スタンダードブックストア
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【サイン本】寺井奈緒美『おめでたい人』
¥2,090
※ 著者直筆サイン本です。 歌人・土人形作家・エッセイストとして大注目の著者が「おめでたい」をテーマに書き下ろした最新エッセイ集。ささやかでちょっと間抜けな暮らしをことほぐエッセイ&短歌28篇! ああ、私はパーティーピープルになれるような明るい人間ではありません。 でも、おめでたい人になりたい。 どうか、おめでたく生きる力をください。(「おめでたい人」より) 一富士 おめでたい人 極龍神 オオゼキ 幸巡り 忘れられないクリスマス 追いかけ正月 そぼかわ 素敵な雪の一日 ひな祭りの可能性 ハッピーチョコレートバースデー 二鷹 蘭バトル 骨董メモリアル 甦れ、感性 大盆栽祭り ちゃん系ラーメン道 気象神社 号泣宝塚 ほおずきチートデー カエルの天国 三茄子 彦根にようこそ 水石先輩 ポイントカード コンテンツ愛 シン・干支 たのしいおせち なんかいい ワイン祭り ギリハッピー 判型/ページ数:四六判 並製 212ページ 装幀・装画:犬ん子/装画 名久井直子/装幀 寺井奈緒美 (テライ・ナオミ) 1985年ホノルル生まれ。愛知県育ち、東京都在住。歌人、土人形作家。2019年に第一歌集『アーのようなカー』(新鋭短歌シリーズ/書肆侃侃房)、2023年に短歌とエッセイ『生活フォーエバー』(ELVIS PRESS)を刊行。
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朱 喜哲 100分de名著 リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』
¥600
哲学なんて!全然わからない!という方にもお勧めいたします。 トランプ大統領の誕生を予言したかのような内容! 2024年2月に放映された100分de名著 リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』テキスト。 民主主義の危機は、「哲学」が守る 「トランプ現象」を20年近くも前に予言したとして、一躍注目された哲学者リチャード・ローティ。彼は、現代アメリカを代表する哲学者でありながら、真理の探究を目指し「理性」を重視する従来の哲学(近代哲学)を、社会の分断や差別をもたらすものとして根本から否定する。そして、『偶然性・アイロニー・連帯』などの著作を通して、「人と人との対話を止めない」ことを軸とする新たな哲学の役割を提示し、あるべき社会の在り方を論じた。 社会の分断やポピュリズムが広がり民主主義が脅かされている現在、私たちはどのような社会を構想すればよいのか。ローティのダイナミックな思想を手がかりに、そのヒントを探っていく。 判型 A5判 ページ数 116ページ 朱 喜哲 (ちゅ ひちょる) 大阪大学招聘教員。1985年大阪生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。専門はプラグマティズム言語哲学とその思想史。また研究活動と並行して、企業においてさまざまな行動データを活用したビジネス開発にも従事し、ビジネスと哲学・倫理学・社会科学分野の架橋や共同研究の推進にも携わっている。著書に『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』(共著、さくら舎)、『世界最先端の研究が教える すごい哲学』(共著、総合法令出版)、『在野研究ビギナーズ』(共著、明石書店)、『信頼を考える』(共著、勁草書房)、『〈公正〉を乗りこなす』(太郎次郎社エディタス)、『バザールとクラブ』(よはく舎)、共訳に『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』(ブランダム著、勁草書房)などがある。
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【MK様専用】にしのあきひろ絵本セット
¥10,560
SOLD OUT
※注意!! こちらはMK様専用です。他の方が購入されてもキャンセル扱いとなり、返金の際は手数料も差し引いてのご返金となります。
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金滿里(きむ・まんり)『生きることのはじまり』
¥1,980
絶望を生きるわたしたちへ。 障碍者だけのパフォーマンス集団「態変(たいへん)」の主宰者が、想像を絶する極限状況を生き延び、人間の本質を問い続けた「生きること」の物語。 朝鮮古典芸能の伝承者で、在日1世の母から生まれた著者。継承を期待されるが3歳でポリオ(小児マヒ)を発病し、首から下が全身麻痺の重度障碍者となる。苦悶に満ちた4年間の入院治療の末に退院、肢体不自由児施設での集団生活を10年間過ごす。そこでは、設備不備による劣悪環境下で友人の死を目の当たりにする。その後、障碍者自立解放運動に参画、同時に、当時はまだ珍しかった、24時間介護の自立障碍者となる。運動組織の分裂・解体をきっかけに「態変」を旗揚げし1児の母へ。その壮絶な半生の軌跡を、切実な筆致で描く。 私の生い立ちには、徹頭徹尾、普通ということが何一つない。かなり変わった存在である。 誕生したのは一九五三年十一月二日。大阪府の池田市というところで生まれた。よけいなことだが干支は巳、血液型はO型、星座は蠍さそり座である。私の母親は在日の一世。いわゆる朝鮮半島から日本に渡ってきた朝鮮人である。だから日本語はたどたどしく、苦手だ。また、この人は朝鮮の古典芸能の伝承者で、芸人として生きてきた。この母の生きざまによって私の存在がかなり規定された面は大きい。 在日朝鮮人という立場も、日本の中では少数派だと思うが、在日の中でも古典芸能家というのはもっと数少なく、一般的な在日の家庭ともまた違った特殊な家庭といえるだろう。私は十人兄弟の末っ子で、母親は四十二歳のときに、他の兄弟とは父親の違う子どもとして私を産んだ。そして三歳のときにポリオに罹り、それ以来、小児マヒの後遺症として全身麻痺障碍者となり私の人生ははじまる。 在日の朝鮮古典芸能家という少数中の少数の珍しい家庭に生まれ、またそのうえに重度の障碍者になった。同じ立場の人を他に探そうとしてもそうはいない。この徹頭徹尾「普通」ということがない私の生い立ちは、結果として私には幸いしたと思う。 ──「第 一 章 母、そして幼いころ」より これはわたしたちみんなの物語なのだ。――高橋源一郎(作家) ちくまプリマーブックスの不朽のエッセイを、28年ぶりに新装で復刻。著者が新たにあとがきを書き下ろし、作家・高橋源一郎と、当時の担当編集者・藤本由香里による寄稿を収録。 【目次】 プロローグ ミルク玉つぶし 第一章 母、そして幼いころ 朝鮮古典芸能の至宝=母・金紅珠のこと 出生 ポリオ発病 阪大病院南二階2号室 束の間の帰宅 第二章 障碍児施設へ 別離 孤独な子どもたち 死んでいく友達 人間のエゴを見つめて 思春期の中で 軽度か重度か―施設の現実 何のための努力? 第三章 暗いトンネル 高校へ行きたい 努力嫌いの白昼夢 学校探し 私には選挙権がない 「トイレまで行けたら学校入れたる」 帰宅―通信高校へ 遠い級友たち 死を選んだ人 第四章 運動 初めて、キム・マンリとして 「青い芝」という運動 集会か、学校か ほな、出ていくわ 包丁を振り上げた母 「生きていくのはおまえ自身だから」 第五章 生きることのはじまり 「いのちの初夜」 二十四時間の介護 今、産まれ出た幸福 障碍者のバリケード 翳り 分裂 組織解体 第六章 自分を頼りに 野垂れ死にの精神 警察が、なぜ…… 私が私であることを求めて 「帰りたいなら今すぐ帰れ!」 沖縄―再生への旅 第七章 劇団「態変」旗揚げす 「国際障害者年」って何だ? 「国際障害者年」なんてブッ飛ばせ! 「態変」動きだす 旗揚げ公演『色は臭へど』 「やるからにはメジャーになろう」 K君―「ゲリラ・クヨクヨ」のこと 第八章 宇宙的な時間 子どもが産まれる! 出産、そして育児 新しい世界―宇宙人の視点 劇団復帰 「態変」ケニアに行く 産まれること、生きること あとがき 寄稿 はじまりの風景 高橋源一郎 天地とのインプロビゼーション 金滿里さんのこと 藤本由香里 降りそそぐ大地からの噴射を獲らまえて放つ 新装復刻版あとがきに変えて 金滿里 判型:A6変形/上製 頁数:464ページ 装丁:根本匠(コズフィッシュ) 装画:ミロコマチコ 大きさ:155x109x23 mm :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 【出版社から】 ひとり出版社・人々舎の樋口と申します。この本が絶版だなんてどういうことかと思い、新装で復刻しました。底本にした(ちくまプリマーブックス版)『生きることのはじまり』は、刊行1冊目の本『愛と差別と友情とLGBTQ+』の制作中に出会いました。『さびしさの授業』(伏見憲明/よりみちパンセ/2004年/絶版?)で紹介されていたのです。 今回、人々舎から刊行する新装復刻版の帯オモテには、「これはわたしたちみんなの物語なのだ。」という高橋源一郎さんの言葉を載せました。(もともと著者と親交のあった)高橋さんに書いていただいた寄稿内に出てくるこの言葉以上に、本書を紹介する的確な表現はないだろうと思ったからです。自分が初めて読んだ時の感想が、まさに「これはわたしの物語なのではないか」なのでした。 本書は、在日二世で、首から下が全身麻痺の重度障碍者、障碍者だけのパフォーマンス集団「態変」(たいへん)を主宰する著者・金滿里(キム・マンリ)さんが綴る半生の軌跡です。金さんは、ポリオ(小児マヒ)発病後の入院生活、障碍児施設生活、障碍者独立開放運動、そして「態変」の旗揚げと、想像を絶するどんな極限状況に置かれても、自分に正直であろうする姿勢をつらぬきます。 以下は、1960年代〜70年代の障碍者施設での生活で、施設不備のため亡くなっていった友人を想い述懐する場面です。ちょっと長いですが引用します。 私はそういう環境の中で、自分も含めて人間の心理というものを考えるようになった。それは、善も悪も別々に存在するのではなく、一人の人間の中に同時にあるのだ、ということだった。良い人と悪い人がいるのではなく、一人の中に両方が存在する。たまたまそのときにどちらかが出るだけで、絶対的に善い人なんていない。特に極限状態では、悪の部分が出るほうが自然であり、本音なのだ。 だからこそ、ふだんからこの本音を見つめていかないと、人間として弱くなる、と思った。自分の中にも弱さや悪の部分がある。それに目をつぶって見ないふりをしていると、かえって知らず知らずのうちにその部分に引きずられてしまうのだ。逆にそのぎりぎりの本音を見つめていくことで、何か問題に直面したとき、本当の極限状況に置かれたとき、自分の中の弱さに引きずられずに、本当の意味での自分の「選択」をすることができる。そうでなければ、自分でそれと意識できないままに「自分がどうしたいか」ということより、その場の強い力に流されることを優先し、結果的には自分の不本意に終わってしまう。それでは後悔するだけだし、後に悶々とした嫌な気分が残るだけだ。私は自分の気持ちに正直になろう、と思った。 ――「第 二 章 障碍児施設へ」より ここには、誰もが向かっていく「死」に対して、誰もが持っている「弱さ」に対して、どのように向き合ってきたが書かれています。漠然とした不安、言葉にできない不安を前にした時、自分の声を聴くことをあきらめず、何を感じ、どう考えているのかを明確にすることは、そのまま世界と向き合う姿勢につながるのではないでしょうか。それこそがきっと、自分の人生をどこか遠くへと運んでいくのだと思うのです(金さんの人生も、どこまでも遠くへと運ばれていきます)。わたしはこの姿勢に(激しく、それは激しく)魂を揺さぶられ、なんとか(何度も)言葉にしようとしたけどできませんでした。それを言葉にしたのが高橋源一郎さんの寄稿であり、「これはわたしたちみんなの物語なのだ。」なのでした(ぜひお読みください)。 この言葉を入り口に、判型、デザインを一新し、寄稿2本、著者あとがきを加えて、あたらしい『生きることのはじまり』をつくりました。みなさんの物語で(も)あることを願って。
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『LOCKET』第7号 CINEMA ISSUE
¥2,200
独立系旅雑誌『LOCKET』第7号は映画館特集です! コデックス装が復活&リソグラフポスター付き! 荒野はきっとここにある──明滅する世界を彷徨うように映画館を旅しました。インドでもっとも豪華な映画館から、建築の巨匠ゆかりの映画館へ。写真家はルーマニアで美しい瞬間を瞳に焼きつけ、ウクライナで爆発音に耳をすませます。石川直樹、奥山大史、佐々木美佳、済東鉄腸、上川周作、フー・ティエンユー、児玉浩宜、塚田ゆうたなど豪華面々も登場。 今号もオフセット印刷は長野県松本市の藤原印刷による「心刷」です。第3号以来のコデックス装がカムバック。創刊10周年を記念してリソグラフポスターも投げ込みます。 真っ当でいてオルタナティブなインディペンデントマガジンが、いまここから荒野へいざないます。 ◉2,200部 ◉編集発行人|内田洋介(編集・文・写真) ◉デザイナー|大谷友之祐(Yunosuke) ◉印刷|藤原印刷 ◉インド/ピンクシティに見る夢(土田 凌*表紙撮影) ◉インド/ル・コルビュジエが見た夢 ◉ルーマニア/おとぎの国のヴィクトリア(塩川雄也) ◉ジョージア/この国で、この部屋で、この映画で ◉トルコ/瞬きのアナトリア ◉ウクライナ/映画館が閉ざされた街で(児玉浩宜) ◉ボリウッドの東で喜怒哀楽(佐々木美佳) ◉追憶の映画館(アイザワディーン) ◉精神の荒野はどこにある(済東鉄腸) ◉ある男、映画館にて(上川周作) ◉ようこそようこそ映画館へ(jig theater、金星シネマ) ◉まちがいさがし 映画館篇(町田ヒロチカ) ◉隣の国の映画館(フー・ティエンユー) ◉ロケットペンダントの中には #1 ◉旅を書く(鈴木優香、中道智大、石川直樹) ◉背骨の旅人 #7(奥山大史) ◉いまではないいつか #3 ハワイ ◉雑誌発、ZINE経由、漫画行(塚田ゆうた) ◉創刊10周年記念投げ込みリソグラフポスター(Yunosuke) 大きさ:236x167x7 mm
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世界をきちんとあじわうための本 / ホモ・サピエンスの道具研究会
¥1,870
世界は意味だけでできてはいない。 人類学者たちによる、“私たちの営み”へのちょっと変わったアプローチ。 本書は、まだ見たことのない世界を知るためではなく、見慣れていながらなかなか気づけない世界に出会うためのガイドブックです。 (以下、はじめにより) 世界はあたりまえのようにあって、すでに誰もがあじわっているけれど、それをきちんとあじわおうとすれば、いつもと違った「何か」が必要です。本というものは、そうしたきっかけをあたえてくれるもの。この本は、どのページを開いても、特別なものは何もなく、呼吸や靴や掃除といった、ありふれた日常の話があるだけですが、世界とはそのようなものです。(略) この本をきっかけに、気づく、探る、指し示すの単純な流れに沿って、みなさんも、毎日の営みのうちにある、それらのあじわいに出会ってもらえればと思います。 ホモ・サピエンスの道具研究会: 生活とともにある「研究」のあたらしいあり方を探るなかで生まれた、人類学者の山崎剛、木田歩、坂井信三を中心メンバーとするリサーチ・グループ。 225mm x 165mm 92 pages, soft cover, offset print 【Recommend ! 】 この本は薄い本だが、それにはちゃんと理由がある。 それはこの本を読むだけでは決して充分ではなく、 読んだことをそれぞれの中で考え、あじわってみる時間の方がより大切だから。 ふだん何気なくやっている一つ一つのことを、よく考えてみると、 こんなにも複雑なことを一瞬にして私たちは行っているのだということに気が付く。 その「気が付く」ということにたどり着くまでの時間は人それぞれだが、 世界に出会い直すためには、なにも遠くに行く必要はない。 辻山良雄(Title 店主)
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【新装版】熊彫 〜義親さんと木彫りの熊〜
¥2,200
北海道土産の木彫り熊=「八雲の熊彫」として最初にブランディングに成功したのが、徳川義親が支援した現在の八雲町でした。本書はそのルーツを辿るテキスト、インタビューと、柴崎重行や茂木多喜治を始めとする北海道八雲町の作家たちの作品を収録したガイドブック的一冊。本誌と別冊付録「八雲木彫り熊の作り方 復刻版」をスリーブケースに納めた新装版として再リリースしました。 単なる土産品に留まらない「八雲の熊彫」の創造性は、柴崎重行や茂木多喜治らによって命脈を保ち、現代の我々の眼を今もって驚かせてくれています。 木彫り熊たちは、ときに愛くるしく、ときに厳しい姿をみせていますが、これらを彫りあげた一工人であり一作家である彫り手たちの意志、そして、義親がどんな思いで一農民である彼らの暮らしを支えたのか。彼らの生きた時代、その思いを、このささやかな書を通して思い描いて頂ければ幸いです。 装画・題字:林青那 210mm × 165mm 80 pages, soft cover, offset print 210mm × 165mm 28 pages, soft cover, offset print
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生活フォーエバー / 寺井奈緒美
¥1,980
この愛すべき、くだらなさ。 歌人として活動するほか、habotan名義で土人形を制作している寺井奈緒美による、初の短歌&エッセイ集。 2019年に書肆侃侃房より刊行された第一歌集『アーのようなカー』では、日常の片隅に忘れられた事物をそっと掬うような、ささやかで滑稽で、どことなく寂しい歌で、多くの読者を獲得しました。 本書には2021年の秋からおよそ1年の間に書いたエッセイ80篇と短歌160首が収録されています。書かれているのは、限られた行動範囲(ほとんどが部屋、そして職場、西友、たまに映画館)と限られた登場人物(私、S、ときどき同僚)の中でのまったく映えない日常。それがなぜだかすこぶる面白い。その想像力とユーモアは、私たちの抜き差しならない「生活」の見え方を変えてくれることでしょう。読めばきっと、明日への活力になること間違いなしの一冊です。 188mm × 128mm × 15mm 224 pages, softcover, offset print 寺井奈緒美(てらい・なおみ) 1985年ホノルル生まれ。愛知育ち、東京在住。趣味は粘土で縁起のよい人形をつくること。 2019年4月、新鋭短歌シリーズ『アーのようなカー』( 書肆侃侃房)刊行。 2023年4月、短歌とエッセイ『生活フォーエバー』(ELVIS PRESS)刊行。
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Knitting ’n Stitching Archives. / 宮田明日鹿 Asuka Miyata
¥3,850
アーティスト・宮田明日鹿が2017 年より名古屋市港区で主宰している「港まち手芸部」の作品集。 活動の中で出会った60代~90代の7人の作り手が、これまで長い時間をかけて作ってきたものを紹介するほか、作り手のインタビューや、アーティスト・長島有里枝によるエッセイ、研究者・山崎明子の論考も収録しています。 子どものために作ったワンピース、教室に通いながら数年かけて完成させた刺繡、無心で手を動かしたレース編み、ありあわせの毛糸で作ったセーター……。家族や身近な人のために、そして自分のために作り、大切に保管してあったものたちから、私たちは何を受け取ることができるでしょうか。 今を生きていくための技術である、「手芸」という文化、営みに触れる、普遍的な一冊に仕上がりました。 ――― 彼らの作品や語りからは、作ることへの飽くなき探求心、作るという行為がもたらしてくれるもの、手芸と共に歩んできたひとりひとりの固有の人生と営みが浮かび上がってきます。 本書を通して、これまで家庭的なイメージが付与され、趣味的な活動として矮小化されてきた「手芸」というものを改めて捉えなおすことができないだろうかと考えています。 (「はじめに」より) 150mm × 150mm 320 pages, softcover, PUR binding, offset print 1st Edition of 2000
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【特典付】『murmur magazine for men 第5号』
¥990
※ ステッカー付 実に6年ぶり! 『マーマーマガジン フォーメン』の最新号、第5号! 『マーマーマガジン』の男性版の、この『マーマーマガジン フォーメン』。 今号では、男性向けのチャクラの解説とチャクラケア、また、マーマーボーイのナビゲート、レコメンドにより、4つのセルフケアについても、それぞれたっぷり紹介させていただいています。 チャクラケアについては、 総力特集として、7つのチャクラの解説から、男性向けのチャクラセルフチェック、 現代人に多い4つのタイプ(男性編)などなど、『kaiのチャクラケアブック』の著者であるkaiさん監修・執筆でお届けします。kaiさんと、「胎内記憶」で知られる医師の池川明さんとの対談も! 第2特集は、今こそ男性に体験していただきたい 4つのセルフケア特集。 それぞれ創始者の方などをインタビューや体験記などを掲載しています。 ほかにも、iaiデザイナー居相大輝さんの広大な森での家づくりなど、創造し続ける日々にせまるインタビュー、「鉱石ラジオ」で知られる小林健二さんのロングインタビューにもぜひご注目いただきたいです。 都市脱出についての4人のコラムや、創刊号からの連載、新連載もあります。 **************************************************************************** murmur magazine for men 第5号 表紙=小林健二(作品の一部) ◎総力特集|僕たちのチャクラケア いまこそ、チャクラの知恵 監修・執筆=kaiさん(セラピスト、アーティスト、文筆家) あらためてチャクラとは?|3分で早わかり! 7つのチャクラ|わたしのチャクラの状態は? 簡単セルフチェック!|チャクラ閉じすぎor開きすぎ 14の特徴と傾向!|現代人に多い4つのタイプ〜男性編〜|kaiさんのチャクラケアブックの魅力について話したい ◎特別対談|kaiさん×池川明さん(医師・医学博士) 子どもと大人の信頼関係が誰もがやりたいことをやれて幸せに生きられる、まだ見ぬ地球をつくる。 ◎グラビア|小林健二さんのアトリエから|居相家のあたらしい日々 ◎インタビュー|居相大輝さん(iaiデザイナー) iai/居相の家づくり「創造し続ける日々」 ◎ロングインタビュー|小林健二さん(アーティスト) すべては光が見ている夢だとしたら ◎ 鼎談|父親同士、子育てについて語り合ってみた! 4人の妻のコメントつき 居相大輝さん(iaiデザイナー)×菊地翔さん(cahier美容師)× 井上博斗さん(トランス・ナヴィゲーター)×聞き手 武山直生(小誌編集部員) ◎特集② |4大セルフケア入門 ナビゲーター=服部福太郎(小誌編集部員) 冷えとり健康法|ひまし油湿布|海水温熱|砂浴 ◎new boyのためのholistic life入門 「都市脱出」|内田明夫さん (農家)| 田附勝さん(写真家)|太田光軌さん(パン職人)|安藤巖乙さん(観光組織職員) ◎連載 Holistic Gear News ‖ セルフケアグッズ パーマカルチャーデザイナー大村淳の森のつくりかた! 水は捨てすぎずためすぎず余すところなく利用すべし ソーヤー・海の共感男子‖ジャッジしないための「観察」 曽我部恵一の東京父親日記‖シスターの静かな目 ピーター・バラカン New Morning, New Beginning □ページ数 96ページ □サイズ 172mm×245mm
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おおたじゅんこ『たねとねっこ』
¥1,320
一男一女の母。 この絵本は、娘が小学四年生の時に 私が描いたお話です。 その頃、娘はある習い事をしていましたが、 なかなか伸びず、私もその事で悩んでいました。 いつも焦っていて、娘にもその気持ちが通じていたのかもしれません。 この作品には、娘と私のために 「周りと比べるのをやめよう!この子だけの 頑張りや伸びをみよう!」という思いをこめています。 子育て中の方だけでなく 沢山の方の共感をいただき、 2025年4月、重版致しました。 絵本を通して、更により多くの方に みえないねっこの大切さを お伝えしたいです。 大きさ:190 x 213 x 11 mm
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高橋恭司『Pashmina ポストカード10枚セット』
¥3,300
※ 袋に傷みはあります。開封していないので中身はネットにある画像でご確認ください 汗 2011年 月刊人刊 ポストカード10枚セット
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【特典付】夏森かぶと『仕事と生活のバランス』
¥990
※ 1000字ほどの書き下ろしエッセイ「仕事と生活と文学フリマ」付。 既刊が当店でも売上好調の夏森かぶと4冊目のzine。 仕事がどんどん大変になっていき、「生活」がなにかと後回しにされがちなこの世の中。 ふだんは書店員として働いている私も、仕事に振り回されているその一人。 そんな中「どのように働けばいいのか」という正解のない問いに対し、あらためて考えたことをエッセイにまとめた一冊。 【目次】 休み明けは仕事に行きたくない 休日に何をすればいいかわからない 無職の俺をゲーセンに連れていってくれた友達の話 好きなことと給料のバランス 仕事のある生活に慣れてきたのかもしれない 退職するのは難しい 家庭菜園で資本主義に抵抗する 調子が悪いときは銭湯に行く 疲れすぎて半日寝ていた 書店員としての仕事は毎日が文化祭みたいだ 仕事を休んでしまうときもある 家賃が人生を圧迫している 接客業の憂鬱 仕事選びに迷走するときもある 人生を生き抜くための趣味 弱さでつながる あとがき ページ数:85 判型:A6(文庫サイズ) 装丁:ツヅミアカリ Instagram:@tsuzumi_akari 【著者プロフィール】 夏森かぶと(著) 書店員として働く傍ら、エッセイを執筆。 著書(ZINE)に『本のある日常』『本のある生活』『本と抵抗』がある。
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栂嶺レイ『誰も知らない熊野の遺産』
¥1,078
世界遺産として有名になったが、熊野にはまだ手つかずの風景が残されている。失われつつある日本の、日本人の原型を探しにいこう。カラー写真満載の一冊。 世界遺産に登録後、注目を集め、往来の増え続ける熊野。熊野古道や熊野三山を観光する人は多いが、熊野の魅力はそれだけにとどまらない。聖なるもの・俗なるものが混じりあう不思議な伝説があり、古来から続く風習が残るなど、そこには失われた日本の原風景がいまも息づいている。観光では訪れることのない奥地へ自ら足を踏み入れ、語り部たちの言葉を丹念に聞き取り、これまで知られなかった歴史を探り出す。美しい写真とともに、誰も知らなかった熊野の姿をここに開陳。 新書版 256ページ 栂嶺レイ ( つがみね・れい ) 1966年生まれ。写真家・医師。2001年に写真撮影・CDデザイン等を手掛けるアールイーアイ・アートテックとして独立。紀伊半島、東北、九州、八重山諸島など、古い民俗・信仰を残す村々の取材と撮影を続ける。著者に『知床開拓スピリット』(柏艪社)がある。
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植島啓司著 鈴木理策(写真)『世界遺産 神々の眠る「熊野」を歩く』
¥1,540
神仏混淆の聖域の謎を明らかにする決定版! 本当の熊野がここにある! 世界遺産に登録されている熊野(紀伊山地の霊場と参詣道)は、日本でも有数の聖域であり、古来人びとはこの地を訪れてきた。縄文時代から記紀の時代、中世、近世、近代を経て、今もなお多くの人が熊野に足を運んでいる。なぜ人びとはこの地域に惹き付けられるのだろうか。神仏混淆と言われる熊野の深層には、いったい何があるのだろうか。世界各地の聖地を研究してきた宗教人類学者と地元出身の写真家が、さまざまな文献や精力的な現地取材をもとに、熊野の本当の魅力を明らかにする決定版。 新書版 252ページ [著者情報] 植島 啓司(うえしま けいじ) 一九四七年東京生まれ。宗教人類学者。一九七二年東京大学卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了後、シカゴ大学大学院に留学、ミルチャ・エリアーデらのもとで研究する。関西大学教授、NYのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ客員教授、人間総合科学大学教授を歴任。一九七〇年代から現在まで、世界各地で宗教人類学調査を続けている。『聖地の想像力』『偶然のチカラ』『世界遺産 神々の眠る「熊野」を歩く』『賭ける魂』他、著書多数。 鈴木 理策(すずき りさく) 一九六三年和歌山県新宮市生まれ。写真家。東京藝術大学美術学部准教授。二〇〇〇年第二五回木村伊兵衛写真賞。二〇〇六年第二二回東川賞国内作家賞、和歌山県文化奨励賞。二〇〇八年日本写真協会賞年度賞。著書に、写真集『熊野、雪、桜』『YUKI・SAKURA』他。
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平民金子『幸あれ、知らんけど』
¥1,870
神戸の街で40歳から子育てを始めた作者の、平凡だけどかけがえのない日常。 集団登校を見守り、50歳を前にラーメン漬け生活を捨て肉体改造に励む。 カレーうどんの汁を捨てる妻と大喧嘩、公園に恐竜がやって来る? 朝日新聞の人気連載を書籍化。帯文は岸政彦氏、柴崎友香氏。 素晴らしい写真は著者撮影 装丁:佐藤亜沙美 四六判並製 240ページ
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ジェシカ・ワイン『数学者たちの黒板』
¥3,850
黒板に魅せられた写真家が100を超える数学者の板書を撮影し、その数学者たちの黒板に関するエッセイを同時に収めた、黒板への愛に溢れた異色の数学×黒板写真集! 誰もが、かつて黒板に板書された授業の内容をノートに写して勉強した経験があると思います。その意味で黒板は身近とも言えますし、一方である時期を過ぎれば疎遠になってしまうものでもあります。そんな黒板は、数学を研究する人にとって、実は私たちの想像以上に重要な存在なのです。本書は、普段垣間見ることの少ない数学者の黒板を写真に写し、その数式を書いた数学者のエッセイを収めた、異色の数学エッセイ×黒板写真集です。 黒板はなぜ数学者にとって重要なのでしょうか。それは、「黒板に書くとき、私の中では、五感が総動員される。チュークの感触や音を感じ、チョークの粉の匂いを嗅ぎ、『黒板への書き込み』が、紙面への書き方とは違うことを知る」という人がいるように、黒板は数学者自身の身体の延長のようなものだからだと言えそうです。時間をかけて数式を展開していくことが思考を整理し、さらにほかの研究者たちと議論を共有するツールともなっているのです。「その長い歴史にもかかわらず、黒板は、数学について考え、伝達するための比類なきテクノロジーだ 」という言葉が、黒板のツールとしての洗練度を象徴しています。 それ以外にも、「黒板は数学者にとって真の魔力を持つ対象だ! 」「私は黒板が絶対になくならないでほしい。もしそうなったら、数学にとって大きな損失になるだろう」「黒板が私の人生を変えたと言っても過言ではない」「黒板は楽観主義を生み出す」「ホワイトボードは私にとってそこまで魅力的ではない」「寝室に黒板を備え付けるべきだと妻を説得し、実際にそうした 」……など、とにかく熱い黒板への思いがつづられていて、数学に興味のない方でもその想いがじかに伝わってくるものになっています。 本書に取り上げられているのは、アラン・コンヌ、ミーシャ・グロモフ、アンドレ・ネヴェス、カソ・オクジュ、クリスティーナ・ソルマニ、テレンス・タオ、ギルバート・ストラング、ヘルムート・ホーファー、スン=ユン・アリス・チャンといった数学界で名声をすでに得ている人に加えて、これからの数学界を担う活力にあふれる新人も含め、実に100以上の黒板と、その黒板に寄せた数学者の言葉が収められています。 現代数学に興味のある人は言うまでもなく、黒板で授業をしている教育関係者の方、そしてかつて黒板で学んだことのあるすべての人に、本書をおくります。 【著者紹介】 ジェシカ・ワイン(Jessica Wynne) 写真家、1972年生まれ。ファッション工科大学写真学科准教授。1999年にイェール大学芸術学部で修士号を、1994年にサンフランシスコ芸術学院で学士号を取得。彼女の作品は、「 Turn Shake Flip」(Celebrate Contemporary Art, Eyestorm Books)(2001)、「 25and Under: Photographers」(W.W. Norton & The Center for Documentary Studies at Duke University)(1996)などの書籍にも収録されている。自身の作品はモルガン・ライブラリー、サンフランシスコ近代美術館、カルティエ現代美術財団の永久コレクションに収蔵されており、ミラノ・トリエンナーレ、ホイットニー美術館、クリーブランド現代美術館、アートバーゼルなどで展示された。 【訳者紹介】 徳田功(とくだ・いさお) 立命館大学理工学部機械工学科教授。筑波大学にて物理学専攻。東京大学にて博士号(工学)取得。著書に『機械力学の基礎』(共著、数理工学社)、訳書に『不確実性を飼いならす』(白揚社)、『インフィニティ・パワー』(丸善出版)、『同期理論の基礎と応用』(丸善出版)など。 B5判:高さ182x幅260x厚み17 mm 240ページ
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【サイン本】岡本真帆『落雷と祝福』
¥1,870
※ 著者直筆サイン本です。 その愛は、短歌になるのを待っている。 マンガ、映画、犬、グミ、ぬいぐるみ、短歌… 歌人・岡本真帆が愛する様々なものをテーマに、短歌とエッセイをつづる。 ◆収録テーマ 「PUIPUIモルカー」/「シン・ゴジラ」/『チェンソーマン』/「ハチミツとクローバー」/『女の園の星』/「RRR」/グミ(お菓子)/花を買うこと/「THE FIRST SLAM DUNK」/犬/『スキップとローファー』/ぬいぐるみ/『ゴールデンカムイ』/『ちいかわ(なんか小さくてかわいいやつ)』/酒/短歌/スピッツ/『A子さんの恋人』 全18題。 ◆本書だけの特別書き下ろし 短歌を作りたい人のための「“好き”で短歌を作るには?」も収録。 四六判並製 216ページ
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平田 提『木ひっこぬいてたら、家もらった。』
¥1,760
生きづらければ、つくるのだ。 尼崎「ガサキベース」の店主・足立さんは、300 坪の土地と2軒の家をほぼゼロ円でもらった。 それは足立さんがどん底を経験しながらも、つくり続けたから生まれたお話。 「経済合理性」は、一つじゃない。 生きづらさを抱え「つくれる本屋」を開いた著者との対話から、生き方を探る一冊。 兵庫県尼崎市のガサキベース。工場をリノベーションしたその場所は、コーヒーも飲めるし、DIY を教えてくれる不思議な場所。 店主の足立繁幸さんはガサキベースの縁で島根の家を1 軒タダで譲り受け、その家の木を引っこ抜いていたら、うしろのもう1 軒ももらうことに。 どうしてそんなできごとが起こったのか?足立さんの幼少期からの生きづらさ、家族・DIY・仕事・お金……現代人に共通する悩みとともに紐解いていきます。 つくれば人とモノの縁がつながる。 ▼ 話し手 足立 繁幸(あだち・しげゆき) 島根県生まれ。尼崎でガサキベースを開き、DIYをデリバリーで行い、つくり方を教える。2025年以降はもらった島根の2 軒の古民家を改造して新しい拠点をつくる予定。 ▼ 聞き手 平田 提(ひらた・だい) 秋田県生まれ。Web 編集者・ライター。尼崎に「つくれる本屋」DIY BOOKS を2023 年10 月に開店。その際に足立さんと出会う。ZINEの作り方のスクールなどを開催。 四六判/144p ーーー 目次 7 はじめに 8『わらしべ長者』みたいなできごとはなぜ起こった? 11 なぜ空き家が増えるのか 12 経済合理性って何だ? 14 疲弊の果てのDIY BOOKS 18 人生はDIYでしかない 22 ガサキベース=「オムツの履き替え場所」 28 焼け野原のあとの、島根で 31 モテるために始まったDIY道 34 DIYと愛と「巣」 36 カクカクしていたあのころ 46 ガサキベースの誕生と変化 57 買うことで自分を高める機会と縁が切れる 60 メイカームーブメントと、ブリコラージュ、そして編集 64 作為的でない美しさと「普通」 67 いろんなかたちがあっていい 70 新しい家族との出会い 75 里親という家族のかたちと「波紋」 81 ガサキベースをちゃんと死なせたかった 87 「アマ」ではなく「ガサキ」なのはなぜか 90 手を動かすと昔と繋がる 93 子どもにはDIYをさせよ(まず大人から) 103 二項対立と秩序 104 生命はエントロピー増大に抗い「系」をつくる 108 人は自分の「系」をつくる存在 111 木を引っこ抜いてみた 114 愛のあった家と、ルーツへ 118 親心と戦争と百姓 120 根っこを逆に帰る 123 それぞれの論理へ 125 つくるから縁ができる 127 論理的思考は一つではない 129 根を張って生きる 132 終わりにかえて。文とつくること 136 あとがき
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上村一夫『あなたのための劇画的小品集』
¥2,750
本書は、千趣会が発行していた月刊誌「COOK」に1974年から1976年まで連載した短編漫画全25話を一冊にまとめたものです。 一話わずか7ページの中に、女性のささやかな日常が描かれ、時に暗く、悲しく、切なく、いつもの『わたし』が本当の『あたし』に語りかけてくるような作品です。 約50年前に描かれた本作の原画は残念なことに一枚も残っておりませんでしたが、雑誌から分版の手法で2色印刷を美しく再現しました。 サイズ:124mm x 181mm / 208ページ 仕様:上製本 丸背 しおり紐
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『上林曉の本 海と旅と文と』
¥2,640
美しい写真と、美しい文章で表した、文学の生まれる場所。 編:山本善行編、写真:鈴木理策 弊社はこれまで、『星を撒いた街』、『故郷の本箱』、『孤独先生』と 3 冊の上林暁(1902―1980)の本を刊行してきました。太宰治と同時期にデビューした作家は、心を病んだ妻を見つめ、のちに脳溢血によって半身不随となったあとも、震える左手で小説を書き続けました。本書『海と旅と文と』はその作家の波乱に満ちた生涯と作品を紹介する、読み応えたっぷりの「作家案内」です。冒頭の32ページでは、写真家・鈴木理策さんが作家の故郷である高知県の海沿いの町を撮影しています。その他、上林の小説が4本、震える手で書いた直筆原稿が12ページ、全小説集案内、木山捷平、野呂邦暢、関口良雄らが書いたエッセイが掲載されています。編者は、これまでの3冊と同じく、京都の古書店善行堂の山本善行さんがつとめてくださいました。ずっと大切にしたくなる、美しい本です。 四六判/ハードカバー 240頁
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チェ・スミン編 『私の小さな日本文学』
¥1,760
芥川、朔太郎、伊藤野枝。隣国から見る、あたらしい日本近代文学。 ソウルでひとり出版社「夜明けの猫」と、書店「セゴ書林」を営むチェ・スミンさんは、2010年に明治大学に入学しました。そこで日本の近代文学のおもしろさを知り、韓国に戻ってから、「あまり知られていない作家の作品を掘り出して翻訳することを決意し」、ひとり出版社を立ち上げます。彼女は、芥川龍之介や萩原朔太郎といったメジャーな作家だけでなく、伊藤野枝、片山廣子、豊島与志雄、牧野信一、田中貢太郎、渡辺温らの掌編小説を韓国語に翻訳し、印刷して、販売しはじめました。そのユニークな活動は韓国のリトルプレス周辺ではよく知られ、日本でも、岡山市で開催されている「おかやま文芸小学校」に毎年招かれ、自身で製作した冊子や文学グッズを販売しています。弊社もまた、「おかやま文芸小学校」に毎年出店し、そこで彼女の活動を知りました。16編の近代文学の掌篇を集めた瀟洒な本です。装画は恩地孝四郎、長いあとがきはチェ・スミンが日本語で書いています。これまでにない、あたらしい日本近代文学入門です。 文庫判/ハードカバー 208頁
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坂口恭平『BAUをめぐる冒険』
¥2,860
「僕はずっと建築家として生きている」 他人の家を建てるのではなく、生活の喜びを与える芸術、自分が生きるための空間をつくりだしてきた。 建てない建築家、坂口恭平の原点にして初の建築探訪記。 インド、ヨーロッパ、アメリカ。6ヶ国の旅、14組の建築家。 ◆「問い」を生み出すことでナチスに抵抗したバウハウス ◆ガウディの影に隠れながら、バルセロナの街に生涯を捧げた建築家ジュゼップ・マリア・ジュジョール ◆フンダートヴァッサーの「生きのびるための技術」 ◆不遇の時代を乗り越えて創作を続けたフランク・ロイド・ライト ◆周辺の環境や家具までも取り込んだ生活空間を考えた、ロサンゼルスのモダニズム運動 ◆個人の独創の産物「石の家」 ◆実験か、道楽か。フィリップ・ジョンソンとグラスハウス ◆公害で退廃した街を建築によって再生したフランク・O・ゲーリー ◆穏やかな暮らしに希望を見出したル・コルビュジエの晩年 ほか 書名にもなっている「BAU」とはもちろんドイツで生まれた世界初のモダンデザインの学校「BAUHAUS(バウハウス)」から借りたのですが、BAUのドイツ語の意味は辞書によると「家、建築、構造、動物の巣穴、ねぐら」とあります。僕はそれこそ自分なりのBAU=巣穴、ねぐらを表そうとしていると考えるとしっくりきます。小学生の頃、僕がつくったのは自分のためのBAU(巣穴)だったのですね。 家を建てるだけでなく、そこで暮らす人が使う物、生活に喜びを与える芸術、それこそ死にたいということを口にできる安心まで自作するような建築家。 僕はそんな建築家として生きているつもりです。 (「はじめに」より) はじめに バウハウスという生命体 インドと融合するコルビュジエ バルセロナ・モデルニスモという土壌 都市の治療としての建築 死ぬまでライトは格闘を続ける ロサンゼルスで「家」について考えた ポルトの街、二人の建築家、石の家 「まがいもの」の建築家 建築で蘇生した街、ビルバオ コルビュジエの建築を求めて、フランス縦断の旅 コラム ・原点 ・僕の家 判型/ページ数:A5判 並製 272ページ アリヤマデザインストア/装幀 【プロフィール】 著:坂口恭平 (サカグチ・キョウヘイ) 1978年熊本県生まれ。2001年、早稲田大学理工学部建築学科を卒業。作家、画家、音楽家、建築家など多彩な活動を行う。2004年に路上生活者の家を収めた写真集『0円ハウス』(リトルモア)を刊行。著作に『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』(太田出版)、『TOKYO0円ハウス 0円生活』(河出書房新社)、『独立国家のつくりかた』(講談社)、『モバイルハウス 三万円で家をつくる』(集英社)、『家族の哲学』(毎日新聞出版)、『幻年時代』(幻冬舎)、『まとまらない人』(リトルモア)、『自分の薬をつくる』『中学生のためのテストの段取り講座』(晶文社)、『躁鬱大学』(新潮社)、『土になる』(文藝春秋)、『継続するコツ』(祥伝社)など。近著に『生きのびるための事務』(マガジンハウス)、『その日暮らし』(palmbooks)、『自己否定をやめるための100 日間ドリル』(アノニマタジオ)がある。ほか画集『Pastel』『Water』(左右社)や料理書『cook』(晶文社)など多数。2023年2月には熊本市現代美術館にて個展「坂口恭平日記」を開催した。2012年から、死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービス「いのっちの電話」を自身の携帯電話で続けている。 写真:石塚元太良 (イシヅカ・ゲンタロウ) 1977年、東京生まれ。2004年に日本写真家協会賞新人賞を受賞し、その後2011年文化庁在外芸術家派遣員に選ばれる。初期の作品では、ドキュメンタリーとアートを横断するような手法を用い、その集大成ともいえる写真集『PIPELINE ICELAND/ALASKA』(講談社刊)で2014年度東川写真新人作家賞を受賞。また、2016年にSteidl Book Award Japanでグランプリを受賞し、写真集『GOLD RUSH ALASKA』がドイツのSteidl社から出版される予定。2019年には、ポーラ美術館で開催された「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展で、セザンヌやマグリットなどの近代絵画と比較するように配置されたインスタレーションで話題を呼んだ。2022年国立新美術館で行われた「Domani:明日展」でメインビジュアルを担当。近年は、暗室で露光した印画紙を用いた立体作品や、多層に印画紙を編み込んだモザイク状の作品など、写真が平易な情報のみに終始してしまうSNS時代に写真表現の空間性の再解釈を試みている。2025年奈良市立写真美術館にて個展が開催予定。
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植本一子『ニーニとネーネ vol.2』
¥1,200
500部限定 書き下ろしエッセイ「ネーネちゃんの入院」付 写真と文 植本一子 校正 藤本徹 デザイン 飯村大樹 フルカラー A6サイズ 40P ホチキス留め 完全家内制手工業 売り上げは猫たちの医療費およびQOLの向上に充てます
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植本一子『ニーニとネーネ vol.1』
¥1,200
500部限定 書き下ろしエッセイ「生きている」付 写真と文 植本一子 校正 藤本徹 デザイン 飯村大樹 フルカラー A6サイズ 40P ホチキス留め 完全家内制手工業 売り上げは猫たちの医療費およびQOLの向上に充てます
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【サイン本】植本一子『それはただの偶然』
¥1,540
※ 著者直筆サイン本です。 いつか別れる日のために どこまでも一緒に歩いた わたしたち 自費出版で初めてエッセイ集を作りました。 今年の春に事件に巻き込まれてしまい、かなり苦しい日々を過ごしてきました。 生きることさえ諦めそうになったけれど、書くことはそんな自分を助けてくれました。 夏から秋にかけて書いた7篇と併せて『文學界』『ベストエッセイ2024』に掲載された1篇、少しの詩を載せています。 また、今回「わたしの現在地」というシリーズ名をつけたので、気長に作り続けていけたらと思っています。 ーーー失われてしまったものや、残されたひとたちのことが、ここにはちゃんと書かれているように思います。(柴山浩紀・編集者) ーーー新刊は、書き手としての一子ベストワークを更新してると思います。エッセイ集として編まれることを意識して書かれたことが、読んでいてもわかったし、あとがきを読んでもなるほどという感じで、移行期/過渡期的だった「愛は時間がかかる」よりも腰の据わった、覚悟みたいなものを感じる本でした。やっぱり日記からエッセイに、というのはきっとすごい難しいハードルで、そこを越えて=いろんなものを手放して、その代わりにエッセイでないと書けないことを書いている。 そして思ったのは、もしかしたらこれは「エッセイスト植本一子」誕生の書であり、同時に、「日記作家植本一子」との決別の書なのではないか、みたいなことでした。もう一子さんは日記を書かない(書けない)んじゃないか。でもそれはまあ自然というか仕方ないというか必然的なもので、一子さんはこれまでも常に、自分の大事なことを書くために最善の方法として日記という形を選んできたのだと思うし、いまはその大事なことを書くために必要な形が変わってきたということなんだと思います。(滝口悠生・小説家) わたしの現在地(1) 『それはただの偶然』 もくじ 一緒に生きていこうぜ 春 小森さんと私 タトゥーを入れる それは愛と呼ばれる何か 新しい友達 高橋さんのこと お葬式のメンバー ねこのきもち 私たちの本当の終わり あとがき 植本一子 出版年表 装丁 六月 校正 藤本徹 協力 柴山浩紀 印刷 株式会社イニュニック
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宮田珠己『宮田珠己の楽しい建築鑑賞』
¥2,420
団地、ビル、庁舎建築、キャバレー、灯台、ゲタバキ団地、小屋、公衆トイレ、エスカレーター、室外機、配管、送水口… すべての建築には鑑賞を楽しむ愛好家がいる。 彼らの鑑賞の作法を知れば、日常の景色の見方が変わる。 われわれの住む街は、もはやワンダーランドとなるのだ。 この本では特定の建築を愛する「建築鑑賞家」たちをナビゲーターに迎え、その建築に秘められた唯一無二の魅力と偏愛の理由を宮田珠己さんが紐解いていきます。 写真はすべて撮りおろしです。写真集としての価値もあり、街歩きガイドブックとしても楽しめます。 ■目次 1 秀和レジデンスの昭和なかわいさ 2 団地の用の美 3 室外機のカオス 4 テラゾーのいじらしさ 5 吹き抜けはユートピアに建つ塔 6 働く人たちをサポートする小屋 7 キャバレーのむき出しな工夫 8 ゲタバキ団地の標準化できない個性 9 高度経済成長期のビルの媚びなさ 10 エスカレーターの未来感 11 灯台の孤高さ 12 送水口の健気さ 13 配管の美と匠 14 庁舎建築と人々の思い 15 公衆トイレを平熱で ページ数:192 判型:A5判 宮田珠己(著)/傍島利浩(写真) ■著 宮田珠己(みやた・たまき) 1964年兵庫県生まれ。作家・エッセイスト。『ときどき意味もなくずんずん歩く』『晴れた日は巨大仏を見に』(ともに幻冬舎文庫)、『いい感じの石ころを拾いに』(中公文庫)、『路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅』(亜紀書房)、『明日ロト7が私を救う』(本の雑誌社)など紀行エッセイを中心に、日常エッセイ、書評や小説なども執筆。『ニッポン47都道府県正直観光案内』(幻冬舎文庫)で第14回エキナカ書店大賞を受賞。 ■写真 傍島利浩(そばじま・としひろ) 1965年大阪府生まれ。1991年より藤塚光政に師事。1996年よりフリーランス。建築、インテリア、プロダクト、アート、人物を中心とした雑誌、広告、竣工写真などを手がける。2006年、株式会社プンクトゥム設立。共著に『奇跡の住宅 旧渡辺甚吉邸と室内装飾』(LIXIL出版)、『東京の名駅舎』(草思社)、『東京名建築さんぽ』(エクスナレッジ)、『日本の不思議な名建築 111 』(エクスナレッジ)などがある。
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ボソン『はじめてのヴィーガン日記』
¥2,860
韓国でじわじわ拡大中のムーブメント! “ゆるヴィーガン”コミックエッセイ 食べ物を変えたら、 ネガティブな自分も変わった ☑週に1日だけ菜食してみる ☑革製品の使用をやめてみる ☑肉料理の写真をSNSにアップするのを控える …など 日常の小さな選択の積み重ねで、世界は大きく変わります。 ヴィーガニズムは、自分も、他の存在も尊重できる 平和な生き方のひとつ。 思い立ったらいつでも、気軽にはじめられます。 【あらすじ】 韓国で暮らす女性アメリは、人生に対していつもネガティブ。日々の生活のなかで、自分自身がつらさに苦しんでいるからこそ、「他者の存在を苦しめながら暮らしたくない」と思うようになります。たまたまインターネットで見かけた保護ペンギンが、勇敢に海に帰っていく様子をみて、「少しでも他の存在にやさしい暮らしをしよう」とヴィーガンになろうと決めました。菜食をはじめたことで、アメリの心と体には、少しずつポジティブな変化が現れます。 まわりの友人のリアクションや、菜食を始めてから変わったライフスタイルなど、ヴィーガンの日常生活をやさしいタッチのイラストで描きます。「なぜヴィーガンが環境にいいの?」「食べるものに苦労しない?」といった身近な疑問から、動物の権利など菜食の理論について、初めての方にもわかりやすく紹介する、ヴィーガン入門にぴったりの一冊です。 ・わたしがヴィーガンになった理由 ・菜食主義とは? ・菜食のほうが高くつかない? 栄養は足りる? ・買い物に行ったときの商品の選び方 ・完璧主義者にならなくていい ・いろいろあるお肉の代替料理 ・「動物解放」の思想って? 金みんじょん(訳) 判型:A5 ページ数:オールカラー232ページ 【プロフィール】 著:ボソン(보선) 絵を描く人。暗い心の中に小さな光を見つけ、描くのが好き。他者の苦しみを痛感し、より多くの存在が苦しみを少なくすることを願いヴィーガンを志す。 韓国ではヴィーガンが50万人、ベジタリアンおよび植物性食品を中心とした食生活を送る人が150万人を超え、菜食がメガトレンドとなっている。入門書としてよりヴィーガンを身近なライフスタイルに感じられるよう、本書を執筆。 訳:金みんじょん 文に触れることと東京が好きな翻訳者、エッセイスト。慶應義塾大学総合政策学部卒業。東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程単位取得退学。 韓国語著書に『母の東京 ― a little about my mother』『トッポッキごときで』、共著書に『小説東京』『SF金承玉』など。訳書に『私は男でフェミニストです』(チェ・スンボム著)、『終わりの始まり』『誰もが別れる一日』(以上2冊、ソ・ユミ著)、『「ふつう」の私たちが、誰かの人権を奪うとき:声なき声に耳を傾ける30の物語』(チェ・ウンスク著)、『ダーリンはネトウヨ』(クー・チャイン著)、共訳書に『K-POPはなぜマイノリティを惹きつけるのか:クィアとアイドルの交差するところ』(ヨン・ヘウォン著)など。
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デイヴィッド・ホックニー『デイヴィッド・ホックニー作品集』
¥4,730
現代の巨匠ホックニー 待望の日本語版作品集! 60年以上に渡る作家人生において、デイヴィッド・ホックニーは常に新しい技法を試み、作品の表現を模索してきた。本書では、そんなホックニーの作品と彼による短い言葉を通じ、見ることと描くことをめぐる、彼の生涯を通じた実験的試みの軌跡を辿っていく。油彩や素描、水彩、版画、写真とさまざまな技法を用いた作品の変遷を紹介するとともに、近年の最新作まで約500点収録! 2006年にイギリスで刊行された書籍の増補改訂版。 判型: B5変 総頁: 496頁 製本: 並製 デイヴィッド・ホックニー(David Hockney) 世界中で高い人気を誇る美術界の第一人者。これまで絵画、素描、舞台装飾、写真、版画などありとあらゆるメディアを駆使して作品を制作し、それぞれの領域を拡大してきた。著書にベストセラー『秘密の知識―巨匠も用いた知られざる技術の解明―』(青幻舎刊)がある。
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収集百貨5
¥1,100
著者(収集者) BOCO / Photographer Udagawa / Zakka Planner magster / Magnet Collector matsuko / Designer ★SPECIAL THANKS ! menko collection / susumu A5サイズ 38ページ 中綴じ
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収集百貨4
¥1,100
今回は四匹のコレクションページに加え、消しゴムコレクターのまゆぷ~さん、紙物コレクターkamisamaさんと、溜めっこレジェンドのおふたりをゲストにお迎えして内容もますますパワーアップ! ミニマリズムの向かい風もなんのその、溜めっこ伝説新シーズンのはじまりです。 今回は完全オリジナル!コレクションのかけらのオマケつきです。 【ゲストコレクター】 まゆぷ〜(消しゴムコレクター)Instagram/X/ブログ kamisan(紙物コレクター)Instagram 仕様:オールカラー/A5サイズ(148×210mm)/38ページ/ホッチキス中綴じ
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【サイン本】泉谷しげる『ローリングサンダー』
¥2,200
※ 著者直筆サイン本です。 ミュージシャン・泉谷しげる はじめての描き下ろしマンガ発刊‼ 1971年『泉谷しげる登場』でフォークシンガーとしてデビュー。誰もがミュージシャン、そして俳優としての活動を知るところではあるが、実はマンガ家を目指していた泉谷。80年代からは「サイバーパンク」をモチーフに映像、絵画作品を多数制作。そして2025年、長年の夢だったサイバーパンクのマンガを描き上げた! 時代と対話し続ける泉谷だからこそ描ける予見の書⁉ A5変形判並 246頁 【泉谷しげる】 シンガーソングライター・俳優・漫画家。1971年にデビュー。反骨精神あふれるスタイルで音楽活動を続ける一方、俳優として数々の作品に出演。1980年代には石井聰亙監督作品の美術、音楽を担当。1993年から音楽フェスを主宰するなど多方面で影響を与える存在。
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アーノルドローベル『ふたりはともだち』
¥1,045
仲よしのがまくんとかえるくんを主人公にしたユーモラスな友情物語を5編収録。読みきかせにもふさわしいローベルの傑作です。小学校の教科書に採用されています。 刊行以来とてつもない回数の重版を重ねています。 A5版 64ページ
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『みんなでつくる中国山地2024 005 レッツ号』
¥2,750
特集:出会い直そう。 東京を中心とした「都市」にひと、もの、かねが動いた近代以降、新幹線や航空など地方は都市部とどうつながるか、利便性を競った。でも、便利で早い移動だけでいいの?昔から街道や峠道や川でつながり、ネットワ—クをつくってきた中国山地から、「移動」をキ—ワ—ドに、これからの人の暮らしや地域、社会のことを考えてみようと思います。 B5版変型 180頁 並製本
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【ラッピングカバー版】角田光代『Presents』
¥2,420
私たちはたくさんの愛を贈られて生きている。この世に生まれて初めてもらう「名前」。放課後の「初キス」。女友達からの「ウェディングヴェール」。子供が描いた「家族の絵」――。人生で巡りあうかけがえのないプレゼントシーンを、小説と絵で鮮やかに切りとった12編。贈られた記憶がせつなくよみがえり、大切な人とのつながりが胸に染みわたる。カバーを広げると一枚の包装紙になるラッピングカバー版。カバー裏面には、スピンオフ短編と描き下ろしイラストを収録。 判型:A5判 ページ数:209ページ
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【サイン本】片岡メリヤス|極私的 OKINAWAのカタチ
¥3,080
※ 著者直筆サイン本です。 2025年1月に個展「極私的 OKINAWAのカタチ」を開催した片岡メリヤスさんと作品を作りました。姉妹店のある日、で行っていた沖縄を知ろう企画「月刊 OKINAWAのかたち」*と合わせて64体の沖縄由来のぬいぐるみたちが収録されています。 ぬいるぐみの特徴やメリヤスさんの制作メモ、4コマ漫画、制作ラフ、聖地巡礼マップに加えて元になった沖縄の「食」「自然、植物」「歴史」「行事、信仰」「生き物」「文化」を"極私的" に紹介したテキストページと大充実の100p超えの作品集となりました。 メリヤスフィルターを通して見えてくるOKINAWAのカタチをお楽しみください◯ 210mm×165mm /120p / スクラム製本(輪ゴムの色はランダムでお届け) / ソフトカバー デザイン:NERD 【プロフィール】 片岡メリヤス| Meriyasu Kataoka ぬいぐるみ、動くおもちゃ、光るおもちゃなどを制作。 X & Instagram _ @Kataokameriyasu
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【サイン本】古賀及子『おかわりは急に嫌』
¥1,870
※ 著者直筆サイン本です。 いま大注目のエッセイストによる『富士日記』への道案内。 戦後日記文学の白眉とされる武田百合子『富士日記』のきらめく一節をあじわいながら、そこから枝分かれするように生まれてくる著者自身の日記的時間をつづる。 武田百合子生誕100年の年におくる、日記エッセイの書き手による『富士日記』再読エッセイ。 * * * ルーティーンのなかには細かく細かく、たくさんのいつもの行動がある。繰り返しのことだと、好きだとか苦手だとか、だんだん感じにくくなっていく。「しゃがんで動物に御飯をやる」ことに、ここ、と矢印をつけて好きと言えるのは稀有だと思う。 それくらい、日常というのは人に構ってくれないものだ。 (本文より) 【目次】 はじめに おかわりは急に嫌 なま身の善意 どちらも食べたいんですが 昭和がめちゃくちゃ 誰かの家はあいまい 桃のおばさん 食い逃げを見る おもしろいほど喜ばれない 車のなかで食べなさい 普通のところだ 人が死んだのか トンネルを走るお風呂 まずいたべもの 「わざわざ」以前の瓶ビール 重いふかしパン いかにもマニュアルのなさそうな コンビーフは今もある 蜂に印をつけられるか 食べ物に追われたい 情緒よりパワーのお土産 同居の人が不在であること 家具こそ雑に買う 自分ちじゃない家に帰って浴衣で寝る またたく間に食べるひとたち 生きたり死んだりする鳥 これくらい本気で『水戸黄門』が観たい 声に出してさびしい ふたりとひとりの奔放と気まま 運動の生息 映画は大胆に観る シャトルバスのヒッチハイク 三つずつ二膳の餅 涙が出て、それから笑う 反転を感慨するためだけの訪問 本当に現実とごっちゃになるときの夢の形 宿題をやらない人たち 誰もいない家 尻とへそ たくあんを食べたあとに飲む水は甘いか 正式な自分のごはん、非正式なごはん 下着かもしれない危機 男がいて嬉しい 新しくてわからない世の中 するときが好きだ 食べ物の不安 きっともっとゆっくり死んだだろう 遠くのあなたの装いを あとがき ページ数:240 判型:B6判変形並製 装丁:鈴木千佳子 【著者プロフィール】 古賀 及子(著) エッセイスト。1979年東京都生まれ。著書に『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』『おくれ毛で風を切れ』(ともに素粒社)、『気づいたこと、気づかないままのこと』(シカク出版)、『好きな食べ物がみつからない』(ポプラ社)など。
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【特典付】くどう れいん『日記の練習』
¥1,870
※ 特典として、限定書き下ろし小冊子『日記の練習 2025年3月』が付いています。 「おもしろいから書くのではない、書いているからどんどんおもしろいことが増える」 小説、エッセイ、短歌、絵本と幅広い創作で注目される作家、くどうれいん。その創作の原点は日記にあった。そんな彼女の日記の初の書籍化が本書である。日々の短文日記=「日記の練習」とそれをもとにしたエッセイ「日記の本番」をとおして浮かび上がる、作家くどうれいん一年間の生活と思考と情動。書かなかった日も、あまりに長くなってしまう日も、それこそが日常のなかの日記だ。 装幀 装画:近藤聡乃 組版:佐々木暁 校正:東京出版サービスセンター 判型:四六判 ページ数:256ページ くどう れいん 作家。1994年生まれ。岩手県盛岡市出身・在住。著書にエッセイ集『わたしを空腹にしないほうがいい』『うたうおばけ』『虎のたましい人魚の涙』『桃を煮るひと』、歌集『水中で口笛』、小説『氷柱の声』、創作童話『プンスカジャム』、絵本『あんまりすてきだったから』などがある。
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勅使川原真衣『「これくらいできないと困るのはきみだよ」?』
¥2,255
勅使川原 真衣/編著、野口 晃菜・竹端 寛・武田 緑・川上 康則/著 学校の内外から教師・子どもに向けられる能力主義を語りひらく 【本書の概要】 社会や労働にある一元的な能力主義や「傷つき」について、組織開発者として日々論じている勅使川原真衣さんが、教育・福祉の専門家・実践家と対談。学校をめぐる際限なき「望ましさ」の背景にどんな傷つきや焦りがあるのかを探り、一元的な能力主義をほぐしていくための糸口を考えました。 【本書からわかること】 環境や関係性を無視した能力観の果てに 社会では、日々さまざまな能力の必要性が訴えられていますが、それらは非常に移ろいやすいものです。労働の世界に目を向ければ、「新卒で必要な能力」が時代とともに移ろいますが、能力とは個人に宿るものではなく、その発揮は本来、環境との関係に左右されます。 そして、労働の世界とは切っても切りはなせない関係である教育の現場でも、「コミュニケーション能力」「非認知能力」「指導力」という表現に、こうした一元的な能力主義の片鱗を見つけることは難しくありません。 例えば、「これくらいできないと困るのはきみだよ」。言ったり、言われたりしたことのある人は多いでしょう。学校で相手や自分に「これくらいできないと困るのはきみだ」と言いたくなるときには、どのような社会で生きることが想定されているでしょうか。 「これくらい」が規定する社会は存在するのか 本書の編著者である勅使川原さんは、「能力とは個人に宿るものではなく、他者や環境との関係の中で発揮されるのではないか」と提案します。そして、一元的な能力主義を脱するためには、個人がすべての“能力”を身に付けて「強い個人」として生きることを目指すのではなく、強さと弱さ、とがりや特性を組み合わせて生きていくことを目指すほうが大切なのではないかとも考えます。 本書では、「これくらいできないと」に表現される焦りが、昨今の学校をめぐる状況への合理化として表れているのではないかと仮定し、どうすれば一元的な能力主義という“自縄自縛”をほぐしていけるのかを議論します。 「学校だけが変わったって意味はない」? 「学校がいくら個性を大切にしても、その先で生きていく社会が変わらなければ、結局困るのは子どもたちではないか?」――こうした不安も生じるかもしれません。しかしながら、不登校児童生徒が30万人を超える今、このまま進んでいったとして、学校は子どもたちにとって、そして先生にとって、どんな場所になりうるでしょうか。私たちは、なに「から」始めていけそうでしょうか。4つの語り合いを通して、学校にある大人や子どもの傷つき・葛藤をつぶさに見つめながら、糸口をいっしょに考えていくための1冊です。 【目次】 はじめに 対談1 声を聞かれるということ(野口晃菜) 対談2 学校でケアし、ケアされるということ(竹端 寛) 対談3 学校がそうせざるを得ない合理性を追って(武田 緑) 対談4 言っても癒えない?――学校という職場で(川上康則) おわりに ページ数:376 判型:四六判 【こんなときにおすすめ】 ・自分や同僚、子どもに対して「これくらいできないと……」と言いたくなるとき ・子どもの個性やとがりを大切にしたいけど、それが子どものためになるのか不安なとき ・学校や教室の「○○力」や能力主義について考え直したくなったとき ・先生同士や子どもに向けられる一元的な能力主義について考え直したくなったとき 勅使川原 真衣(てしがわら・まい) 組織開発研究者 東京大学大学院教育学研究科修了。BCGやヘイ グループなどのコンサルティングファーム勤務を経て、独立。教育社会学と組織開発の視点から、能力主義や自己責任社会を再考している。2020年より乳がん闘病中。著書に『「能力」の生きづらさをほぐす』(どく社)、『働くということ』(集英社新書)、『職場で傷つく リーダーのための「傷つき」から始める組織開発』(大和書房)。 野口 晃菜 ( のぐち・あきな) 博士(障害科学)/一般社団法人UNIVA理事 小学校講師、障害のある方の教育と就労支援に取り組む企業の研究所長を経て、一般社団法人UNIVA理事。学校、教育委員会、企業などと共にインクルージョンの実現を目指す。文部科学省「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討委員会」委員、経済産業省産業構造審議会委員、東京都生涯学習審議会委員、日本ポジティブ行動支援ネットワーク理事など。 竹端 寛 (たけばた・ひろし) 兵庫県立大学環境人間学部教授 博士(人間科学)。現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。子育てをしながら、福祉やケアについて研究。専門は福祉社会学、社会福祉学。 武田 緑 (たけだ・みどり) 学校DE&Iコンサルタント・Demo代表 学校における【DE&I(多様性・公正・包摂)】をテーマに、研修・講演・執筆、ワークショップやイベントの企画運営、学校現場や教職員への伴走サポート、教育運動づくり等に取り組む。全国の教職員らと共にNPO法人 School Voice Projectを立ち上げ、現在は理事兼事務局長として活動に従事している。 川上 康則 (かわかみ・やすのり) 東京都杉並区立済美養護学校主任教諭 公認心理師、臨床発達心理士、特別支援教育士スーパーバイザー。NHK Eテレ『ストレッチマンV』『ストレッチマン・ゴールド』番組委員。立教大学卒業、筑波大学大学院修了。肢体不自由、知的障害、自閉症、ADHDやLDなどの障害のある子に対する教育実践を積むとともに、地域の学校現場や保護者などからの 「ちょっと気になる子」への相談支援にも携わる。
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岡野大嗣『時の辞典 365日の短歌』
¥2,145
【歌人・岡野大嗣、10周年記念ベスト作品集!】 365日、その日その季節にぴったりの短歌を並べてみたら、大切な記憶のとびらを開いてくれる「時の辞典」ができました。 短歌とは、五七五七七の三十一音にことばを映して、時を掬(すく)い上げうるもの。 (3月27日)あとがきにかえて、みたいに咲いている桜 そういう気持ちの夜に あの日、見上げた空を思い出したり。 (5月18日)方言をほころびあっていくふたり五月の川を並び歩いて 出会えた喜びに、目を細めたり。 (9月14日)沿道のコスモスざかりに押し歩く自転車 長く生きてきたよな 現在地を知って、ふと立ち止まったり。 (10月24日)ひさしぶりに食べるとおいしいねと話すあなたはひさしぶりが同じひと かけがえのなかった瞬間に、気づかされたり。 (12月27日)ファミレスは小さな足湯 近況をどこまでさかのぼって話そうか いつか見たい景色を、思い浮かべたり。 365日並べた短歌は、わたしたちが生きてきた「時間」そのものでした。 時の流れが止まることはありません。 けれど、忙しい日々の中で、1日1つだけでも短歌を読んでもらうことができたなら。 こぼれ落ちていった記憶を少しでも掬い上げてもらえるかもしれない。 まるで、見つからないことばの在り処を教えてくれる「辞典」のように。 そんなことを思って、この本をつくらせていただきました。 今日の日付でも、誕生日でも、たまたま開いた日でも、お好きなページからお楽しみください。 1年に始まりのカレンダー代わりに、あるいは、大切な人へのプレゼントにもぴったりの本です。 【こだわりの仕様】 ・短歌は1日1ページ、1つずつ。初めて短歌の本を読む方にも気軽に読んでいただけるよう、できるだけ文字も大きくしています。 ・四六版を少し細くしたサイズはT188mm × Y120mm。かわいくて、持ちやすく、読みやすいサイズです。 ・カバーデザインにある鍵のフチは、キラキラのホログラム箔加工です。 ・本文用紙は12色の色紙になっています。1ヶ月ごとに色が変わる、季節感ある読書体験をお楽しみください。 判型:四六判変形(120mm×188mm) 並製 頁数:392ページ 【著者情報】 岡野大嗣(おかの・だいじ) 1980年大阪生まれ。2014年に第1歌集『サイレンと犀』(書肆侃侃房)を刊行。18年に木下龍也との共著『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』、19年に谷川俊太郎と木下龍也との共著『今日は誰にも愛されたかった』(ともにナナロク社)、第2歌集『たやすみなさい』(書肆侃侃房)、21年に第3歌集『音楽』(ナナロク社)、23年に第4歌集『うれしい近況』(太田出版)、24年に短歌×散文集『うたたねの地図 百年の夏休み』(実業之日本社)。NHK Eテレ「NHK短歌」2023年度選者。
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鹿島茂『パリの本屋さん』
¥3,520
古書店、カフェから絢爛たるアートまで。博覧強記の達意の文章家たる著者が四半世紀にわたって書いてきた、パリにまつわる六十編余の文章の傑作選。知的興奮がやまない歴史散策を一冊に! 判型:四六判 ページ数:352ページ
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『TRANSIT NO.66』
¥1,980
東京から飛行機で約4時間。やってきたのは、週末の旅先としても人気の高い台湾!魯肉飯や小籠包といったグルメにレトロかわいい雑貨たち、そして地方へ足を延ばせばノスタルジックな街並みから豊かな自然、原住民族の暮らしまで。九州ほどの面積の小さな島にたくさんの魅力がつまっています。 一方、政治や歴史をひもとくと、中国、日本、欧米諸国……さまざまな思惑が絡み合い、絶妙なバランスで現在の台湾があることにも気づきます。そのなかで自分たちのアイデンティティを模索し、行動し、声をあげ、自分たちの台湾をつくろうとしている人びとのことをもっと知りたい!そんな想いで、1カ月の間首都台北に編集部の拠点を移し、各地を駆け巡って制作したTRANSIT初のまるごと一冊台湾特集です。 台湾にいると元気になる、その秘密を探ってみませんか? TRIP 台北から離れて 彩色主義者たちの台湾 3,603mの高峰から望む遠い山なみの光 台北ニュージェネレーション ニホンゴが聞こえる村 金門島が語ること 手から広がる美麗台湾風光 アミの住む街で etc. CONTENTS 台湾ってなんだ? オードリー・タンと歩んだIT化と民主国家への道のり 今世界を圧倒するTSMCはなぜ強い? 台湾の女王:ニンフィア・ウィンド 激動の台湾歴史図巻 「親日国」の胸のうち 「台湾有事」は起こるのか? 蔡英文と頼清徳、二人の総統から考える 台湾の行く先 金城武の惑星を探して ネオ・クラシカルな台湾デザインを求めて 台湾の味 (ご当地グルメ/夜市/お茶/台湾美食/コーヒー食養生/昨日何食べた?) 時代を超える台湾カルチャー! (イントロダクション/現代アート文学/建築/ドラマ/映画/音楽/interview 蔡明亮/9m88 × 傻子與白痴) 16の原住民族を知る 週末台湾完全攻略ガイド A Weekend Trip to Taiwan(温泉/老街/信仰/古道/海旅/台湾一周徒歩旅行) TRANSIT編集部in台湾 30日引っ越しドキュメント etc. GUIDE 南台湾トラベルガイド 台南の朝/アート/建築/冷たいおやつ/夜市とバー/高雄/嘉義 SPOT 台南、台中、鹿港、高雄、基隆、向陽山、嘉明湖、苑裡、坪林、長濱 etc. PEOPLE 黄冠智、Nymphia Wind、内田真美、蔡明亮、9m88、傻子與白痴(Fool and Idiot)、田中佑典 etc. PHOTOGRAPHER 田尾沙織、谷口京、CHENG CHUNG YAO、池田宏、菱田雄介、KRIS KANG、在本彌生 etc.
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『武井武雄 幻想の世界へようこそ』
¥3,300
「童画」という言葉を生み出し、児童文化の礎を築いた芸術家・武井武雄(1894-1983)。 生誕130年にあたる2024年、回顧展「生誕130年 武井武雄展~幻想の世界へようこそ~」が開催され、本書はその図録を兼ねた書籍。 1894(明治27)年に長野県岡谷市に生まれた武井は、幼少期より絵や俳句に親しみ、成長するにつれて画家になることを目指した。東京美術学校(現 東京藝術大学)に入学し、黒田清輝、藤島武二らに学び、本格的に油彩画を修得するが、卒業後は画家の道へは進まず、絵雑誌『コドモノクニ』に企画段階から携わり、子どものために描く絵を「童画」と名付け、童画家になる覚悟を決める。 次第に多方面で才能を開花させていき、童画だけでなく、武井の創作意欲は、版画、玩具のデザイン制作、造本と、ジャンルを問わず向けられた。とくに細部にまでこだわり抜いて作った刊本作品は武井芸術の結晶といえる。これら至極の逸品の数々には武井の革新性や創造性だけでなく、彼の思考や想いを感じ取ることができる。 本書では、武井の故郷岡谷市にあるイルフ童画館の所蔵品を中心とし、約300点におよぶ作品や関連資料で、武井が描く幻想の世界を紹介する。ときにユーモラスに、ときにシニカルに、さまざまな顔を持つ作品群は、読者を知らぬ間に詩情あふれる不思議な世界へと誘う。 大正から昭和にかけて活躍し、後世の芸術家や文化人にも影響を与えた稀代のマルチアーティスト・武井武雄の功績を知ることができる作品集。武井武雄の大ファンである黒柳徹子さんが作ったお話と武井の絵を組み合わせた絵本『木にとまりたかった木のはなし』に掲載された作品と、奇蹟が重なってできあがったというこの絵本がどうやって生まれたのかを黒柳さん自身が語った文章も掲載。黒柳さんが絶賛する武井武雄の幻想の世界を巡ることができる一冊。 <目次> はじめに 展覧会によせて/早出一真(岡谷市長) 童画家の矜持/山岸吉郎 プロローグ 武井武雄とは 第1章 童画 第2章 版画 私の版画随想/武井三春 童画家・武井武雄は進化する/河西見佳 第3章 刊本作品 第4章 デザイン 第5章 木にとまりたかった木のはなし 色んな奇蹟が重なってできあがった本/黒柳徹子 エピローグ 武井武雄が思う平和とは もう1人の主人公/遠藤知恵子 「日本童画家協会展」のタブロー画に見る武井の童画への思い/犬塚奈々子 武井武雄年譜 掲載作品目録 参考文献 著/武井武雄 195×195mm 並製本 240頁(図版約300点) ◆武井武雄(たけいたけお) 1894(明治27)年~1983(昭和58)年、平野村(現長野県岡谷市)西堀に生まれる。 幼少の頃は病弱で、家の中で絵や俳句に親しんだ。 東京美術学校(現東京藝術大学)西洋画科卒業後、絵雑誌『コドモノクニ』などに絵を描き始め、それまでの子どものための絵に見られなかったような、空想力とユーモアに富んだ新しい感覚の作品を次々に発表した。 「子どもの心にふれる絵」の創造を目指して、自ら「童画」という言葉を生み出し、大正から昭和にかけて童画、版画、刊本作品、玩具やトランプのデザインなどさまざまな芸術分野に活躍し、童心を巧みに表現した独自の画風で童画界をリードした。
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丸山健二『言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から』
¥2,530
「いつの間にやら八十歳になりました。長いこと文学の創作に携わり、あと二年もすると六十周年を迎えます。なぜか元気です。肉体の方はまあまあといったところですが、精神のほうは苦労性のせいなのか研ぎ澄まされる動きを止めません」……23歳で芥川賞を受賞しデビュー、小説家としての人生をフルスロットルで駆け抜けてきた著者が、齢80を過ぎて至った境地。小説と同じく丹精した庭に佇み去来するよしなしことを、時にユーモアを交えてストレートに綴った、掛け値なしに「元気をもらえる」エッセイ集!〝いぬわし書房〟ホームページの同名連載の書籍化。 【目次】 初めまして 何はともあれ、生きてみようか 何が面白くて生きるのか この世のいっさいは幻想 幸福は葉陰から覗くサクランボ 「いいよねえ、この感じって」 春の嵐の最中に 駄目なものは駄目 時は常に朧なり 美の基準はどこに 物事の始まりは決まって華やか ヤドリギはどっち ほかに道はなかった 華があるのに渋い花 らしくない小説家? 現在より偉大な過去はない 苦悩と情熱にあふれ返る現世 「人生なんてさあ……」 「死が癒してくれるよ」 「生きたまま現世を超える?」 「死ぬまで振り返らないぞ」 「自分を買い被ってやろうかな」 「天然記念物であらせられるぞ!」 「光を浴びてから死のうか」 最後の勝利者は誰? 小説家のサガって何? ……ほか 丸山 健二 (マルヤマ ケンジ) 1943年、長野県飯山市に生まれる。仙台電波高等学校卒業後、東京の商社に勤務。66年、「夏の流れ」で文學界新人賞を受賞。翌年、第56回芥川賞を史上最年少(当時)で受賞し、作家活動に入る。68年に郷里の長野県に移住後、文壇とは一線を画した独自の創作活動を続ける。主な作品に『雨のドラゴン』『ときめきに死す』『月に泣く』『水の家族』『千日の瑠璃』『争いの樹の下で』ほか多数。また、趣味として始めた作庭は次第にその範疇を越えて創作に欠かせないものとなり、庭づくりを題材にした写真と文章をまとめた本も多い。また、2020年に「いぬわし書房」を設立し、長編小説『ブラック・ハイビスカス』(全4巻) を、23年、『風死す』(全4巻) を刊行。出版活動のほか〈丸山健二塾&オンラインサロン〉や〈丸山健二文学賞〉なども運営している。 四六判 248ページ 上製
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【予約・限定500部】林央子『here and there vol1 - vol.13.5』
¥17,600
※ 印刷部数は500部限定です。発送は4/中~4/下予定です。 『here and there』は、資生堂の企業文化誌『花椿』の元編集者・林央子が2002年に創刊したインディペンデントマガジンです。創刊以来、ファッション、アート、カルチャーを独自の編集アプローチで融合させ、「自分の時間、友人、出来事を記録する価値のあるものを記録する」というDIY精神を持ち、従来の雑誌の固定化されたモデルとは一線を画した『here and there』は世界中で根強い人気を博しています。 編集長の林央子は、スーザン・チャンチオロ、パスカル・ガッツェン、マーク・ボスウィック、前田征紀、ホンマタカシ、アン・ダムス、マイク・ミルズ、ミランダ・ジュライ、キム・ゴードン、エレン・フライス、ドミニク・ゴンザレス=フォースター、BLESS、コズミックワンダー、島袋道浩、小金沢健人、奈良美智 etcや、創刊号からアートディレクターを務めている服部一成など、様々な分野において個性的な活動を続けるクリエイター陣を初期の段階から『here and there』の執筆、写真、デザインに招き入れて制作を続けています。 そのスタイルは詩的で内省的で、本当の感情や人生の瞬間を会話や手紙の形で記録し、人々の間の微妙な感情や深い感情を探求しています。『here and there』は現在 15 号まで発行しています。 この新しいコレクション出版プロジェクトは、2012 年に Nieves Books から出版されたコレクション「here and there 1 - 10」の拡張版であり、11 号から 13.5 号までの内容を追加しました。この本の出版を記念して、林央子は多くの長年の友人たちにメッセージや思い出を共同執筆してもらい、同時に、1 号から 13.5 号までデザイナーを務めた服部一成もこの本の新しい表紙と裏表紙を作成しました。 ※全ての表紙と裏表紙は1点ずつシルクスクリーン3色プリントでの制作となります。 千ページにも及ぶこのコレクション本は、林央子の20年以上にわたるhere and thereの制作活動を通して語られてきたファッションやアート、そして社会の移り変わりを辿ることができる貴重な一冊となっています。 また「ルールを理解した上で意図的に破る」という服部一成のデザイン哲学が生き生きと表現されており、脈々と受け継がれるグラフィックデザインの美学を感じていただけます。 ●林央子プロフィール 林央子 はやし・なかこ 1966年生まれ。編集者、ライター、キュレーター、リサーチャー。資生堂『花椿』の編集に携わったのち、01年にフリーランスになり、02年に『here and there』を創刊。現在は Central Saint Martinsの修士課程(MRes Arts)に在籍し、Exhibition Studiesを学ぶ。96年「Baby Generation」展や14年「拡張するファッション」展のように、出版物企画に端を発した展覧会の創出に携わってきた。著書に『拡張するファッション』『つくる理由』ほか。 ●服部一成 プロフィール 服部一成 はっとり・かずなり 1964年東京生まれ。1988年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。卒業後、株式会社ライトパブリシティに入社し、2001年にグラフィックデザイナー兼アートディレクターとして独立し、デザイン分野で活躍。 主な仕事にキューピーハーフの雑誌広告ディレクション、JR東日本広告グラフィックデザイン、雑誌『真夜中』や『『流行通信』誌のアートディレクション、インディペンデントマガジン『here and there』アートディレクター、平凡社広報誌『月刊百科』グラフィックデザイン、三菱一号館美術館ロゴデザイン、ユトレヒト書店ロゴデザイン、バナナフィッシュ書店ロゴデザインなど。また東京国立近代美術館、横浜美術館、東京都庭園美術館の展覧会ポスターデザイン、旺文社「プチロワイヤル仏和辞典」の表紙デザイン、ホンマタカシ撮影著作による中平卓馬『きわめてよいふうけい』ブックデザインなど。他、横山裕一、長島有里枝などの作品集ブックカバーデザイン、ポスター作品「フラッグシリーズ」「ケーキシリーズ」など。 主な受賞歴に東京ADC賞、東京ADC会員賞、第6回亀倉雄策賞、原弘賞、東京TDC会員賞、毎日デザイン賞、東京TDC大賞など。 ________________ 「here and there vol.1 - vo.13.5」 編集: 林央子 ブックデザイン:服部一成 発行:BANANAFISH BOOKS、Nieves Books フォーマット: 210mm x 297mm x 50mm ページ数:880ページ 用紙: テキストマンケンプリントホワイト 80gsm カバー ムンケン ピュア ラフ 300gsm 中ページ:4色印刷 表紙と裏表紙の技術: 黒、白、青の 3 色スクリーン印刷 1冊あたりの重量 : 約2.1kg 印刷部数: 500部
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Yamada Keisuke『乱読の地層』
¥1,300
エッセイ、ノンフィクションの書評集です。国内外問わず、ここ数年で読んだ本の中でも選りすぐりの50冊をまとめています。 書評の単なる寄せ集めではない、新たなスタイルの書評集を模索しました。 読書クラスタの方はもちろんのこと、何を読もうかなと悩む方の水先案内人になるような一冊となりました☝️ <目次> 1. 乱読のセレンディピティ / 外山 滋比古 2. なぜ働いていると本が読めなくなるのか / 三宅 香帆 3. 長い読書 / 島田 潤一郎 4. 言葉と歩く日記 / 多和田 葉子 5. べつの言葉で / ジュンパ・ラヒリ 6. トーフビーツの難聴日記 / tofubeats 7. ECDiary / ECD 8. あるノルウェーの大工の日記 / オーレ・トシュテンセン 9. 日本移民日記 / MOMENT JOON 10. 「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし / 加藤 圭木 11. 韓国文学の中心にあるもの / 斎藤 真理子 12. サッカーと愛国 / 清 義明 13. 赤と青のガウン オックスフォード留学記 / 彬子女王 14. サイボーグになる / キム・チョヨプ、キム・ウォニョン 15. 記憶する体 / 伊藤 亜紗 16. 未来をつくる言葉 / ドミニク・チェン 17. インターネットは言葉をどう変えたか / グレッチェン・マカロック 18. 知的生産の技術 / 梅棹 忠夫 19. 闇の自己啓発 / 江永 泉、木澤 佐登志、ひでシス、役所 暁 20. 何もしない / ジェニー・オデル 21. 偶然の散歩 / 森田 真生 22. 継続するコツ / 坂口 恭平 23. 旅の効用 人はなぜ移動するのか / ペール・アンデション 24. アメリカの〈周縁〉をあるく: 旅する人類学 / 中村 寛, 松尾 眞 25. イリノイ遠景近景 / 藤本 和子 26. 世界と僕のあいだに / タナハシ・コーツ 27. それで君の声はどこにあるんだ? / 榎本 空 28. ニーナ・シモンのガム / ウォーレン・エリス 29. 波打ちぎわの物を探しに / 三品 輝起 30. 穏やかなゴースト / 村岡 俊也 31. 嫌われた監督 / 鈴木 忠平 32. 怪物に出会った日 / 森合 正範 33. サカナとヤクザ / 鈴木 智彦 34. 牙 / 三浦 英之 35. 黒い海 船は突然、深海へ消えた / 伊澤 理江 36. BAD BLOOD / ジョン・キャリールー 37. 根っからの悪人はいるのか / 坂上 香 38. ブルシット・ジョブ / デヴィッド・グレーバー 39. アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した / ジェームズ・ブラッドワース 40. 資本主義リアリズム / マーク・フィッシャー 41. 音楽と生命 / 坂本 龍一、福岡 伸一 42. 急に具合が悪くなる / 宮野 真生子、磯野 真穂 43. くもをさがす / 西 加奈子 44. きれはし / ヒコロヒー 45. 自分のために料理を作る / 山口 佑加、星野 概念 46. 二重のまち/交代地のうた / 瀬尾 夏美 47. 女たちが語る阪神・淡路大震災 / ウィメンズネット・こうべ 48. 父ではありませんが 第三者として考える / 武田 砂鉄 49. かなわない / 植本 一子 50. ひとりになること 花をおくるよ/さびしさについて / 植本 一子、滝口 悠生 大きさ:210x148x5 mm
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【サイン本】『 随風 01』
¥1,980
※ 宮崎智之さんほかランダムに数名のサインが寄せ書き風に?入っています。 ※ サインはお選びいたたけません。 『随風』01 目次 巻頭随筆 宮崎智之 船出にあたって 平林緑萌 随筆特集「友だち」 浅井音楽 海猫沢めろん オルタナ旧市街 かしま 岸波龍 早乙女ぐりこ ササキアイ 作田優 鈴木彩可 竹田信弥 友田とん 西一六八 野口理恵 批評 柿内正午 仲俣暁生 横田祐美子 座談会 城崎にて、香川にて 森見登美彦 円居挽 あをにまる 草香去来 編集していない編集者の編集後記 北尾修一 装画:坂内拓 A5判 縦148mm 横210mm 140ページ
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旅行記『CONTRAST』
¥800
顔の名前もわからない誰かの話がふと、心の隙間にぴったりと収まる瞬間がある——。 このZINEは友人と2人で作りました。 たまたま同じ時期に、同じ会社に入っただけの友人。 ZINEを作るきっかけも、ただ彼女に誘われたから。なぜ知り合って間もない僕に声を掛けたのか、そもそもなぜZINEを作ろうと思ったのか。恐らく、思いつきで彼女は僕に声を掛けたのかもしれないし、ただZINEが好きだから作りたかっただけかも知れません。 本屋でふと手に取った本の一文に、美術館で思いがけない絵に、塾の帰り道、自転車を漕ぎながら満たされていくあの瞬間のように・・・。 知り合って間もない互いの言葉と言葉の隙間に、写真に流れる時間の中に、自分を見つけることができたら、私たちはもっと優しくなれる気がするのです。 by MAYU SONOBE & TAICHI SAITO 210x143 中綴じ (テキストブック:147x104 中綴じ)
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赤染晶子『初子さん』
¥2,200
あんた、きっとうまいこといくで。 あんパンとクリームパンしか売っていないパン屋に、初子さんは下宿している。 生きることのままならなさを切実に、抜群のユーモアをもって描きだす『じゃむパンの日』の著者の原点にして、そのすべてが詰まった小説集。 文學界新人賞受賞デビュー作「初子さん」、傑作「うつつ・うつら」に 単行本初収録「まっ茶小路旅行店」を併録。 B6変形判・並製本 192ページ 【著者紹介】 赤染晶子(あかぞめ・あきこ) 1974年京都府生まれ。京都外国語大学卒業後、北海道大学大学院博士課程中退。2004年「初子さん」で第99回文學界新人賞を受賞。2010年、外国語大学を舞台に「アンネの日記」を題材にしたスピーチコンテストをめぐる「乙女の密告」で第143回芥川賞を受賞。2017 年急性肺炎により永眠。著書に『うつつ・うつら』『乙女の密告』『WANTED!! かい人 21 面相』『じゃむパンの日』がある。
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エーリヒ・ケストナー『どうぶつ会議』
¥1,100
第二次世界大戦後,世界平和のために国際会議がひらかれますが,すこしも成果があがりません。それを見ておこった動物たちは,北アフリカの動物会館にあつまって,動物会議をひらこうと決心します。スローガンはただひとつ「子どもたちのために…….」子どもたちの未来を祈るケストナーの絵本。 エーリヒ・ケストナー 文 , ヴァルター・トリアー 絵 , 光吉 夏弥 訳 206x166x8mm 上製 76ページ
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【サイン本】橋本倫史『2024年の本部町営市場』
¥1,980
※ 著者直筆サイン本です。 まちに暮らすひとびとの声に耳を傾け、 土地に流れてきた時間に想いを寄せる。 ひとりひとりの語りから、 まちとは何かを問い直す。 2024年9月、突如として解体の方針が発表された、沖縄本島の本部町(もとぶちょう)にある、本部町営市場。そこに店を構える23軒の店主ひとりひとりの語りから、本部町が――ひいては沖縄が歩んできた近代が浮かび上がる。わたしたちにとって今、まちとはどんな場所なのか――? 【目次】 ◉聞き書き 仲村商店 浦崎精肉店 西平精肉店 古堅精肉店 金城鮮魚店 友寄商事 コスメティックさくら にしき屋 Ribbon 玉城商店 いちばキッチン 島しまかいしゃ Half Time Cafe シーサーや いっぷく家 A Gallery 施術処peaceness トータルビューティーM.LUNE すこやか農場 Black Lives Matter Coffee 「本部町営市場と18年」 知念正作(自家焙煎珈琲みちくさ)、知念沙織(市場豆花店) ◉寄稿・談話 「市場の生まれ変わり」新城和博(編集者) 「1979年、沖縄」岡本尚文(写真家) 「一期生の思い出」知念正昭(元・本部高校校長) 「建築が語る市場の記憶:本部町営市場」普久原朝充(建築士) 「まちづくりはひとづくり」宮島真一(「シアタードーナツ」代表) 「迷子になる」山本ぽてと(ライター・編集) 「安心な市場」宇田智子(「市場の古本屋ウララ」店主) デザイン:名久井直子 四六判並製 360ページ
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牛尾憲輔『定本』
¥2,970
作曲家・アーティストの牛尾憲輔、劇伴作家活動10周年を記念したアニバーサリーBOOKが2025年2月27日に発売決定。電気グルーヴ・石野卓球との出会いをきっかけに音楽活動をスタート、2008年にソロユニット・agraphとしてアルバムをリリース、2014年にはアニメ『ピンポン』で劇伴作家としてのキャリアをスタートさせた牛尾憲輔、初の公式本です。 生い立ちから現在までを語ったロングインタビューをはじめ、石野卓球&ピエール瀧(電気グルーヴ)・山田尚子・湯浅政明・高野文子・魚豊など総勢26名の超豪華ゲストが語る「音楽家・牛尾憲輔の魅力」とはーー。牛尾憲輔の「現在」「過去」、そして来たるべき「未来」を収録した一冊。 【ロングインタビュー】 ・牛尾憲輔 【対談】 ・石野卓球(電気グルーヴ)×牛尾憲輔 ・山田尚子×牛尾憲輔 ・湯浅政明×牛尾憲輔 ・佐藤 大×牛尾憲輔 【特別企画】 ・ピエール瀧(電気グルーヴ)&牛尾憲輔、高田馬場ゲーセンミカドへ行く 【インタビュー】 ・砂原良徳 ・永井聖一(相対性理論) ・中村弘二 ・ミト(クラムボン) ・JC(ミランレコード) ・吉田玲子 ・大塚 学 ・新宅洋平 【寄稿】 ・沖田修一 ・風間太樹 ・白井嘉一郎 ・中村伸一 【マンガ・イラスト】 ・高野文子 ・魚豊 ・タカノンノ ・JUN INAGAWA 【論考】 ・佐々木敦 ・柴 那典 ・北出 栞 ・灰街 令 ・宮昌太朗 ……ほか 判型:A5判 ページ数:256ページ 【牛尾憲輔】 1983年3月1日生まれ、東京都出身の音楽家/プロデューサー。音楽教室の家で育ち、幼少よりピアノを習う。東京工科大学在学中に「Pro Tools」オペレーターとして活動。その後、石野卓球の音源制作、テクニカル・エンジニアなどに関わり、2007年にコンピレーションアルバム『Gathering Traxx Vol.1』に初の楽曲「colours」を提供。翌年にソロ・ユニット“agraph”名義でアルバムデビュー。映画音楽、バンドのLAMAや電気グルーヴのサポートを担当するなど、幅広い活動を展開。
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石川直樹『K2 Naoki Ishikawa』
¥9,900
※ 3/上発送予定です。 銀塩フィルムに刻まれた、世界最難峰への旅 標高8000mを超える山は、世界に14座。すべてヒマラヤ山脈にある。2024年10月、石川直樹はそのひとつ、中国チベット自治区のシシャパンマに登頂し、写真家としては世界で初めて、14座すべてに登った。 14座のなかで最も登頂が難しいのが、パキスタン・中国国境にそびえる単独峰・K2だ。標高は8611mでエベレストより低いが、登頂者ははるかに少なく、遭難者は多く、「非情の山」とも呼ばれる。石川は2015年、2019年にアタックするも断念。2022年、3度目の挑戦でようやく登頂を果たした。 写真集『K2 Naoki Ishikawa』は、石川が3度にわたるK2挑戦で撮影した109枚のフィルムで構成される。麓の街から出発し、青く長大な氷河を越えて山頂へ。単焦点レンズで撮影された山や氷河、人物などは、石川の体験した風景そのもの。読者は、石川の辿った山頂までの道のりを、ロードムービーのように追体験することになる。 〈 編集者からのおすすめ情報 〉 石川さんの愛機はプラウベル・マキナ670。これにブローニーフィルムを装填して撮影しています。レンズは80mmの単焦点。ズームが効かないので、写真はそのまま、撮影者と被写体との距離をリアルに示します。私たちは、石川さんの立ち位置から、標高8000mを超える「デス・ゾーン」を疑似体験できるのです。 私たち「普通人」は、K2に登ることはできません。それどころか、K2の存在を知らなくても、生きることに差し支えはありません。けれども、この写真集によってK2を体感することで、世界の見え方が変わるかもしれません。K2もまた、私たちの生きるこの惑星の一部なのですから。 判型/頁:B4変/128頁
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【サイン本】スズキナオ『大阪環状線 降りて歩いて飲んでみる』
¥2,420
スズキナオによる人気ウェブ連載が書籍化! 加筆修正を大幅に行ない、「大阪環状線」1周の降りて歩いて飲んでみるが楽しめます。 前情報ほぼなしでとにかく鼻が向く方に歩く。そして、そこでの出会いを大切に、街のことを聞き、最後は飲んで終わるという取材を行い約2年。 大阪環状線を1周回り切りました。 ぜひその記録をお楽しみください。 また、書籍化にあたり 京都の人気イラストレーター/漫画家スケラッコさんによる 特別漫画「スケラッコがスズキナオさんと大阪環状線 降りて歩いて飲んでみる」を収録! 「よく歩く近所の街のことですら知り尽くすことなどできないのだから、一度だけ駅で降りて周りを歩いたからといって、その街のことが深く分かるわけではない。歩けば歩くほど、知らないことのあまりの多さに気づかされるだけだ。」 上記は本書リリースに向けたスズキナオさんのコメントを一部抜粋したものです。スマホを開けば欲しい情報はすぐ手に入るし、マップを開けば行きたい場所まで最短ルートで案内してくれる。けれど本書を読むと、自分の目で、気分で、嗅覚で感じたままに、あてもなく知らない駅で降りて、その街を歩いてみたくなります。 <目次> 1 野田 市場まで歩いて10円のジュースを買って酒場で粕汁を飲む 2 新今宮 通天閣のふもとを歩きシーシャを吸って屋台でハイボールを飲む 3 西九条 川の下のトンネルを通って本を買って商店街の酒場で飲む 4 鶴橋 コーヒーを味わってカップ麵を買って冷えた生ビールを飲む 5 福島 パンを食べて角打ちに寄って高架下の商店街で落ち着く 6 大正 ファンシー雑貨を買って角打ちに寄って川の風に吹かれる 7 天満 長い商店街を歩きレコードを買ってカレーをつまみに飲む 8 桃谷 いか焼きを食べてアーケード街を歩いてネパール料理店で飲む 9 森ノ宮 豆乳を飲んで酒場に立ち寄ってビルの地下の居酒屋へ向かう 10 芦原橋 歩き回って老舗角打ちで飲んで高架下のカフェにたどり着く 11 大阪 スパイスを買ってインテリアショップを眺めて商店街で飲む 12 大阪城公園 公園を少し歩いて鴫野の立ち飲み店に寄って高架下でもう一杯飲む 13 桜ノ宮 大衆酒場で飲んでメキシコ料理店で飲んで商店街のダイニングで飲む 14 寺田町 古い銭湯の建物を眺めてたこ焼きを食べて角打ちで一息つく 15 京橋 豆乳を飲んで立ち飲み屋で芋焼酎を飲んでさらにもう一軒 16 弁天町 コロッケを食べて地ビールを飲んで立ち飲み店へと歩く 17 今宮 角打ちで飲んで食堂で飲んで居酒屋でまた飲む 18 玉造 土俵のある公園を見て三光神社にお詣りして生ビールを飲む 19 天王寺 たこ焼きを食べて本を買って裏路地のイタリアンバルへ行く 漫画「スケラッコがスズキナオさんと大阪環状線 降りて歩いて飲んでみた」 カバーイラスト:スケラッコ ブックデザイン:仲村健太郎 組版:山田美法 B6版/200ページ
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ジェームズ・ナイス『ファクトリー・レコード全史』
¥5,720
ジョイ・ディヴィジョン、ニュー・オーダー、ハッピー・マンデーズらを生んだ伝説の英インディ・レーベル その激動の歴史を網羅した評伝が登場! 英国ロック史における重要拠点「ファクトリー」の真実に迫る 1978年に英国マンチェスターで始まったファクトリー・レコードは、創立者トニー・ウィルソンの独自の哲学や美学のもとで多くのユニークな作品を生み出していった。レコードのみならずポスターやイベント、クラブ「ハシエンダ」などにもカタログ番号を付ける遊び心もあり、「マッドチェスター」ブームを巻き起こしたものの、アーティスト優先の運営方針は経済的破綻を生み1992年に倒産。所属アーティストや当時のスタッフなど多くの関係者の証言も交えてその一部始終をたどった本書は、希代のレーベルの栄枯盛衰を伝えるUKロック・ファン必読の一冊である。 【CONTENTS】 Chapter 1 1976-1977 退屈 Chapter 2 1978 耳栓着用 ザ・ファクトリー Chapter 3 1979 アンノウン・プレジャーズ(知られざる悦び) Chapter 4 1980(Part 1) ブリュッセルより愛をこめて Chapter 5 1980(Part 2) イン・ア・ロンリー・プレイス(孤独な場所で) Chapter 6 1981 未来派達 Chapter 7 1982 会員制ダンス・クラブ Chapter 8 1983 混乱(コンフュージョン) Chapter 9 1984 最先端の人々発 Chapter 10 1985 ペレストロイカ Chapter 11 1986 10年目の夏 Chapter 12 1987 24 アワー・パーティ・ピープル Chapter 13 1988 存在の証明 Chapter 14 1989 マッドチェスター Chapter 15 1990 ハシエンダは閉鎖せねばあならない Chapter 16 1991 ガンチェスター(銃の街マンチェスター) Chapter 17 1992 全てが崩れ落ちる時 サイズ:A5判 ページ数:930ページ
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杉山早陽子『御菓子丸の菓子』
¥4,400
御菓子丸がスタートして10 年の節目に、これまでの30の菓子を紹介する作品集を刊行いたします。食べて消えることに表現の可能性を感じてきた御菓子丸の杉山早陽子は、食べる行為を一つの体験として捉え、記憶に残る一瞬を菓子に込めて制作してきました。 近年では野草なども含む四季折々の様々な素材を用い、生菓子から干菓子まで、御菓子丸でしか表現し得ない、視覚的でありながら、味覚的にも発見や驚きのある味を探求しています。 本書では来田猛が撮り下ろした写真と、杉山による菓子解説を中心に構成し、巻末には御菓子丸の工夫やエッセイなども紹介します。造形美からその思想に至るまで、これまでの菓子作りのエッセンスが凝縮され、御菓子丸の揺るぎない創作への姿勢が浮かび上がります。スイス装の造本を採用した、清々しく端正な一冊が生まれました。 御菓子丸が生み出す菓子は、高度な構成によって象りうるはずもないものを象るという点で、厳密に和菓子である。しかし、それが同時に、「崩れるもの」というイメージの徹底において理念的な事物を、ひいては自然物さえも永遠の相のもとで開示するのならば、それは存在したことのなかった和菓子なのかもしれない。 藤田 周(本文「御菓子丸、存在しないものを象る和菓子」より) 仕様:186 x 252 mm/ハードカバー・スイス装/168P 執筆:杉山早陽子、藤田周(文化人類学者) デザイン:須山悠里、小河原美波 写真:来田 猛 言語:日本語/英語 杉山早陽子 1983 年、三重県生まれ。京都府在住。2006 年から10年間、和菓子ユニット「日菓」として活動。2014 年から「御菓子丸」を主宰しながら、和菓子を制作、販売している。食べて消えることに表現の可能性を感じ、京都にて和菓子を学ぶ。食べる行為を一つの体験として捉え、記憶に残る一瞬を菓子に込めて制作する。2018 年に『そのときみえるもの』をtorch pressより上梓。 https://www.okashimaru.com/
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川内倫子『M/E』
¥7,150
2019年にアイスランドを訪れた川内は、地球の息吹を感じる間欠泉や、人間の持つ時間を遥かに超える氷河、胎内のような休火山の内部を目の当たりにし、いままでに感じたことのない、この星との繋がりを感じました。アイスランドを出発点とし、コロナ禍を経て自宅周辺にある自然や、北海道の冬の大地へとその体験は続いていきます。2022~2023年には大規模個展『M/E 球体の上 無限の繋がり』を開催し、「M/E」シリーズの一部を発表しました。「M/E」は現在も世界の各国で展示され続けています。 タイトルとなる「M/E」は、「母(Mother)」と「地球(Earth)」の頭文字であり、続けて読むと「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(Me)」という意味が込められています。そこからは、悠久の自然の存在と、日々の日常で起こるささやかな出来事は、無関係ではなく、分かち難くつながっていることの必然が呼び起こされます。本作は、自然と向き合いながらも自身の視座を獲得した『あめつち』『Halo』の先にある、自然と人間のつながりという原点に立ち返り、激動の時代の中でも世界を見つめ直した川内による最新作。ハンス·グレメンの装丁により、透けるような繊細で薄い紙に写真が印刷され、クロス装には大胆に箔押しが施されている、オブジェのような佇まいをもった一冊となりました。巻末には作家、写真家、美術史家であるテジュ·コールによる、手紙のような美しい文体で綴られたエッセイが収録されています。 *本作は2022 年に刊行した展覧会図録「M/E 球体の上 無限の繋がり」とは異なる書籍·内容です。(同シリーズが収録されているため重複している写真はございます) 身体を移動し、撮影したものと向き合うという行為でしか得られないものがある。 それはなぜいまここに生かされているのか、という答えのない問いに少しでも近づくための、自分にとって有効な手段だ。 そんな生活を続けて30年以上が経ち、改めて現在の自分の立ち位置を確かめたくなった。 地域や国というくくりではなく、ひとつの星の上に在るということを。 20年前に一度だけ訪れたアイスランドに2019年の夏に再訪したことで、それは叶えられた。 地球の息吹を感じる間欠泉や、人間の持つ時間を遥かに超える氷河を目の当たりにすることで、自分の存在が照らされたようだった。 とりわけ休火山の内部に入ったときの体験が強く印象に残っている。 上を見上げると火口の入り口から光が差し込んでいて、その形は女性器を想像させた。じっと見ていると自分が地球に包まれている胎児のような気がしてきて、いままでに感じたことのない、この星との繋がりを感じた。 もっとその繋がりを確かめたくて、冬の再訪を計画したが、コロナ禍で叶わなくなったこともあり、昨冬は北海道へ何度か通った。そこには厳しい寒さのなかでしか見えないものがあり、自分の身体が小さくて弱いものなのだと思い出した。 振り返るとこの約10年のあいだに東日本大震災、新型コロナウイルスのパンデミックと社会的に大きな出来事が続き、個人的にも結婚、出産など人生のターニングポイントを迎え、大きなうねりのなかにいるようだった。 日々慌ただしく過ぎていったが、コロナ禍でその速度が少し緩やかになった。 時々自宅で作業の合間に川の流れるせせらぎを聴きながら、窓越しに川の流れるさまを見ると、人心地がつく。 久しぶりに自宅で過ごす長い時間は、幼かった頃を思い出させた。 学校から自宅に戻ってからの退屈な時間や、長い長い夏休みのこと。目の前にいる娘もあの頃の自分と同じような時間の流れにいるのだろうか。 少しずつ髪と爪は伸び、毎日毎秒死に近づいている。 小さくて確実な変化をじっくりと見つめることは、年々加速していた時間の流れが少し巻き戻されていくようだった。 そして自分の老化と娘の成長が等しく進んでいくように、温暖化はさらに進み、あの日見た氷河は溶けていくのだろうか。目の前の生活とすべては地続きだ。 死に向かうことは止められないが、いま生きているこの場所を整えることはできるだろう。 母なる大地、[Mother Earth]の頭文字をとると[M/E]. そのふた文字を書き出すと、肉眼で全体を見ることのできない極めて大きなものから、個に繋がり、それは火口の内部で体験した、地球と自分自身が反転して一体化したような不思議な感覚を想起させた。 川内倫子(本作ステートメント) 『M/E』に収められている写真は、いつものあなたの力強さを発揮しながらも、これまで発表されたどの写真よりも穏やかに感じられます。ますます抽象化された写真は、アグネス·マーティンの絵画やエリアーヌ·ラディーグの音楽のように私の注意を引きます。ここにあるのは淡々とした、しかし留めどない動きの中にあるものであり、その流れを変えることはできても、止めることはできないのです。 テジュ·コール(本書寄稿文「すべては流れていく」より) 仕様:A4版変型(280 x 220 mm)/上製本・布貼り/216P デザイン:ハンス·グレメン 執筆:テジュ·コール 言語:日本語/英語
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木下龍也『すごい短歌部』
¥1,760
あなたの短歌に胸を撃ち抜かれる準備はできている。人気歌人の思考回路を明かし、投稿者と腕を磨きあう。 全く新しい短歌エッセイ 入部希望殺到の好評連載、「群像短歌部」待望の単行本化! 選歌+講評+競作による すごい一首の解体新書 短歌の詠み/読みの補助線を引く 短歌部発足にあたって 1.テーマを決めて短歌を募集。僕もみなさんと同じテーマで短歌をつくります。 2.採用歌のなにが「すごい」のかを言語化します。 3.僕の短歌の発想→推敲→完成までを詳細に記録します。 4.選者として、プレーヤーとして、腕を磨きながら投稿の場を楽しみます。 四六判・192ページ
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岸本佐知子『死ぬまでに行きたい海』
¥935
思い出の場所やいつか行ってみたかったところ、そして記憶の中を旅してみて、思いがけず心を大きく動かされたところ。ぼったくられたバリ島。父が生まれ育った丹波篠山。思っていたのと違ったYRP野比。幼馴染との経堂での奇妙な再会……。出不精な著者が見つけた、懐かしさと新鮮さが入り交じる風景の数々は、なぜだか私たちを切なくさせる。翻訳の名手が贈る少し不思議なエッセイ集。 岸本佐知子(キシモト・サチコ) 翻訳家。訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、リディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』、ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』など多数。編訳書に『変愛小説集』『居心地の悪い部屋』など、著書に『なんらかの事情』『わからない』など。2007(平成19)年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞。 文庫判・224ページ
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堀井和子『アァルトの椅子と小さな家』
¥935
コルビュジェの建てた家を訪ねてスイスへ。モダンなデザインのテキスタイルや家具を探しに北欧へ。家庭的な雰囲気の、フランスの田舎町にあるホテルへ──思わず真似したくなる、旅に出たくなる一冊。 堀井和子(ホリイカズコ) 東京生まれ。料理スタイリストとしてレシピ本や料理、器、雑貨、旅などにまつわる本を出版。イラスト、写真もみずから手がけ、独自のライフスタイルエッセイを確立した。かごなどの作品や商品のデザイン制作も行う。 文庫判・176ページ
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【300部限定サイン本】横尾忠則『TADANORI YOKOO Masterworks』
¥110,000
※ 送料無料。手作業の製本、著者サイン入のタイミングにより少しお時間頂戴しております。 若き横尾忠則の才能があふれる1960〜70年代の作品の中から、 横尾自身が代表作を厳選。その革新的なビジュアルワークを 超大型A2サイズの特装版としてまとめた世界初、300部限定の作品集。 *装丁は横尾忠則(横尾の故郷・兵庫県西脇市の名産「播州織」生地に箔押し) *直筆サイン入り、特殊印刷のポスター付き予定 仕様:A2判(横420×縦594mm)/54頁(観音製本)/上製(播州織・箔押し)/函入 *装丁の写真はイメージになります
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町田めぐみ『Chai Book』
¥1,980
○Chai Bookとは ”チャイがもっと楽しくなるレシピ”をテーマに ベーシックなチャイのレシピから からだとこころの状態にそったチャイまで。 27のレシピを集めました。 チャイの歴史の話からチャイがご縁で出会った場所や 思い出のコラムも。 ○著者コメント わたしにとってチャイを淹れるのは、ほっとする時間をつくったり、周りに元気を配ったりする方法です。 この本では、チャイがもっとたのしくなるレシピをまとめました。 チャイは2〜3人分なら10分もあれば出来上がります。 淹れる時間も香りや色に変化があってたのしいので、ぜひじぶんで淹れてみてください。 チャイでほっとひと息しましょう。 (チャイコーディネーター 町田めぐみ) ○目次 ・チャイのこと (チャイの歴史、チャイの図鑑、チャイの基本) ・ひとつのスパイスでできるチャイ ・マサラチャイとプラスワン ・季節を感じるチャイ ・お酒とチャイ ・気分で飲むチャイ ・体調に合わせて飲むチャイ ・コラム:チャイレター(チャイにまつわる思い出) ・チャイのおとも ・チャイの道具 ・お店紹介 大きさ:257 X 182 X 4 mm
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【サイン本】八田亨『HATTA TORU 八田亨の仕事』
¥3,520
※ 著者直筆サイン本です。スリーブ入り。 2025年3月よりワールドワイド(ニューヨーク、上海、ドイツ、台湾、トロント、シドニーを)な個展を予定する今注目の大阪の陶芸家八田亨初の作品集。 (実は彼はわたくし中川と同じ富田林市在住です。まだ本の内容データが未着ですので、テキストは彼による紹介文、画像は仮の表紙画像です。今後データが到着次第変更してまいります。) 体裁:B5判変形 コデックス装 112頁 以下は八田亨による本書の紹介文です。 『この度、僕の作品集『HATTA TORU 八田亨の仕事』が建築・アートの専門出版社ADPより刊行されます。 写真は西部裕介さん、デザイナーは柚山哲平さんです。 西部氏の写真は、その瞬間が目の前に現れるようなリアルさが魅力です。柚山氏のデザインは、作品の温もりや質感、そしてその背後にあるストーリーまでを巧みに表現しています。ページをめくるたびに、作品を手に取ってみたくなるような感覚を楽しんでいただけたら嬉しいです。 また、本書には約3000文字のテキストも収められています。作品を生み出す過程や、陶芸に対する思い、そしてそれらを形にするために必要な時間と情熱について僕自身が綴りました。 ぜひお読みいただければ幸いです。 毎月焚いている薪窯、個展開催に追われる時間の中で、昨年一年は、この本作りにエネルギーを注ぎ、熱中しました。熱量のある本に仕上がったと思います。 本作りを通じて、自分自身の仕事を客観的に見つめ直すきっかけになり、人生も半ばを迎えた今、また良い焼物を焼いて人の役に立ちたい、と心から思っています。 本書は2025年3月12日刊行予定です。僕の作品が、皆さんの暮らしに少しでも彩りを添え、心へ届けられたら嬉しいです。 詳細は追ってお知らせいたしますので、どうぞよろしくお願いします。 I am pleased to announce the publication of my monograph, “HATTA TORU Ceramics”, by ADP, a publishing house specializing in architecture and art. The photography is by Yusuke Nishibe, and the book design is by Teppei Yuyama. Nishibe’s photographs capture astonishing realism, as if each moment were unfolding before your eyes. Yuyama’s design further enhances this by conveying the warmth, texture, and the underlying stories of my work. I hope that as you turn each page, you will be inspired to touch, hold, and use the pieces. In addition, the book contains approximately 3,000 words of text in which I share my thoughts on the creative process, my philosophy on pottery, and the time and dedication required to bring each piece to life. I would be delighted if you took the time to read and enjoy my essays. Amid the monthly firings of my wood-fired kiln and the demands of solo exhibitions, I have devoted my energy and passion over the past year to the making of this book. I believe it has turned into a work filled with that very passion. This process has also allowed me to reflect on my work from an objective perspective. Now that I am in the middle of my life, I feel an even stronger desire to create meaningful pottery that enriches people’s lives. The book is scheduled for release on March 12, 2025. If my work can add a touch of color to your daily life and resonate with you in any way, nothing would make me happier.』
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小沼 理『共感と距離感の練習』
¥1,760
「わかる」なんて簡単に言えない、「わからない」とも言いたくない。ゲイ男性の著者が、自他のあわいで揺れながら考えるエッセイ。 「わかるかも」が口癖のあなたへ。 【内容】 初めて物語の中に私に似た人を見つけた日のこと、東京とソウルで参加したプライドパレードのこと、日本の同性婚訴訟やパートナーシップ制度のこと、同じ時代を生きている/生きていたクィアのこと―― 誰かの痛みや怒りや悲しみが、まるで自分のことのように思えることがある。乳化した水と油のように混ざり合ってしまう。だけどあなたはあなたでしかなく、私は私でしかない。他者同士である私たちが、重なったりずれたりしながらともにあるための、「共感」と「距離感」。その可能性と難しさについて。 「わかる」なんて簡単に言えない、「わからない」とも言いたくない。ゲイとして、シスジェンダーの男性として、著者が日常の中で直面したエピソードを描きます。 “共感も距離感もうまく使いこなせない。だからこそこだわってしまうのだろう。なんとか組み合わせて、練習しながら上手になっていきたい。混ざり合った世界と分離した世界を同時に生きるように。言葉にならないものと言葉を重ねて一つにするように。” ――「はじめに」より 自分と他者、規範と逸脱、個人的なことと社会的なこと……様々なものごとのあわいにとどまり、揺れながら考えるエッセイ集。 【目次】 はじめに――わからないけどわかるよ 重なりと異なり 別の複数の色 善意 「男性的」 空気と柔軟体操 水の中 アップスパイラル シーンが救う もっと大きな傘を ありあまるほどの ここにいない誰か 無関心について 安全なファンタジー 未来がない気分 男性への愛(切り裂いて) プレイリスト いつかどこかで あるいは おわりに――無防備になる 判型:四六判 ページ数:208 【著者略歴】 小沼理〈おぬま・おさむ〉 1992年、富山県出身、東京都在住のライター・編集者。著書に『1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい』(タバブックス)。本書がはじめてのエッセイ集となる。
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内田 樹『図書館には人がいないほうがいい』
¥1,760
コモンとしての書物をベースに新しい社会を作るために 司書、図書館員、ひとり書店、ひとり出版社…… 書物文化の守り手に送る熱きエール 世界でただ一人の内田樹研究家、朴東燮氏による韓国オリジナル企画の日本語版を刊行! 2023年の講演「学校図書館はなぜ必要なのか?」をメインに、日韓ともにきびしい状況に置かれている図書館の本質と使命、教育的機能、あるべき姿を説き、司書や図書館人にエールを送る第1部「図書館について」と、「出版は伝道活動である」(2024年の講演)、「書物は商品ではない」などで、「読む」ことの意味や本の未来などを語る第2部「本と出版について」で構成。 朴東燮氏の卓抜な内田樹論「『伝道師』になるということは」と 李龍勳氏の推薦文「『図書館的時間』を取り戻すために」を収録 [本文より] 僕は図書館というのも、本質的には超越的なものを招来する「聖なる場所」の一種だと思っています。だから、空間はできるだけ広々としていて、ものが置かれず、照明は明るすぎず、音は静かで、生活感のある臭気がしたりしないことが必要だと思います。低刺激環境であることが必要だと思う。 四六判変型・並製 | 240頁 【プロフィール】 内田 樹 うちだ・たつる 1950年東京生まれ。武道家(合気道7段)、思想家、神戸女学院大学名誉教授。東京大学文学部仏文科卒。2011年11月、合気道の道場兼私塾「凱風館」を開設。『寝ながら学べる構造主義』『日本辺境論』『下流志向』をはじめ多くのベストセラーをもつ。 近著に『勇気論』(光文社)、『小田嶋隆と対話する』(イースト・プレス)、『だからあれほど言ったのに』(マガジンハウス)、『凱風館日乗』(河出書房新社)があるほか、『困難な結婚』『もういちど村上春樹にご用心』(アルテスパブリッシング)、『街場の米中論』(東洋経済新報社)など著書・共著多数。 朴東燮(ばく・どんそっぷ) 1968年、釜山生まれ。独立研究者。筑波大学総合科学研究科卒業(心理学博士)。 主な著書(韓国語)に『心理学の彼方へ』『レプ・ヴィゴツキー(歴史・接触・復元)』『ハロルド・ガーフィンケル(自明性・複雑性・一理性の解剖学)』『成熟、レヴィナスとの時間』『内田先生に学ぶ方法』『動詞として生きる』『会話分析:人々の方法の分析』がある。世界でただ一人の内田樹研究家でもあり、内田樹著『先生はえらい』『ためらいの倫理学』『レヴィナスの時間論』『街場の教育論』の、また森田真生著『数学の贈り物』、三島邦弘著『ここだけのごあいさつ』などの韓国語版翻訳者でもある。
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宮後 優子『 ひとり出版入門』
¥2,420
どうやって本をつくる? どうやって運営していく? ひとり出版ノウハウのすべて。 本の制作と販売、出版社登録、書誌情報登録、書店流通、在庫管理、翻訳出版、電子書籍、さまざまなひとり出版の運営についてまとめられています。 【目次】 はじめに 1章 本のつくり方 本をつくるプロセス 1 企画を立てる 2 著者と打ち合わせする 3 企画書をつくる 4 原価計算をする 5 企画内容を確定する 6 台割とスケジュールをつくる 7 著者に原稿を依頼する 8 原稿整理をする 9 写真撮影や図版の手配をする 10 デザイナーに中ページのデザインを依頼する コラム:デザイナーの探し方 11 ISBNを割り振る 12 デザイナーに表紙のデザインを依頼する 13 束見本を発注する 14 用紙を確定して印刷代を計算する コラム:コストをおさえ美しい本をつくるコツ コラム:書店流通で避けたほうがいい造本 15 著者編集者が校正する 16 校正者が校正する コラム:校正者、翻訳者の探し方 17 文字や画像をDTP で修正する 18 定価を決めて注文書を作成する 19 受注して刷り部数を決める コラム:書店への訪問営業 20 書誌データを登録する 21 印刷所へ入稿する コラム:紙見本の入手方法 コラム:印刷所の選び方(おすすめ印刷所リスト) 22 色校をチェックする 23 色校を印刷所へ戻す(校了) 24 電子書籍を作成する(必要があれば) 25 刷り出しや見本をチェックする 26 制作関係者やプレスに見本を送付する 27 販促をする(イベント企画やプレスリリースの作成) 28 請求書をもらい支払い処理をする 29 書店で確認する 30 発売後の売れ行きを見ながら追加受注する コラム:売上の入金時期 コラム:直販サイトのつくり方 コラム:本の発送料をおさえるコツ コラム:倉庫のこと 番外編 翻訳出版 1 翻訳したい本の原書、PDFを入手する 2 原書出版社に版権の問い合わせをし、オファーする 3 版権取得可能なら、契約と支払いをする 4 翻訳書を制作し、原書出版社のチェックを受ける 5 翻訳書を出版する 2章 本の売り方 書店流通のために必要なこと 書店への配本の流れ 出版物の流通方法を決める 1 版元直販(直販サイト、イベントでの販売) 2 別の出版社のコードを借りる(コード貸し) 3 Amazonと直取引で売る(e 託) 4 書店と直取引で売る 5 トランスビューの取引代行で流通 6 中小取次経由で流通 7 大手取次経由で流通 電子書籍の流通 コラム:Book&Design の場合 コラム:図書館からの注文 3章 ひとり出版社の運営 ビーナイス 烏有書林 西日本出版社 よはく舎 ひだまり舎 コトニ社 みずき書林 Book&Design URLリスト、索引 参考文献 おわりに 【著者プロフィール】 宮後 優子 (ミヤゴ ユウコ) (著/文) 編集者。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業後、出版社勤務。1997年よりデザイン書の編集に従事。デザイン専門誌『デザインの現場』『Typography』の編集長を経て、2018年に個人出版社・ギャラリーBook&Design を設立。日本デザイン学会会員。共著『要点で学ぶ、ロゴの法則150』(BNN)。 https://book-design.jp/ 四六判 縦188mm 横128mm 厚さ16mm 重さ 282g 240ページ 並製
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小手川映子『旅の食卓』
¥1,650
知らない風のにおい、心ときめく料理、不思議と陽気になる人付き合い。 みずみずしいままスケッチブックに写された、旅の記憶と食をたどる絵画集。 スケッチブックと巡るヨーロッパ旅は、一杯のポートワインからはじまった。 青空のもと草花が揺れるぶどう畑、ひっそりと路地にたたずむバル、ガラス屋根から光溢れるパサージュ……。 ひとつひとつの出会いが、食の喜びとともに紡がれる。 ■著者紹介 小手川 映子(こてがわ えいこ) 大分県臼杵市に生まれ育つ。 大学卒業後、出版社勤務、絵本の編集に携わる。 子どもの頃から絵を描き続け、これまでにイラストレーション、油絵、銅版画などを習うも、 最終的にペン画に透明水彩で彩色する技法に落ち着く。 絵本や料理本やインテリアの本など、美しい装丁、デザインの書籍を眺めることに、何よりも喜びを感じる。 好きなものは、旅行、 ピアノ、料理、野山の花。 B5判・ 48ページ
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堀井和子『早起きのブレックファースト』
¥935
一日をすっきりとスタートさせるための朝食、そのテーブルをひき立てる銀のポットやガラスの器、シンプルで気のきいたレシピ──毎日のはじまりを極上の時間に変えるイラスト&フォトエッセイの名著。 カバー装画:堀井和子 文庫判・224ページ
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播磨靖夫『人と人のあいだを生きる』
¥2,750
ケアとアートをむすぶ先駆者として半世紀― 障害のある人の表現に“可能性”を見出し、 周縁から「生の尊厳ある社会」を導いた、 思想家・運動家によるラストメッセージ。 人と人のあいだを生きる―― 生をより深く、美しく変える エイブル・アート・ムーブメント。 「みなさん、こんにちは。いま紹介がありました、播磨と申します。今日はわずかな時間ではありますが、我々が取り組んでいる『エイブル・アート・ムーブメント』について、また、ケアについてお話をしたいと思います――」(本文より) 障害のある人の生きる場「たんぽぽの家」づくりをはじめ、わたぼうし音楽祭、エイブル・アート・ムーブメント(可能性の芸術運動)、Good Job!プロジェクトなど、ケアとアートをむすぶ数々の市民運動を提唱・実践し、2024年秋、生涯に幕を閉じた文化功労者・播磨靖夫(享年82)。 その活動を集大成した「最終講義」を、未来に向けてーー 解説・鷲田清一(哲学者) 播磨さんが口にされたこんな言葉が今もあざやかに耳に残っている。 ――「遠いところ、弱いところ、小さいところに種があるのです」 他者と生きる社会のはじめかた 【目次】 はじめに ◾️最終講義 エイブル・アート・ムーブメント 人の痛みは、制度だけでは救えない/「美は悲しみにあり」/芸術運動の拠点「アートセンターHANA」/オンリーワンの活動が、コンベンションセンターにも/すべての人間に眠るアートのDNA/新しい思想としてのエイブル・アート/私は、私と私の環境/エイブルアート・カンパニー/アート×デザイン×しごと Good Job!センター香芝/ユーモラスな張り子を3Dプリンタで/愛と祈りの継承 NEW TRADITIONAL/アートの社会化/社会のアート化/障害のある人のアートをどう見るか/人間はつながりのなかに生きている/自ら額に汗して状況をつくる―企業との協働/社会を動かす7つのP/「アートは、概念を壊す」/宇宙は故郷である ◾️可能性の芸術論 「魂の芸術家」たちのアートと生命をおりなす新しい芸術運動 アートリンクから生まれる生命の新しいかたち 障害者アートと人権 社会連帯とアートの役割 ◾️播磨靖夫の視点原点―もっとも笑うやつが最後に勝つ ペンの力と、ただ人の運動と 生涯“小僧”の在野精神 学びを自分たちの手に取り戻す 人間みな同じで、人間みな違う もっとも笑うやつが最後に勝つ もうひとつの共生の試み 「裏作」で何かを創造しよう あとがきにかえて―斜めはすかいで異所懸命に 本書出版にあたって 解説 播磨さんの達観 鷲田清一(哲学者) 【前書きなど】 はじめに 障害があっても不幸にならない未来を目指して50年あまり。障害のある人たちの表現と最初に出会ったのは、四国の高松です。およそ55年前、新聞記者として仕事をしていたとき、高松在住の美術評論家が仏生山の知的障害のある人たちの施設で絵画教室を開いているのを取材しました。 その作品の素晴らしさに目を見張りました。そして「これはいつの日か『今日の芸術』(岡本太郎)になるぞ!」という予感をもちました。岡本太郎は『今日の芸術』という本を発表し、当時学生だった私に大きな衝撃を与えました。 岡本太郎は「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」という、爆発的な宣言をしていました。それからのち、障害があっても不幸にならない未来を目指して取り組むようになってから 、障害のある人たちの芸術的才能に着目して新しい芸術運動「エイブル・アート・ムーブメント(可能性の芸術運動)」を提唱しました。 エイブル・アート・ムーブメントは、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた市民芸術運動です。当時の日本は、バブル経済がはじけ、オウム真理教のテロが起こり、成長神話、安全神話が崩壊したころ。失意の底にある日本社会、自信喪失した日本人の精神復興を目指す芸術運動を思い立ち、はじめたものでした。 アートを通して幸福で豊かな生活を営むことは、すべての人の権利である、と考えた私たちは、アートと社会の新しい関係づくりに取り組みました。それは「アートの社会化、社会のアート化」を進めることです。しかし、日本社会には、アートは特別な人がするもの、崇高なもの、むずかしいもの、独りよがりなもの、といった既成概念が強くあります。アートの現場でもハイアート(高級芸術)とローアート(大衆芸術)、またはコミュニティアート の差異は大きく存在しています。この差異を無化するために芸術を再定義するところからはじめたのが、この運動でした。 「芸術とは、個人または集団の、その取り巻く日常的状況をより深く美しいものに変革する行為である」 これは誰もがアートにアクセスできる「ART FOR ALL」という考え方に通じるものです。このような観点から社会から無視されるか、価値の低いものとして扱われてきた「障害者アート」を見直す取り組みを行ってきました。それはアートを介して障害のある人たちの人間としての価値を高めると 同時に、社会的イメージを高める、というねらいがありました。 弱者とは? 障害とは? 差別とは? そもそも人間として生きているということは? という問いと向き合い、その答えを見つけようと努力を重ねる人たちと一緒に運動を展開してきました。それはまさに「土を耕し、種を蒔き、苗を育て、花を咲かせる」地道な仕事でした。いまや障害者アートは全国的に広がり、そのレベルも飛躍的に高まっています。かつて障害のある人たちのことを「能力の低い人」とみなしてきた社会的障害者観が、「芸術的才能のある人」に変わりつつあるのです。 どんな人でも生きているかぎり、なにかを表現したい、という想いをもっています。それが叶ったとき、幸福だと思うのではないでしょうか。これを「生の実感」と言います。 美術館の大芸術も、日常から生まれる小芸術―障害者アートも、その人の魂に触れるということに変わりはありません。 哲学者のハンナ・アーレントは、人と人のあいだにあることを「 生きる 」と意味づけました。孤立せず関係性のなかにあることを「生きる」ことだ、と言っています。 私たちの社会は、いま大きく変わりつつあります。そのひとつに「BE(ある)」の価値から「BECOMING(成っていく)」の価値へ転換していることです。 それも「CO-BECOMING 」が大事だといわれています。「CO」は「共同」または「協働」することです。 「人は人によりて人となる」という言葉があります。他者とともに何かをつくることによって人間の生きる意味を見つけることができるという考えです。 助け合うこと、お互いに思いやること、あらゆる存在が共存的でネットワークのなかで生きている、これこそ人間本来の生き方ではないでしょうか。 「いのち」はお互いに栽培し合う存在であるということを障害者アートは教えてくれています。それは人間のあり方、認識の仕方を見直すことにつながるからです。 【版元から一言】 「本書出版にあたって」より 一般財団法人たんぽぽの家理事長・播磨靖夫は2024年10月3日に82歳の生涯を終えました。5月に病気のために入院。そこから本書の制作がはじまり、播磨の自宅療養期間に何度かのやりとりを経て、没後に完成しました。(中略) この講義は本人としては完璧とはいえないが、人前で長く話す最後の機会になったこと、これからを担う学生に何かしら響いた手応えがあることから、本の構成は、講義内容を幹にしたいと考えました。(中略) 本書はエイブル・アート・ムーブメントを提唱した播磨の言葉を残していますが、思想家、運動家といった枠を超え、ひとりの多様で魅力的な人間としての播磨靖夫が浮かび上がってきます。自ら の思想と行動をとおして、出会った人の夢や思いをかたちにすることをしつづけた人生でした。その思いにぜひ心を寄せていだければ幸いです。 著者プロフィール 播磨 靖夫 (ハリマ ヤスオ) (著) 1942年、台北生まれ、兵庫県宝塚市出身。毎日新聞社記者を経て、フリージャーナリストに。一般財団法人たんぽぽの家理事長、社会福祉法人わたぼうしの会理事長として、障害のある人たちの生きる場「たんぽぽの家」づくりを市民運動として展開。アートと社会の新しい関係をつくる「エイブル・アート・ムーブメント(可能性の芸術運動)」を提唱し、障害のある人による芸術表現活動隆盛の礎を築いた。1999年より「ケアする人のケア」プロジェクト、2006年からは「アートミーツケア学会」を立ち上げるなど、ケアの文化の創造を目指す。2012年からは、障害のある人のあたらしい働き方や仕事づくりを提案する「Good Job!プロジェクト」を展開し、2016年に「グッドデザイン賞」金賞を受賞するなど、福祉の可能性を切り拓いた。同年、「Good Job! センター香芝」を立ち上げ、2017年に「奈良県景観デザイン賞」知事賞・建築賞および「グッドデザイン賞」ベスト100を受賞。日本ボランティア学会副代表、日本障害者芸術文化協会(現特定非営利活動法人エイブル・アート・ジャパン)常務理事、特定非営利活動法人日本NPOセンター代表理事、公益財団法人パブリックリソース財団顧問、芸術とヘルスケア協会代表理事、アートミーツケア学会常務理事などを務める。平成21年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)受賞、令和4年度文化功労者(芸術振興)。2024年10月3日逝去。 四六変形判 縦188mm 横125mm 厚さ14mm
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ス-ザン・フォワ-ド『毒になる親 一生苦しむ子供』
¥858
悩める人生のトラウマは「親」!!勇気をもって親の呪縛をとく!! 子ども時代に植えつけられた不安、怒り、過剰な義務感、つきまとう罪悪感が、大人になったあなたに害を与え続ける!!親に奪われた人生を取り戻すための名著!! ●子供が従わないと罰を与え続ける「神様」のような親 ●「あなたのため」と言いながら子供を支配する親 ●大人の役を子供に押しつける無責任な親 ●脈絡のない怒りを爆発させるアル中の親 「毒になる親」に傷つけられた子供の心は、歳を重ねても癒されない。悩む数千人の人々を20年以上にわたってカウンセリングしてきた著者が、具体的な方法をアドバイスする“現実の希望”にみちた名著!! 判型:A6 ページ数:328ページ
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トマス・ゴードン『親業』
¥2,090
「親業」とはつまり、子育てのことである。それをあえて親業としたのは、従来の子育てのなかでは、「子供がいかに育つか」と、子供のほうにばかり重点がおかれていたのに対し、本書では、「子供が育つ上で親がいかに関わるか」という親の側に焦点を当てて子育てを見直すところに、ひとつの大きな特徴があるからである。 判型:四六 ページ数:312ページ
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吉池浩美『旅のち、チャイ』
¥1,815
チャイと焼き菓子のレシピ&旅ノート 長野の人気チャイ店「mimiLotus(ミミロータス)」店主・吉池浩美さんの初の著書! 紅茶とスパイス、牛乳を煮出し、たっぷりの砂糖を加えるインド式ミルクティー「チャイ」。今では世界中で親しまれています。 ネパールやインドに行き、現地の人にチャイをふるまう旅をして、そこからたくさんのアレンジチャイを生み出してきた吉池さん。ミミロータスとっておきのチャイや焼き菓子のレシピを、旅のエッセイと共にお届けします。 旅気分を味わったり、チャイやお菓子を作ったり、お気に入りのチャイを見つけてみたり――多彩な楽しみ方ができる一冊です。 【目次】 はじめに この本の使い方 Chapter1 チャイのあれこれ チャイのルーツ 茶葉 牛乳 道具 うつわ スパイス Chapter2 チャイレシピと旅ノート プレーンチャイ アイスチャイ ネパール編 もてなしのスパイス タンセン ――マサラチャイ 初々しさの香り ポカラ ――フェンネル・オレンジチャイ コミュニケーションのお守り ポカラ ――ティムル・チョコレートチャイ 旅の中のささやかな日常 ポカラ ――ヒマラヤン・ソルトチャイ ちくさ茶房 カトマンズ ――サフランチャイ 原点の場所 カトマンズ ――七味唐辛子チャイ “ゆっくり”を知る ダンプス ――ネパールラム酒・シナモンチャイ 強くて優しい、村のお茶 ヘランブ ――バターチャイ おかんのミルクティー ムクティナート ――パウダーミルクチャイ エクダムミトチャ ビラトナガル ――チョコレート・オレンジチャイ 背中を押した隠し味 ジャナクプル ――コーヒーチャイ インド編 今日はとってもHappyだ マドゥライ ――ジンジャー・オレンジチャイ THIS is INDIA コチ ――ほうじ茶チャイ 旅の小休止 アラップーザ ――ブラックペッパー・ココナッツチャイ 景色のパズルを重ねる ムンナール ――カルダモン・チョコレートチャイ バンガロールのラドゥ バンガロール ――キャラウェイ・きな粉チャイ ピンク色のサリー オールドデリー ――ターメリック・ローズチャイ 無知から生まれたお気に入り イギリス・ロンドン ――ローリエ・セージチャイ 素敵な不透明さ フランス・パリ ――キャラウェイ・アニスチャイ 南・東南アジア編 ナヤナさんの記憶 コロンボ ――クミン・オレンジ・チョコレートチャイ 魔法の一杯 シレット ――ブラックペッパー・コリアンダーチャイ カンポットペッパー カンポット ――ブラックペッパー・バナナチャイ ハノイのぜんざい ハノイ ――あずき・ごま・生姜チャイ バンコクの鼓動 バンコク ――シナモン・いちごチャイ 終の住処はチェンマイで チェンマイ ――カルダモン・ミント・レモングラスチャイ 灼熱の太陽の下で チェンマイ ――タイの冷たいミルクティー スモーキーで甘い国 ヤンゴン ――ミャンマーのミルクティー 気分で楽しむチャイ リフレッシュしたい時に ――カルダモン・レモンチャイ ほっとひと息つきたい時に ――ブラックペッパー・いちご・チョコレートチャイ 甘酸っぱい気分に ――ティムル・いちごチャイ いたわりなチャイ ――ルイボス・ハーブチャイ リラックスしたい時に ――チョコレート・ミントチャイ 身体を温めたい時に ――柚子・生姜チャイ おやすみなチャイ ――ルイボス・マサラチャイ Chapter3 焼き菓子レシピと旅ノート ビスケット(基本の作り方) マドゥライの喧騒 ――マサラとココナッツの小麦ビスケット ギータの秘密 ――フェンネルシードとシナモンの全粒粉ビスケット アンガンの衝撃 ――アジョワンとレモンの米粉ビスケット マサラ香るアイスクリーム サブレスコーン(スコーン基本の作り方) 生八ツ橋をヒントに ――シナモンと金時豆のスコーン ケララおじさんの笑顔 ――カルダモンとバナナのスコーン ネパール風ミルクプリン チャイのおとも ①マサラパウダー ②チョコレートシロップ ③いちごペースト ④素製糖シロップ ネパールときどきインドの旅日記 Column旅のスケッチ ①ダルバート ②ボダナート ③旅のもちもの mimiLotusハコ作り日誌 おわりに