアンとの座談。建築家の塚本由晴との座談。さまざまな人との対話を通して、この捉えづらい建築に迫ろうとしている。 《目次》 002 はじめに アルミニウム 016 書籍「アルミニウム・イン・モダン・アーキテクチャー」再録 企業の夢 034 フェアフィールド・ゴールデン・ドーム 040 カワニール社工場事務棟 044 アルコア・ケアフリー・ホーム 052 レイノルズ・メタル社デトロイト支社 060 アルコア本社ビル 064 マニュファクチャーズ・トラスト・ビル 個人の夢 074 グロスマン邸 082 シュールマン邸 090 ダイマキシオン・ハウス 094 大智寺本堂 098 ソリッドとサーフェス 権藤智之 プラスチック 112 レイナー・バンハムの愛したオルトモダン 冨永祥子 120 フトゥロ 124 セキスイハウス A 型 128 ロイド・カーンと ex-dreams の時代 ロイド・カーン × 福島加津也、冨永祥子、佐脇礼二郎 グーギー 144 雑誌記事「グーギーアーキテクチャ」 再録 150 ノームズ・ラ・シエネガ店 154 パンズ・コーヒーショップ 160 ユニオン 76 ガソリンスタンド 164 ダウニーのマクドナルド 170 ハングリータイガー保土ヶ谷店 174 近代の理想を実現すること ビクター・ニューラブ × 福島加津也、冨永祥子、佐脇礼二郎 オルトモダン 184 ガルシア邸 196 フィッシャー邸 200 アイクラー・ホーム 208 エシェリック邸 218 母の家 リフレクション 234 近代の理想の実現 セン・クアン × 福島加津也、冨永祥子、佐脇礼二郎 246 あり得たかもしれない建築について 塚本由晴 × 福島加津也、冨永祥子、佐脇礼二郎 260 夢のシルエット 福島加津也
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【サイン本】大森克己『Very Special Love』
¥7,150
『Very Special Love』 大森克己 ※サイン入りです。 ※中に『SNOOZER』と文芸誌『リトルモア』の創刊前の両面注文書が挟まってます。 A4変型、188ページ デザイン:平野文子 「超特別の愛」だって生きてりゃある日、やって来ることだってあるさ。 チェルノブイリ、マニラ、東京。世界各地を巡り写しだされた作品には、ドキュメンタリーというレベルを突き抜けたところで大笑いしている「写真的爽快さ」がある。 ファッション誌や音楽誌等で活躍中の大森克己は、キヤノン写真新世紀展のロバート・フランク賞、飯沢耕太郎賞を受賞。
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奥山由之『Girl』
¥3,850
SOLD OUT
『Girl』 奥山由之 220mm × 290mm 上製 80ページ デザイン:尾原史和 発売日:2019年9月14日 印刷・製本:太陽印刷工業 色や音、匂い、温度。安らぎと焦りと。乾き、悲しみ。光と陰。 心の浮遊。気持ちの揺らぎ。 どこまでも続く、緩やかな憂鬱。 思い出せるけど見えない、記憶の記録。 確か、こんな感じだった。 ー奥山由之
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We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers|山元彩香
¥7,480
SOLD OUT
『We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers』 山元彩香 ※写真を撮るために開封しています。 226mm x 290mm 96ページ 上製本 デザイン:森大志郎 自然光の差し込む静閑な画面のなかに佇む少女たちのポートレートで知られる山元は、それらの写真表現において、被写体個人が日頃纏っている仮面の下に覆い隠された器としての人間の普遍的な姿へと関心を寄せています。2009年のエストニアでの制作以降、言語による意思疎通が難しい異国の地を訪れては、被写体や衣装、撮影場所を現地で見繕い、言葉を交えず身体的感覚によるコミュニケーションを通じて制作を行うという独自のプロセスを取り入れてきました。一定のトーンを放つ山元の作品からは想像し難いほどに多層的に練り込まれたその写真行為は、積み重ね行われることにより、少女たちがみせる無意識の断片の集積として結実しています。 本書『We are made of Grass, Soil, Trees, and Flowers(人は土と木と草と花でできている)』は、2018年に発表した前作のタイトルに「Flowers(花)」という単語を付足しており、これまでの制作における作品概念の存続の意を表しています。 山元は東欧諸国を撮影してきましたが、それと平行してアフリカ・マラウイでの撮影や日本では北海道や沖縄で撮影も進めてきました。訪れた土地やそこに住まう人々が内包する文化、習慣、信仰などの蓄積された帰属意識が包括的に受け入れられ制作に落とし込まれています。これまでの制作の延長線上として、より親密な視点へと膨らみをみせる本作からは、自然のやわらかな光と現前する被写体の無意識な姿とが交差するその瞬間に魅せられた作家の静かな興奮が伝わります。 人間の属性を取り払ってでもなお身体にかろうじて残り続ける何者か、その人をその人たらしめるものが何なのか探り続けてきた。それぞれが持つ特性や個性はもちろん尊いものだと受け入れつつ、踏みしめる土の下に潜ってゆくと、あらゆる境界を超越し、人間の記憶の起源を辿るかのように繋がる根のようなものが存在していないか。 - 山元彩香、2021年8月- 山元彩香(やまもとあやか) 1983年神戸市生まれ。2006年に京都精華大学芸術学部造形学科洋画コースを卒業。大学では最初、絵画を専攻するが、次第に自身の身体を使ったパフォーマンス作品や映像作品の制作に移行し、2004年のサンフランシスコへの留学を機に写真の制作を始める。言語によるコミュニケーションが難しい状況のなかでの撮影は、写真というメディアが本質的に抱える性質以上に他者との様々な接点を作家にもたらし、以降、暴力的でありながらも極めて魅力的なイメージ生成の場と言えるポートレートの撮影を続ける。「自分の瞼に蓄積されたイメージでは想像しえない、既知の言葉や知識が通用しない場所」を撮影地に選び、2009年のフィンランド、エストニアでの撮影を皮切りに、エストニア(2010年)、ラトビア(2011、12、14年)、フランス(2012、13年)、ロシア(2014年)、ウクライナ(2015年)、ブルガリア(2016年)、ルーマニア(2017年)、ベラルーシ(2018年)、マラウイ(2019年)と各地で撮影を行ってきた。2021年11月に「新進作家展 vol.18」東京都写真美術館(東京、2021年)へ参加予定。2019年には、写真集『We are Made of Grass, Soil, and Trees』(T&M Projects刊)において第19回相模原市総合写真祭フォトシティさがみはら さがみはら写真新人奨励賞を受賞。清里フォトアートミュージアム(山梨県)、Villa Pérochon Centre d’Art Contemporain Photographique(二オール、フランス)に作品が収蔵されている。
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【サイン本】Japan: Footprints in Time 1997-2010
¥3,960
『Japan: Footprints in Time 1997-2010』 トム・フィンク Tom Finke ※サイン入りです。 A4変型、72ページ 作品点数:65点 発行部数:600部 編集発行人:大田通貴 装幀:加藤勝也 人間のつかの間の表情、それぞれのスペースで常に動きのある体やアングルの配置の観察、 また無意識のジェスチャーや計算されたポーズに写真家として主なる興味を見いだす。 私たちは日常茶飯、故意にあるいは不本意にシグナルを交わしあう。 私の写真はある意味で、私たちが常に行っているコミュニケーションの慣習的行為の単なる一部であるだけなのかもしれない。 (あとがきより) トム・フィンク(Tom Finke) 1950年アメリカオハイオ州生まれ。
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【サイン本】America: Footprints in Time 1982-2012
¥3,960
『America: Footprints in Time 1982-2012』 トム・フィンク Tom Finke ※サイン入りです。 A4変型、80ページ 作品点数:73点 発行部数:600部 編集発行人:大田通貴 装幀:加藤勝也 私はオハイオ州の南西の町で生まれ、その後この国のあらゆる州を訪ね、色々な土地で生活してきた。 その多種多様な土地に足を踏み入れ、私がふるさとと呼ぶこの大国を反映する土地や人々の写真を撮り続ける。 (略)自分の目にするものを妨げず、そのものと一緒に流れて行くような姿勢、 自分が知覚するものをカメラで記録し、現像された写真の中に、 シャッターを切った瞬時に見過ごしていたものを新たに発見することも深い喜びとなる。 (あとがきより) トム・フィンク(Tom Finke) 1950年アメリカオハイオ州生まれ。
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LE PETIT VOYEUR 7
¥18,800
『LE PETIT VOYEUR 7』 ※未開封、トートバッグ付です。 240mm x 340mm 356ページ 2021年 2,000部限定 表紙写真:HONEY LONG & PRUE STENT 裏表紙:FUTURA デンマーク発、アートと写真を紹介するインディペンデント誌です。 毎号限定部数で発行されており、ここ最近は2、3年に1回の2,000部の発行です。 参加アーティスト Antwan Horfee、Ces、Christian Lemmerz、Daniel Rich、Davide Padovan、Dennis Swiatkowski、Futura、Geoff McFetridge、Helice Wen、Henriette Sabroe Ebbesen、Honey Long & Prue Stent、Jason Revok、Jean-Pierre Roy、Jean-Vincent Simonet、Julien Colombier、Kenichi Hoshine、Lin Zhipeng (aka 223)、Marguerite Bornhauser、Martin Parr、Pelle Cass、Sainer、SWET、Tali Lennox、Tania Franco Klein、Viviane Sassen
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これがおばけの考えです 貝がら千話選集
¥1,980
SOLD OUT
『これがおばけの考えです 貝がら千話選集』 モノ・ホーミー B6変型判 縦160mm × 横123mm 244ページ コデックス装 一夜一話の絵と物語。夜眠る前に読みたい、不思議なお話集です。 開きやすいコデックス装、やさしい藍色の文字など、ベッドに入って読みやすい工夫をしました。眠りにつく前、スマホを閉じて、物語の世界に入り込む、そんなひとときをゆっくりと味わってみてください。 前書きなど 貝がら千話は一夜一話の絵と物語です。はじめに絵を描き、つぎに物語を書くという方法で、一日にひとつ千日間にわたって制作しました。 この本は貝がら千話から、夜眠る前に読みたいお話を集めました。眠れない夜、眠りたくない夜に、ゆっくりとたのしんで下さい。 目次 あなたの種、売ります 風景のなかの人々 猫を揉む話 気のいい少年 物になるゲーム パブリックディスクロージャー 美酒の村 灯台の一日 遊びの薬 教会さん 山のおばけ しろくまさんとのうさぎさん 真っ暗な小屋で ピンク色した変なもの 物見遊山 クモとカマキリと男と猫 ごろつきの仕事 いちばん小さな子ども とてもかわいい利口な犬 庭のある島 本を読む 天使譲ります 猫もいないのに! 妖怪さん、お帰り下さい 家出したカカシの話 夜の天使たち 何やら楽しげなご一行様 卵と⿃ 王様と女王様の街 ぴかぴかの朝 星の骨 わんころとうさぎちゃん あり余る夜 ロボット学校 しろくまさんとのうさぎさんの出会いと別れ 散歩日和 鉄砲草 焼けた竜 シャベルの絵 クッキーアソート 金魚鉢の世界 フクロウ男の店 星に海を作るには 花の都を縫い閉じる のうさぎさんとしろくまさんの楽しい生活 湯浴みする友人の話 おはなしのくに 猫には見える 絶対時間 ことばかじり モノ・ホーミー 図案家。本の装画などのイラストレーションを中心に、図案と物語の創作を行う。著作に、千日間にわたって制作した「貝がら千話」より選集『するべきことは何ひとつ』(さりげなく)など。
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ホットドッグ・ストック
¥600
SOLD OUT
『HOTDOG STOCK』ホットドッグ・ストック 〈身近なお店のホットドッグたち〉 伊藤奈緒 74mm × 210mm 24ページ(表裏表紙含む) ホットドッグとは 細長いロールパンに深い切れ目を入れてバターや練りがらしを塗り、ウインナーソーセージ、酢漬けキャベツを挟んで天火で温めたものをいう。1900年、アメリカの野球場でフランクフルトソーセージを詰めたサンドイッチが初めて売られたとき、ドーガンT.A.Dorganという漫画家が、胴の長いダックスフントに似ているというのでホットドッグと命名したといわれる。 引用:日本大百科選書(ニッポニカ) イラストレーター、デザイナーの伊藤奈緒さんが作ったファーストフード店やカフェのホットドッグをイラストで紹介したミニZINEが届きました。 ちょっとリッチなホットドッグの作り方、映画・ゲームに登場するホットドッグの紹介なども。 すぐ食べに行くことができるお店がほとんどなのでぜひこのZINE片手にお店巡りを楽しんでください!
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IN/SECTS イン・セクツ Vol.16
¥1,925
SOLD OUT
『 IN/SECTS イン・セクツ』Vol.16 特集 本をつくる LLCインセクツ 編 B6判、144ページ 約100団体、掲載! インセクツ16号は、私たちが日々行っている「本をつくる」を特集します。と言ってもHOW TOではなく、今、私たちの目に映る快活に小さく本をつくる出版社やチーム、そして個人の皆さんに多数、登場いただいています。 業界全体の売り上げは下がっているにも関わらず、インセクツ周辺から聞こえてくる元気な声。そんなブックメイカーたちに着目し、今号では、「本をつくる」行為そのものから、売り場、コミュニティ、販路や、なぜつくるのか? についても、さまざまな人たちと話し、考えを交換してみました。 小さくつくれば上手くいく、というほど簡単なものではありませんが、この空間的にも地域的にも自由を得たインディペンデントな面々の活動をお楽しみください。 <CONTENTS> ●地方発がおもしろい 出版文化は空間的自由を得た?! Kilty BOOKS/mmbooks/ さりげなく/真鶴出版/どく社/ fuプロダクション/風旅出版 ●レーベルって楽しい!! 三輪舎/夏葉社/ミシマ社 ●装丁家・矢萩多聞さんと、 本づくりがしたい! ●ゆnovationのZINE探訪 ●バーバリアンブックスの歩み ●注目のZINE Shop New Open! Dig a Hole Zines ●本づくりからその先へ。 リソグラフの可能性 ●田岡和也による、 手づくり本のススメ。 ●漫画 スケラッコさんの本づくり ●潜入 コミティア66 ●烽火書房 嶋田さんとサシ飲み ひとり出版社の孤独とこれから ●ようこそ、大阪へ! ジャカルタの出版社 ●編集部が注目する 出版社/チームカタログ72
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【サイン本】本屋で待つ
¥1,760
SOLD OUT
『本屋で待つ』 佐藤友則 / 島田潤一郎 ※佐藤友則さんのサイン入りです。 四六版変形、208ページ こんな本屋があったんだ。お客さんと書店員たちの胸打つ物語。 広島県庄原市にある書店「ウィー東城店」。店長の佐藤友則さんは赤字続きだったこの店を、「お客さんの要望にこたえる」という姿勢を徹底して貫くことで、黒字化させます。こわれた電気機器の相談や、年賀状の宛名書き。山間の田舎の書店に望まれることの多くは、高齢者たちの生活の相談にのることでした。それだけでなく、店は美容院を併設し、エステルームをつくり、コインランドリーをもつくります。 本書はそうした「書店の複合化」の物語である一方、引きこもっていた若者たちが書店をとおして成長していく物語でもあります。ある日、「学校に行けなくなった子どもを働かせてほしい」と相談され、それからウィー東城店にはそうした若者たちが次々とやってきて、レジを担当し、棚を担当します。彼らはお客さんと接し、本と接することで次第に快復し、何人かは社員となり、そのうちのひとりは佐藤友則さんの次の店長となって、店を支えます。 装画、挿絵は『急がなくてもよいことを』で注目を浴びる漫画家、ひうち棚さん。 本屋の可能性を伝える、感動的な一冊です。
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【サイン本】水車小屋のネネ
¥1,980
SOLD OUT
『水車小屋のネネ』 津村記久子 ※サイン入りです。 ※発送は3月24日以降になります。 四六判、496ページ 装画・北澤平祐 非道な母から逃れ、見知らぬ土地で生きる姉妹の再生と成長を芥川賞作家が描く感動巨編。 18歳の理佐は、幼い妹の律を母の恋人が虐待していると知り、2人で家を出ることを決心。山あいの町にたどり着いた姉妹は、見ず知らずの隣人らに見守られながら大人になっていく。 40年にわたる人と人との関わりを丁寧に描く、切なくも愛おしい感動巨編。 津村文学の新たな代表作です!
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【サイン本】楽園
¥11,000
SOLD OUT
『楽園』 谷川 俊太郎 ※サイン入りです。 ●写真集「lost&found」 布製80ページ・2色刷 ●詩集「shuffle」布製80ページ・1色刷 リソグラフ印刷(布張り上製:264mm×187mm×21mm)/上製 ※部数限定 2冊セット、分売不可商品(シュリンク、バーコードシール貼付) 若き谷川俊太郎の日常― 日本を代表する詩人・谷川俊太郎氏は、自身で写真も多く撮影している写真家でもある。「楽園」は、谷川俊太郎が詩人・写真家としてまだ世に出る前の18歳から21歳の時期に、二眼レフカメラで身の回りの日常を捉えた写真を収めた写真集と、友人に勧められて詩作を始めたころの詩を中心に谷川氏自身が選び編んだ詩集の2冊をリソグラフ装の箱に収めた「谷川俊太郎の原点」の作品集である。 谷川氏が愛した日常の光景を収めた写真と、社会への距離感と自由への憧れを感じながら生きる心象を描いた詩を併せて味わうと、写真が持つ含意がより深まるように感じられ、70年前の谷川氏の作品が、時を超えて今も、豊かな時間と空間を湛えていることに驚かされる。 「楽園」は、谷川俊太郎氏のアーリー・ワークスであると同時に、70年早くに生まれた「永遠の少年」の魂のタイムカプセルである。 製版と印刷と製本は、熟練した手仕事の職人的なプロが集結して携わり、装丁のリソグラフまで手仕事というクラフトワークの塊を、愛蔵版として少数限定で制作する。アートディレクションと編集は、フィルム写真の素晴らしさを再発見して、新たに現代に甦らせる「Dear Film Project」のメンバーが担当した。
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【サイン本】『THE CRAFTED』7冊セット
¥33,000
SOLD OUT
Dear Film Project Zine 『THE CRAFTED』7冊セット 谷川俊太郎 / 井出情児 / 片岡義男 / 伊島薫 / 三浦憲治 / 長濱治 / 渡辺達生 ※7名のサインが入っております。 「Dear film Project」は、フィルム写真が持つ豊かな世界観や写真家のスピリットを尊重し、再編集して、次世代へも伝えるアートメディアを制作しています。 第一弾は8月に7タイトルで刊行になります。 単品での販売もございますが、今回ご予約を受け付けるのは、7冊をセットにして豪華な専用ケースに入っております。 更に、7名のサインが入った限定部数のスペシャル版です! 7つのタイトルは、 ①『二眼のレフ日々』 谷川俊太郎 A5 148mm × 210mm ミシン綴じ ALL 2C、32ページ 発行 : Dear Film Project 製作協力 : TOKYO CULTUART by BEAMS 500部発行 若き詩人の眼が二眼レフカメラで切り取った、昭和の日常の余白。 谷川俊太郎 谷川俊太郎さんは、言うまでもなく日本を代表する詩人である。ご自信も写真を撮り、写真家とコラボした書籍もたくさんある。 今回、DFPがZINEにしてみたいと思ったのは、「この稀有な詩人は、若いころ何を見ていたのか?」ということだった。日本がまだ貧しかった頃、若い詩人はカメラのファインダーから世界をどのように観ていたのか?日々の生活の中で詩人はどんな瞬間を大切に感じていたかを、詩の言葉ではなく撮影した眼差しを通して追体験したいと思った。そんな訳で、谷川さんのクローゼットに眠っていた二眼レフカメラで撮影された膨大なネガの山から、谷川さん自身が選んだ写真が、数十年の時を経て日の目を見ることになった。 ②『アングラ』 井出情児 A5 148mm × 210mm ミシン綴じ ALL 2C、32ページ 発行 : Dear Film Project 製作協力 : TOKYO CULTUART by BEAMS 500部発行 60年代末、日本で初めて誕生したサブカル=『アングラ』の爆発。 井出情児 ロックフィルムの第一人者。唐十郎主宰の劇団・状況劇場の役者を経て、1967年頃からアングラ演劇や音楽の写真、映像撮影を手掛け、テレビ番組、プロモーション・フィルムの制作、撮影を担当。矢沢永吉、甲斐バンド、ARB、佐野元春、RCサクセション、鼓童、YMO、Charなど日本の音楽シーンをリードするミュージシャン、シカゴ、サンタナ、エアロスミスら国外のスター・ミュージシャンのフィルムを撮影監督。 また俳優松田優作から絶大な信頼を受けプライベート・フォトを撮り続けた写真家としてっも知られる。その実績は日本映画技術受賞のほか、カナダNew Media Festivalプロミュージックビデオ部門グランプリ受賞、カンヌMIDIM長編音楽映像部門グランプリなど国外でも著名。 ③『東京でたべた』 片岡義男 A5 148mm × 210mm ミシン綴じ ALL 4C、32ページ 発行 : Dear Film Project 製作協力 : TOKYO CULTUART by BEAMS 500部発行 いつの間にか消えてゆく見慣れた街の風景、これもそのひとつ。 片岡義男 20歳の学生時代から文筆家として活躍し始めた片岡義男さん。数多くの作品を発表し続けて60年。もうひとつの顔が写真家である。片岡義男さんの写真に対しての考え方はいたってシンプルだ。レンズを被写体に向けた時、すでに五感は働いているわけだから、後はどのタイミングでシャッターを切るか。つまり写真は六感であるという。また、東京の街は変化が大きい。変化とはそれまでなかったものを手にするためにそれまであったものを捨て去ること。捨て去られないうちに写真に撮っておくなら、捨て去られた後もずっとそれらの写真は問答無用に記録として残る。写真は変化の記録ともいえる。この『東京をたべた』は、まさに写真に対しての片岡ワールドを具現化した作品だ。 ④『サイトシーング』 伊島薫 A5 148mm × 210mm ミシン綴じ ALL 4C、32ページ 発行 : Dear Film Project 製作協力 : TOKYO CULTUART by BEAMS 500部発行 デビュー直前に、アメリカの観光地で発見したサスペンスな風景。 伊島薫 伊島薫さんには「アメリカの匂い」がつきまとう。DFPは、伝説のカセットマガジン『TRA』や『zyappu』など、写真家の枠に収まらない活動をするクリエイターの原点を知りたいと思い、伊島さんの事務所の膨大な写真が眠るキャビネットを掘り起こした。 発見したのは、伊島さんがプロになりたての頃に、雑誌の懸賞論文の賞品として旅したアメリカの写真。憧れのアメリカの雄大な大自然を撮りに行った伊島さんは、その風景を撮らずに反対側を向いて風景を見つめる観光客を撮影した。 あたかもサスペンス映画のワンシーンのような不穏さが感じられる観光客の表情からは、40数年の時を超えて、「畏怖に値するアメリカの大自然の偉大さ」が漂ってくる。 ⑤『ミウラヒロシマ』 三浦憲治 A5 148mm × 210mm ミシン綴じ ALL 4C、32ページ 発行 : Dear Film Project 製作協力 : TOKYO CULTUART by BEAMS 500部発行 こだわりをもたず、赴くままに今の広島を切り撮るヒロシマ・アイ。 三浦憲治 YMO、広島出身の矢沢永吉、奥田民生などミュージシャンのLIVEコンサートなどの写真集を手がけている三浦憲治さん。これまで出身地広島をテーマにした写真を撮らなかった。それは広島をテーマにしたものは写真家にしても文筆家にしても立派な作品を残している。 自分の写真では被爆地としての広島をテーマにすることは難しいと考えていた。 それが「広島生まれなのだから広島をとってみたら」という友人の何気ないひと言がきっかけとなり8年ほど前から、今の広島を取り始めた。 被写体を動かして撮るのではなく、自らが動いて被写体を撮るカメラ小僧三浦憲治さん。ここには水を得た魚のように自分が感じた、戦後70余年の広島の今が、撮りたいミウラヒロシマが切り取られている。 ⑥『ブルーズロード』 長濱治 A5 148mm × 210mm ミシン綴じ ALL 3C、32ページ 発行 : Dear Film Project 製作協力 : TOKYO CULTUART by BEAMS 500部発行 ブルーズマンを撮るのではなく、身体に沁み込んだBLUESを撮った。 長濱治 雑誌全盛の60年代半ばから、今では夢のまた夢のような時代に100万雑誌と言われた『平凡パンチ』(現マガジンハウス刊)のヌードグラビアなどを撮影していた長濱治さん。 大好きなBLUESをテーマに1989年からの4年間、アメリカ南部ブルーズのメッカにのべ10回撮影しに出かけて行った。 No appoint No connection。強面のブルーズマンに怯むことなくCorn Whiskyを手土産にアタック。その情熱が初対面のブルーズマンたちの心に響いたのだろう。 この時の写真をDFLがアップサイクルして2020年2月『Cotton Fields』をトランスワールドジャパン社から刊行。 この写真集のスピンオフとして貴重なベタ焼きをデザインした。写真家の視線の先をうかがい知ることができる。 ⑦『タ ワ ワ』 渡辺達生 A5 148mm × 210mm ミシン綴じ ALL 2C、32ページ 発行 : Dear Film Project 製作協力 : TOKYO CULTUART by BEAMS 500部発行 女性写真家の巨匠が到達した、母性を凝縮した縄文土偶のような豊穣。 渡辺達生 渡辺達生さんは、日本を代表する女性カメラマンである。雑誌『GORO』を初めとして、たくさんのメディアで五千人以上の美女たちの美しさを僕らに届けてくれた。 DFPは渡辺さんの「プライベートで撮影した女性ヌード」を見たかった。仕事で数多くの女性を撮影し続けてきた写真家が行き着いた究極の「女性ヌード」は、決してグラビアに出てくる細身でスタイルのいい女性ではない。 渡辺さんにとっての女性の原点は、子供のころに脇や乳房の下に手を入れるとちょっと湿った暖かさを感じる豊穣な母のイメージ。 私家版で刊行した写真集から抜粋した「渡辺達生のミューズ」の写真は、現代の女性が失ってしまった大らかで縄文的な豊かさに満ちている。